●この記事では、コロナワクチンへの期待される「効果」と「禁忌」についてお伝えしています。
いよいよ新型コロナウイルスの予防接種が始まろうとしています。
スケジュール予定については以前の記事で紹介していますが、医療関係者や高齢者などは優先順位が高いため早い段階で接種される予定になっています。
- 医療従事者:2月下旬
- 高齢者 :4月以降
- 基礎疾患を有する人:高齢者の接種終了次第
- それ以外の人:基礎疾患を有する人の接種終了次第
このように、優先順位が決められています。
あくまでも、上記は予定ですが私達一般の人には、5月以降の接種になりそうです。
それでは、そもそもこのワクチンにはどのような効果が期待されているのでしょうか?
そして、予防接種を受けるためになにをすればいいのでしょうか?
今回は、「コロナワクチンへの期待と注意点」についてお伝えします。
→「日本で利用されるコロナワクチン」については、こちらの記事で紹介しています。
ワクチンの効果は?
日本で利用されるワクチンは、海外の3社から提供されているワクチンですが、どれも90%以上というありえないほどの有効性が示されています。(インフルエンザワクチンの有効率:20~60%)
*日本感染症学会で紹介されている3社で検証された症例を確認すると、3社とも100例前後の症例から有効性が導きだされていた。
それでは、実際にどんなワクチンの効果が期待されているのでしょうか?
ワクチンの効果とは?
厚生労働省では、以下の3つの効果が示されています。
- 感染予防 (感染した人が感染しない)
- 発症予防 (発症者が減少)
- 重症化予防(死亡・入院など、重症患者の減少)
ただ、「感染予防」については新型コロナウイルスでは発症しない患者さんが多いため、そもそも実証することは難しい状態になっています。
そのため、ワクチンの感染予防効果については大規模な接種後まで分からないという現実があります。
それでは、「発症予防」と「重症化予防」についてはどのような効果が期待されているのでしょうか?
「発症予防」と「重症化予防」
- 発症予防→「接種者」と「非接種者」を比較する臨床試験等で、発症数を比較して効果測定可能。
- 重症化予防→「接種者」と「非接種者」を比較する臨床試験等で、重症者数を比較して、効果測定可能。
* 臨床試験(治験)等で評価を行うことができる。
どちらにしても、予防接種が始まらないことには効果は分かりません。
それでは、コロナワクチンは誰もが予防接種を受けることができるのでしょうか?
コロナワクチンの「禁忌」と「副反応」
コロナワクチンと禁忌
禁忌(きんき)というのは、「してはいけないこと」という意味です。
つまり、この場合は「コロナワクチンを接種してはいけない人」という意味なります。
それでは、「コロナワクチンの禁忌」となる人はどういった人なのでしょうか?
①⼀回⽬の mRNA ワクチン接種でアナフィラキシーを起こした⼈
②⼀回⽬の mRNA ワクチン接種後に重篤ではないが蕁⿇疹や喘息のような症状が早期に発症した⼈
③PEG(ポリエチレングリコール)あるいは類似の抗原構造をもつポリソルベートに対し、アレルギーの既往のある人。
つまり、③のアレルギー既往が無ければ実際に接種を受けてみないと分からないことになります。
基本的には、2回目の予防接種を実施するかどうかを1回目の予防接種の状態から決めることになりそうです。
→ 他のワクチンでアナフィラキシーを経験した⼈は、主治医に相談して、慎重に接種の有無を判断しないといけない人もいる。
*ちなみに、⾷品や経⼝薬や花粉や蜂、ラテックス等に対するアレルギーの既往者は接種できる。
それでは、妊婦さんは予防接種ができるのでしょうか?
「妊婦さん」と「コロナワクチン」
産婦人科学会が2021年1月27日「COVID-19 ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する⽅へ 」を発表しています。
妊婦さんに対しては⼗分な知⾒がなく、各国で⾒解が分かれています。
⽶国の ACIP(ワクチン接種に関する諮問委員会)は、妊婦を除外すべきではないとし、イスラエルでは積極的な接種対象としています。
⼀⽅で、英国やカナダでは⼗分な臨床データがないことから、妊婦中の COVID-19 ワクチン接種は推奨していません。
COVID-19 mRNA ワクチンの動物の⽣殖に関する研究はまだ完了していません。また、中・⻑期的な副反応については、現時点では不明です。
と、あります。
つまり、妊婦さんへの影響はよく分からないということです。
そもそも、コロナワクチンは異例の早さで承認されているため、妊婦さんに限らず中・長期的な副反応についてはどういった影響がでるのか誰にも分からないのです。
→ちなみに、「胎児」および「出⽣児」への安全性も確⽴していない。
このように、妊婦さんへの予防接種は推奨されていませんが否定もされていません。
そのため、妊婦さんのワクチン接種は先程紹介した禁忌に当たらないため接種対象者から除外されていません。
あくまでも、産婦人科の主治医との相談の上で実施されることが示されています。
*妊娠を希望される⼥性は、可能であれば妊娠する前に接種を受けるようにすることが推奨されている。
コロナワクチンと副反応
厚生労働省によれば・・・
- 接種後の局所部位反応の発現頻度が高い。
- 重篤でない全身性の有害事象(倦怠感、不快感、筋肉痛、頭痛等)が高頻度(数十%以上)で発現。
ワクチン接種から少なくとも7日間に認められた特定の局所反応(腫脹、発赤、硬結、疼痛等)及び特定の全身反応(発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛等)並びに少なくとも28日間に認められた有害事象を収集することが求められる。
とあります。
そして、実際に軽度の副反応はBBCオンラインによれば頻発(3人に1人)していますが、重篤な副反応は認められていません。
つまり、少なくともワクチン接種後1ヶ月以内の副反応は軽度なものしか認められていないということです。
ただ、スイス当局の最新レポートでは、ワクチン接種をした85歳~92歳までの既存の病気の患者で、死亡が報告されています。
重度の糖尿病患者でもコロナが発見されればコロナ死にカウントされてしまう現状を考えると、コロナワクチン死となりそうですが、「因果関係ははっきりしない」と言うことになっています。
まだまだ分からないことは多いですが、基本的には「コロナワクチンについては安全!」ということで各国で接種が始まっています。
ただ、先程もお伝えしたように中・長期の副反応についてはまだ分からないため、それを証明するのは「実際に予防接種を受ける私達」ということになります。
最後に
コロナワクチンは、短期的な副反応は軽度なものばかりで基本的に安全だとされています。
そして、その有効性については100例前後の症例が根拠になっています。
ただし、1回目の接種で「アナフィラキシー症状」や「蕁麻疹」・「ぜん息」といった症状が出た人は、2回目の接種は「禁忌」となるでしょう。
そもそも、「PEG(ポリエチレングリコール)あるいは類似の抗原構造をもつポリソルベートに対し、アレルギーの既往のある人。」は接種ができません。
なにより、コロナワクチンは「努力義務」です。
ご自身の「年齢」や「既往歴」、妊婦さんと暮らしているといった「環境」など、それぞれ違いますよね。
どんなワクチンにも、副反応は付きものです。
ただ、コロナワクチンは「生ワクチン」でも「不活化ワクチン」でもない、初めての遺伝子を利用したワクチン接種の方法です。
また、もしも副反応が引き起こされたとしても「予防接種健康被害救済制度」も設けられています。
最後は、ご自身でワクチン接種を選択することになります。
自分で考えて、接種の有無を選択できるといいですね。
コメントを残す