皆さんは、ワクチンの種類をご存じでしょうか?
先日、子どもの予防接種に小児科を訪れたときに「不活化ワクチン」「生ワクチン」など、ワクチンには種類があるとのいつもの説明を医師から受けました。
最初の頃はワクチンの種類により、副反応(副作用)の程度が違うことを知り驚きました。
今回は、知ってて損はないワクチンの種類と気をつける点についてまとめました。
→インフルエンザの予防接種に関してはこちらの記事で紹介しています。
ワクチンってそもそもなに?
感染症の予防に用いる医薬品。病原体から作られた無毒化あるいは弱毒カ化された抗原を投与することで、体内に病原体に対する抗体産生を促し、感染症に対する免疫を獲得する。
とあります。
つまり、直接体内に抗原を投与することで人間の免疫機能を利用して抗体をつくります。
そして、病原体から作られたワクチンにも種類があります。
ワクチンの種類
生ワクチン
病原体を弱めたウイルスや細菌などを接種して、意図的に身体に感染させることで免疫を作らせる方法。
~特徴~
→生きた病原体を投与。
→病原性が弱められている。
→投与された病原体にかかった状態とほぼ同じ免疫力をつけることができる。
~注意点~
病原体にかかった状態とほぼ同じ状態になるということは・・・
→投与した病原体が徐々に体内で増加するため、接種後1~3週間で軽い症状が出ることがある。
→年月の経過とともに免疫が弱まるので、再度接種が必要。
*投与した病原体に発症する危険性があります。→症状は軽くてすみます。
不活化ワクチン
病原性を消失または無毒化したものをワクチン(抗原)として接種します。
~特徴~
→生ワクチンよりも安全性が高い。
~注意点~
→免疫を獲得するために数回接種する必要がある。
→年月の経過とともに免疫が弱まるので、再度接種が必要。
トキソイド
トキシン・・・病原体が増殖する過程で産出する毒素のことです。
~特徴~
→トキシン(毒素)を無毒化したワクチン。
→生ワクチンと比べて安全性は高い。
~注意点~
→複数回の接種が必要。
→年月の経過とともに免疫が弱まるので、再度接種が必要。
*不活化ワクチンとトキソイドは、ほぼ同じです。
*どのワクチンも、「年月が経てば免疫効果が切れるため、再度接種が必要になる」という特徴があります。
1歳までにおこなう予防接種
予防接種は、定期接種と任意接種(希望者のみ)に分かれます。
また、予防接種の種類などはその年によって変化することがあるので確認して下さい。
*生ワクチンの予防接種では、人体に麻痺などの影響が出てしまうケースがごくまれにあったため、不活化ワクチンに切り替えられた例もあります。
*予防接種の開始年齢により接種回数が変わるので、詳しくは小児科へご相談下さい。
2018年4月(6月に一部追記)時点での予防接種のスケジュールはこちらを参考にして下さい。
定期接種
◎生ワクチン◎
①BCG
- 結核予防。
- 1歳未満で1回接種。
◎不活化ワクチン(トキソイド含む)◎
②Hib(インフルエンザ菌b型)
- 2008年12月19日から開始されました。
- 生後2ヶ月以上7ヶ月未満で接種を開始。
- 生後12ヶ月までに27日以上の間隔で3回接種。(追加接種:初回接種から7ヶ月以上あけて1回。合計4回接種)
③肺炎球菌(13価結合型)
- 2013年11月1日から始まりました。(それまでは、7価結合型)
- 生後2ヶ月以上7ヶ月未満で接種を開始。
- 27日以上の間隔で3回接種。(追加免疫は、生後12~15ヶ月の間に1回。合計4回接種)
④B型肝炎
- 2016年10月1日から定期接種開始。
- 1歳までに3回接種。
⑤DPT-IPV 1期
- D:ジフテリア
- P:百日咳
- T:破傷風
- IPV:不活化ポリオ
→DPTーIPV混合ワクチンは、2012年11月1日から定期接種が開始されました。
⑥日本脳炎
- コガタアカイエカと言われる蚊を媒介したウイルスで起こります。
- 6ヶ月から接種できますが、基本的には3歳からの接種となります。
1期と2期に分かれており・・・
→1期:生後6ヶ月~7歳半頃までに3回
→2期:9~13歳までに1回
このように、2018年時点では1歳までの「定期接種」の中で生ワクチンが使われているのは、「BCG」のみとなります。
ただし、1歳までの任意予防接種では生ワクチンがあります。
任意接種
生ワクチン
⑦ロタウイルス
初回接種は、生後14週から6日までにおこなう。
- 1価・・・2回接種。
- 5価・・・3回接種。
どちらかを選びます。
→任意とはいえ、小児科では勧められるので基本的には予防接種をおこなうことになります。
*ロタウイルスの接種方法は、注射ではなく経口。つまり飲むことで接種します。
*1歳以上からになりますが、定期予防接種の風疹や麻疹(はしか)・水痘(みずぼうそう)なども生ワクチンになるので、予防接種後に軽減されるとはいえ発症する可能性があります。十分にご注意下さい。
予防接種を受けるときは正しい知識が必要!
1歳までの予防接種をあげた理由は、この1年間に任意接種も含めると15回以上の予防接種をすることになるからです。
基本的には、生後2か月から初めての予防接種が始まります。
できれば、それまでに「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の違いを知る必要があると先生とのやりとりで強く感じました。
小児科の先生より
私が定期的に通っている小児科の先生からこんな説明がありました。
(子どもが予防接種をした次の日が定休日だったため、もし体調不良などで連絡してくる場合は、最低限にして欲しいということを伝えるために話されました)
毎回、予防接種の前にはしっかりとワクチンの説明はしていますが・・・
予防接種後の親御さんから、「子どもに熱が出た!注射のあとが赤くなった!」と苦情?にちかい問い合わせが年に数回あるそうです。
*私も、子どもが予防接種のたびに先生から説明を受けているのですでに3・4回説明を受けているので、耳たこになっています。
先生の答えとしては、
「普段と変わりなく食事や睡眠がしっかりしていれば大丈夫ですよ~」と電話があれば説明しているとのこと。
説明は毎回しているはずなのに、なぜかこんな問い合わせが毎年数件あるとのことでした。
親御さんの不安な気持ちは本当によく分かります。ただ、連絡する前に自分が受けた説明をもう一度思い出してみてはいかがでしょうか?
まとめ
予防接種を受けると副反応が起こることがあります。
副反応
- 注射部分が赤く腫れる
- 熱発が起こる
- 体調が少し悪くなる
といった症状が出ます。
生ワクチンでは3週間・不活化ワクチンでは24時間以内の副反応がないか注意する必要があります。
衛生面の向上で、予防接種後の入浴は差し支えがなくなりました。
ただ、「注射部位をこすってはいけない」「接種当日は激しい運動はさせない」という基本的なルールがあります。
予防接種後に起こる症状と基本的なルールは、子どものためにもしっかりと守っていく必要があります。
予防接種は、身体に異物を入れる行為です。ましてや、生ワクチンは弱体化させているとはいえ病原体を体内に直接入れています。そのため、副反応が現れるのは生体反応として当然ともいえます。
生ワクチンの予防接種後は、特に注意して子どもの様子を見て上げて下さいね。
参考
ワクチンネット
→https://www.wakuchin.net/about/type.html
NIID 国立感染症研究所
→https://www.niid.go.jp/niid/ja/component/content/article/320-infectious-diseases/vaccine/2525-v-schedule.html
コメントを残す