新型コロナウイルスが「指定感染症」に!? そもそも「感染症の分類」ってなに?

 

新型コロナウイルスが、「指定感染症」に指定されることがついに決まりました。

感染症法に基づいて「指定感染症」と検疫法の「検疫感染症」に指定する政令を閣議決定され、施工は2020年2月7日→2月1日に前倒しされました。

今回の新型コロナウイルスは、「新しい感染症が拡大したときに、日本政府はどのような対策をとっていくのか?」

その過程をリアルに見ることができます。病気の現状を知ることは大切ですが、政府の動き方にも注目する必要があります。

それでは、今回は「指定感染症」についてご紹介します。

*検疫感染症については、次回ご紹介します。

 

感染症にはさまざまな分類がある!?

新型コロナウイルスは、確かに「指定感染症」に分類されることが決まりました。

ですが、そもそも「指定感染症」ってなにか知っていますか?

 

感染症の分類

そもそも、感染症の分類には大別すると一類~五類感染症までがあります。それでは、「指定感染症」はどこに当てはまるのでしょうか?

指定感染症というのは、実は政令で1年間に限って指定された感染症のことです。(延長を含めても最大2年間に限定)

そして、一類~三類感染症に準じた対人・対物措置が実施されます。

例えば、2014年の中東呼吸器症候群(MERS)は4例目の指定感染症(新型コロナウイルスは5例目)になっていましたが、現在は二類感染症となっています。

つまり、「指定感染症」という区分は、期間限定の区分でその後、必要とあればそれぞれの感染症分類に当てはめられることになります。

それでは、気になる分類ごとの感染症はどのように対策がなされるのでしょうか?

 

分類ごとの対策

指定感染症は、「一類~三類感染症に準じた対人・対物措置が実施される」とあります。

 

《一類感染症の対策》

【規制】

  • 所持等の禁止

 

【分類の意味】

  • 現在、わが国に存在していないもので、治療法が確立していないため国民の生命に極めて重大な影響を与える病原体。
  • 国際的にも規制する必要が高いとされ、*BSL4での取扱いが必要。
  • 原則、所持・輸入等を禁止するが、国または政令で定める法人で厚生労働省大臣が指定したものが、公益上必要な試験研究を行う場合に、例外的に所持等を認める病原体等。

*BSL(バイオセーフティーレベル)というのは、細菌・ウイルスなどを取り扱う実験施設の分類のことです。BSLには1~4までがありBSL4ということは、「最高レベルの病原体を扱うことができる施設」ということになります。

一類感染症は、最も危険な分類として、例えば「エボラ出血熱」や「ペスト」、「ラッサ熱」などがこれに当たります。

 

《二類病原体等》

【規制】

  • 所持等の許可

 

【分類の意味】

  • 一種病原体等ほどの病原性は強くないが、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるもの。
  • 近年テロに実際に使用された病原体等が含まれる。
  • 許可制により、検査・治療・試験研究の目的の所持・輸入を認めるもの。

*二類感染症には、「結核」や「ジフテリア」、「鳥インフルエンザ」などがあります。

 

《三類病原体等》

【規制】

  • 所持等の届出

 

【分類の意味】

  • 二種病原体等ほどの病原性はない(死亡率は低いが死亡しないわけではない)が、場合により国民の生命・健康に影響を与えるため、人為的な感染症の発生を防止する観点から、届出対象としてその所持状況を常時把握する必要がある病原体等。
  • 主に、四類感染症に分類される動物由来感染症の病原体が含まれる。

*三類感染症には、「コレラ」や「腸チフス」、「細菌性赤痢」などがあります。


さて、一類~三類感染症はこのようにそれぞれまったく意味合い(危険度)が違います。

今後、必要があれば新型コロナウイルスが、一類~五類までのどこかの感染症に位置付けられることは先程お伝えしましたが、なによりこれで「警戒すべき感染症」であることがこれで決定しました。

それでは、一類~三類感染症それぞれの対応は、どのようになっているのでしょうか?

 

分類別の対応の違いとは?

《一類感染症》

  • 【対人】→入院(都道府県知事が必要と認めるとき)等
  • 【対物】→消毒等の措置
  • 【その他】→交通制限等の措置が可能

 

《二類感染症》

  • 【対人】→入院(都道府県知事が必要と認めるとき)等
  • 【対物】→消毒等の措置

 

《三類感染症》

  • 【対人】→就業制限(都道府県知事が必要と認めるとき)等
  • 【対物】→消毒等の措置

さて、新型コロナウイルスは「指定感染症」に指定されます。

つまり、一類感染症と同等の対応ができることになります。それでは、指定感染症である「新型コロナウイルス」に感染した場合、どのような対策がとられるのでしょうか?

 

新型コロナウイルスに感染したら?

「指定感染症に指定される」ということは、今後強制措置が可能になったということになります。

つまり、患者の意思に関係なく、合法的に強制入院などを実施することができるようになります。ただし、医療費は公費負担(今回の新型コロナウイルスに関しては、入院費はすでに公費負担になっている)となります。

ちなみに、濃厚接触者(長い時間感染者と接触した人)の調査も合法的にできるようになるため、感染者だけでなく、濃厚接触者もひとごとではありません。

そう考えると、例えば会社や学校など集団で生活している人が患者になれば、周囲の多くの人に関わってくることになるでしょう。

そして、医療機関はどこでもいいわけではなく「感染症指定医療機関」に限定されます。あなたの地域に感染症指定医療機関があればいいですが、そうとは限りませんよね。

→感染症指定医療機関にいては、こちらの厚生労働省のHPから確認できます。

 

最後に

新型コロナウイルスの感染者は、これからも続々と増える(来日する)ことは間違いありません。

ただ、誰が感染しているかは分かりません。観光地に行けば、ほとんど中国語が飛び交う昨今。

また、経由地となる主要な駅や空港などには近づかないに越したことはありません。

今のところ、新型コロナウイルスは「確実な対処療法」「養生」ができれば、そこまで怖がらなくてもいい感染症かもしれません。

ただ、「指定感染症」に指定されたことで、今後は隔離などの制限が始まります。新型コロナウイルス以上に、今後の強制措置の方が注意する必要があるかもしれません。

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参考

厚生労働省:感染症の範囲及び類型について
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000040509.pdf

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=410AC0000000114#124

 

 

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