粉ミルクは手間がかかってしまいますが・・・
日本で赤ちゃんのミルクといえば、粉ミルクですよね?そして、「粉ミルクを作っている間に泣かれてしまう」なんて毎日のようにありますよね。そうです粉ミルクは、とにかく手間がかかってしまいます。
それでは、「液体ミルク」はご存知ですか?海外では1970年代から当たり前のように販売されていますが、日本ではこれまで禁止されていました。それが、2018年8月に解禁されました。今回は、そんな日本ではまったくなじみのない液体ミルクについて紹介します。
液体ミルクってなに?
液体ミルクといきなり言われてもどうやって飲むの?衛生的に大丈夫?など、分からないことばかりだと思います。
液体ミルクとは、滅菌された安全なミルクを開封してすぐに飲める商品です。
使い方
例えば・・・
- ペットボトルタイプの場合、小さいペットボトルを思い浮かべてください。そこに哺乳瓶の吸い口を付けて飲ますだけです。
- 紙パックタイプでは、例えば海外では500mlがあるのですがそれを哺乳瓶に必要な分だけ移して飲ますだけです。
つまり、開封してそのまま常温で飲めてしまいます。ペットボトルにいたっては洗う必要もありません。ミルクがすでにできあがっているので、それを直接飲むか哺乳瓶に移して飲むかだけです。
感覚的には、「牛乳をわざわざ粉を溶かして作るか、今のように紙パックで買うか」といった方が近いかもしれません。
注意点は?
- 手をしっかり洗ってから開封する。
- 濃度が均等ではないので、良く振ってから飲む。(赤ちゃんの胃に負担がかかるため)
- 飲み残しはすぐに捨てる。(紙パックも開けたらその日中に使う)
- 手軽なため、母乳離れがすすむ可能性があるといわれている。
なぜ、ヨーロッパで普及してから50年近くも時間がかかった?
①赤ちゃんのミルクは、消費者庁が管理している「特別用途食品」に分類されていますが、これまでは赤ちゃんのミルクで対象となるのは粉ミルクだけでした。液体ミルクに関しては、そもそも法律による規定がない状態でした。つまり、国内での製造販売すること自体が違法でした。ただ、個人輸入などインターネット経由で手に入れることはこれまでもできました。→この場合は、乳飲料として買うことになります。
*特別用途食品の説明
○乳児の発育や、妊産婦、授乳婦、えん下困難者、病者などの健康の保持・回復などに適するという特別の用途について表示を行うもの(特別用途表示)。
○特別用途食品として食品を販売するには、その表示について消費者庁長官の許可を受けなければならない(健康増進法第26条第1項)。
○表示の許可に当たっては、規格又は要件への適合性を審査し、許可。
②補足すると液体ミルクに関する規格基準は、食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(昭和26年12月27日の厚生省令第52号)にこれまで定められていませんでした。昭和26年、つまり1951年にできた法律です。
一方、液体ミルクは海外でも1970年から普及し始めたので確かにどこにも存在していませんでした。ちなみに、粉ミルクができたのは第一次世界大戦中の大正6年です。ということで、誰かが食品衛生法ができるまでに液体ミルクを作っていれば日本でも普及していたかもしれませんね。
③大震災が解禁の契機になった。
食品産業新聞社ニュースweb参照
→https://www.ssnp.co.jp/news/milk/2018/08/2018-0824-1410-14.html
災害備蓄の観点や育児の負担軽減などの視点から必要性が議論し始め、09年に日本乳業協会が乳児用液体ミルクの規格基準設定を厚労省に要望、ここから9年を経てようやく省令改正、製造と市販が解禁となった。
後押ししたのは11年の東日本大震災と16年の熊本地震。特に熊本地震の際にはフィンランドの企業から液体ミルクが無償提供され、被災地で役立ったことが大きな前進につながった。
とあります。つまり、一つの商品の認可がおりるまでもっといえば法律に付け加える作業をするのに9年かかったことになります。ただし、震災がきっかだったことが大きいので実際はもっとかかっていたでしょう・・・
液体ミルクが普及するか予想してみました!
オリンピックは2020年
早ければ、販売までに2年かからないともいわれます。例えばオリンピックで海外からのお客さんを呼び寄せたいと思うなら、液体ミルクが主流になっているヨーロッパ圏では粉ミルクしかないというのは問題になるかもしれません。ちなみに、アメリカは粉ミルクのほうが主流。オリンピックまでギリギリ間に合うかどうかのタイミングなのでひょっとしたら急ぐかもしれません。
日本では普及するでしょうか?
最初にペットボトルタイプを紹介しましたが、例えば0歳から飲める90mlタイプは海外で390円で売られているものもあります。ただ、そうはいっても種類も豊富で金額もまちまちですが・・・
粉ミルクも、同じ量で金額が2倍3倍と違う物がありますよね。それと同じで、価格差はできます。しかし、どうしても値段的には粉ミルクよりも割高になると思われます。ただ、長所である保存期間が5か月(物によっては1年間)は保存できるので備蓄にはもってこいです。また、例えば家族旅行のときに「乳児の御飯パック」を買うことはありませんか?それと合わせて予備に液体ミルクを数本買えば旅行も安心できます。
つまり、粉ミルクと併用すると考えれば確実に普及していくでしょう。
*御飯パックとは、例えば生後6ヵ月からなど年齢分けされているお弁当パックで常温でも食べられる商品。
心配なことは?
なんでもそうですが、金額が髙いということはそれを持つこと自体がステータスになる可能性があります。親の見栄といった方が分かりやすいかもしれません。子育てにはお金がかかるもの。節約できるときはしないといけないですよね。誰のためのミルクか考えてくれぐれもご注意ください。
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