寝ないと⚪ぬ? 睡眠時随伴症 レム睡眠中に起こる悪夢!

 

皆さんは、睡眠に関係する病気をご存じでしょうか?

例えば、赤ちゃんの「夜泣き」も睡眠障害の一つに数えられています。

今回は、そんな睡眠に関するさまざまな症状の中でも「特に子どもに関係する睡眠時随伴症の1つ悪夢」についてご紹介します。

 

そもそも睡眠はなぜ必要?

眠らないとどうなるかは、実体験として皆さん理解されてますよね?

ただ、確かに睡眠は生存と健康に欠かせませんが睡眠がなぜ必要で、どのような効果があるのかは完全には解明されていません。

 

分かっている睡眠の効果の一つ

日中の作業効率を回復させる。

→ベータアミロイドと呼ばれる毒性タンパク(脳の正常な活動から生じる老廃物)が、睡眠中に脳から取り除かれるためだと考えられています。

*データアミロイドが蓄積していくと、脳の機能が阻害されていきます。

 

そもそも寝ないと命に関わるの?

昔から、断眠実験はおこなわれていました。

動物の断眠実験では、食事量は増加するが体重が減少。さらに、体温が低下し体毛が抜け落ちて皮膚に潰瘍などを生じて数週間で死にいたりました。


それでは、人の場合はどうでしょうか?

例えば、現在は倫理的な問題などからギネスブックは、「健康に対する影響が大きい」と言う理由により、断眠の世界記録は認められていません。

とはいえ、まだ今ほど問題にならなかった1965年にカリフォルニアの17歳の高校性ガードナーが世界記録を樹立しています。

264時間12分(11日12分)

 

断眠が命に関わるかは証明されていない

この世界記録中に、ガードナーの身体的な問題はなにもありませんでした。

ただし、4日目頃から集中力の低下や幻覚・猜疑心など精神的な変調が見られました。ちなみに、ラボでおこなわれた研究でも断眠3~4日目になると被験者に錯覚や幻覚が生じたことが知られています。

こういったことから、2晩以上続けて完全な徹夜を続けると、身体的な異常はなくとも精神的に危険な状態に陥ることが分かっています。

さて、睡眠が人だけでなく基本的に動物にとって必要不可欠なことを再確認できたかと思います。それでは、そんな睡眠が引き起こす異常行動を見ていきましょう。

Oldiefan / Pixabay

 

眠りに関する異常行動

人も寝ないと生命に関わることは、これまでの説明からいうまでもありません。

ですが、そんな睡眠には時に「睡眠時随伴症」と呼ばれる症状があらわれることがあります。

 

睡眠時随伴症(パラソムニア)

睡眠時随伴症とは、入眠直前・睡眠中、または覚醒時に起こる異常行動のことを指します。

大きく分けると「レム睡眠中」「ノンレム睡眠中」に起きる2つがあります。

そして、これは大人・子ども関係なく睡眠中にほとんど記憶が残らないさまざまな行動を無意識(睡眠中)に引き起こす症状のことです。

とはいえ、入眠の直前に腕や身体全体が「ビクッ!」と動くことは誰もが経験していますよね。空から落ちる夢や悪夢を見て、実際に身体が動いたりもします。

他にも、歯ぎしりや歯を食いしばるなど、寝ている間に引き起こされる行動は、ひとによって症状はさまざまです。


さて、そんな身近な睡眠時随伴症ですが小児では「悪夢」「睡眠時遊行症と呼ばれる夢遊病」「夜驚症(睡眠時驚愕症)」などが見られることがあります。

そして、特徴的な症状として基本的に子ども達は、自分たちが睡眠中にどんな状態だったのか覚えていません。

親としては、認知症による徘徊!?

なんて勘違いしてしまうような症状が子ども達にあらわれることもあるため、親はとても心配しますが、当の本人はケロッとしているため「親の心子知らず」な状況になります。

それでは、睡眠時随伴症の中でもレム睡眠中に引き起こされる「悪夢」についてご紹介します。

*ノンレム睡眠中に引き起こされる「夢遊病」や「夜驚症」については、次回の記事でご紹介していきます。

 

悪夢

悪夢は、鮮明かつ恐ろしい夢で突然目を覚まします。

そして、心理社会的ストレスにさらされた子ども達に生じる可能性が高く、自然には解消されない場合もあります。

さらに、子どもは大人に比べて悪夢をよく見る傾向があり、悪夢はレム睡眠中(浅い眠り)に引き起こされます。

ただ、数は少ないですが成人期に頻繁に悪夢が持続し、ほぼ生涯を通じた障害になる人もいます。

  • ストレス
  • 発熱
  • 極度に疲れている

他にも、飲酒をしたときなどにも悪夢を見やすくなるため、大人も人ごとではないことはいうまでもありません。

8385 / Pixabay

 

原因は?

  1. 気質要因・・・必ずしも心的外傷であるとは限らず、しばしばパーソナリティー障害や精神疾患が関連している。
  2. 環境要因・・・レム睡眠の質を悪くするような断眠、不規則な睡眠スケジュールなどが悪夢を見る危険性を高くする。
  3. 遺伝要因と生理学的要因・・・双子を調べた研究では、悪夢を起こす素質と他の睡眠時随伴症候群(例:寝言)の併存に対して遺伝的な影響があることが分かっている。
  4. 薬物の離脱・・・レム睡眠を抑制する薬剤(三環系抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系薬剤など)を急に止めようとすると悪夢が増加する。

ただし、ノンレム睡眠中に引き起こされる異常行動とは違い、不快な夢(悪夢)から目が覚めると急速に見当識と意識を保つようになります。

つまり、「悪夢」の場合は無意識に動き回ったり叫んだりといったことはありません。

治療は、精神的な苦痛に対しておこなわれます。

このように、眠っているのに何かしらの原因で身体が反応してしまいます。

 

最後に

子育てをしていると、子どもは一度寝るとなにがあっても起きないこともあれば、突然泣き出したりと、いとまがありません。

そして、今回紹介した悪夢は突然目を覚まします。

それでは、もしも子どもが無意識に突然夜中に歩き出したり、走り出したりと想定外な行動をやり出したらまさにホラーですよね。

しかも、話しかけても返事がない・・・

もし、こんな症状が子どもに出たら、不安になることは親としては至極当然の反応だといえます。

また、突然叫び出す「夜驚症」まであります。

人間の身体の不思議ですが、対応を間違えると危険があるため注意が必要です。


参考

レジデントノート
https://www.yodosha.co.jp/rnote/sleep/q1.html

MSDマニュアル 家庭版:①睡眠の概要 ②睡眠時随伴症
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/

 

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