夜驚症(睡眠時驚愕症)はお互いにパニック状態? ネタバレすれば怖くない!

 

睡眠時随伴症は、大別すると「レム睡眠中」と「ノンレム睡眠中」に引き起こされます。

先日、ノンレム睡眠中に発生する睡眠時遊行症(夢遊病)という病気について紹介しました。

ただ、睡眠関連の病気は他にもたくさんあります。

今回は、ノンレム睡眠中に引き起こされる「子どもに多い夜驚症(睡眠時驚愕症)」についてご紹介します。

 

睡眠時遊行症(夢遊病)については、こちらの記事で紹介しています。

睡眠時遊行症(夢遊病)は寝落ちした場所から始まる・・・

 

夜驚症と夜泣き

「夜驚症(やきょうしょう)」なんて強烈な名前が付いていますよね。

夜に驚く病気?

それも睡眠時なので、寝ている時に驚いてしまう病気?

子どもに多いと言うことは、「夜泣き」と同じかな?

と考えてしまうかもしれません。

どちらも睡眠障害の一種ですが、「夜驚症」と「夜泣き」は全く違います。

 

夜泣きの場合

夜泣きは、浅い睡眠の途中で、乳児が泣き出すこと。

 

夜驚症の場合

夜驚症は、深い睡眠の途中で、3歳~7歳の幼児が泣き叫ぶ症状。さらに、深い眠りに入っているため声をかけても反応しません。

つまり、夜驚症と夜泣きの違いは・・・

  • 眠りの状態
  • 意識の有無
  • 年齢の違い

ということができます。

 

それでは、夜驚症とはどういった病気なのでしょうか?

夜驚症により泣き叫んでいる時、脳内では大脳辺縁系という部分が活発に動いていると言われています。

大脳辺縁系は、感情や食欲など本能を司っています。

つまり、大脳辺縁系が活発に動いていて泣き叫んでいるということは、睡眠途中で「怖い!」という感情が爆発している状態です。

そんな夜驚症は、年齢が増すに連れて頻度が低下していきます。

  • 生後18ヶ月→36.9%
  • 生後30ヶ月→19.7%
  • 成人    →2.2%

男児の方が女児よりも多く見られますが、成人ではほとんど差が見られなくなります。

つまり、子育てをしている多くのママさん・パパさんは夜驚症を経験していることになります。

実際は、夜泣きと勘違いしているかもしれませんが・・・

ただ、混同してしまっているといざという時の対応を間違える可能性が高いです。

それでは、夜驚症にはどういった症状があるのでしょうか?

 

特徴的な症状

  • 睡眠中に恐怖で起き上がる。
  • 悲鳴をあげる。
  • 腕を振り回す。

そして、目を見開き心臓の鼓動が速くなります。

*本人は、非常におびえた様子を呈しています。

geralt / Pixabay

 

なにに気をつければいいの?

子どもが突然、夜中に泣き叫べば誰もが心配するのではないでしょうか?

外から聞いていると、虐待と間違われるかも・・・

ただ、先日紹介した夢遊病と同じような対処が必要になります。

 

1.起こしてはいけない!

突然のことで親もパニックになるかもしれませんが、基本的に心配いりません。

  • 苦しそうに見えますが、起床後に「夜驚症の事実」や「原因となった夢で見た映像」は覚えていない。
  • 睡眠中の行動に行動により精神的な問題が生じることはない。

→成長するにつれて起こらなくなる。

 

2.親が安心させる

例えば、7歳の女の子が「お母さんが妊娠後期に入った頃に症状が始まり、赤ちゃんが生まれると夜驚症が止まった」という事例があります。

これは、いつもと違うお母さんの雰囲気や家庭内の様子の変化に不安になったことが原因だと考えられます。

このように、子どもにとっての世界は家庭環境が大部分を占めています。

父親の転勤や夫婦仲など、子どもが不安に思うタイミングは毎日あふれています。

そのため、安心させるだけで症状が改善されることもあります。

 

3.睡眠週間の確立

そもそも、子どもが深い眠りに到達するには3時間かかるとされています。

普段の生活でも、「そろそろお腹が空き出す頃だから泣き出すかな?」なんて予想しながら赤ちゃんのミルクのタイミングをはかったりしませんか?

同じように夜驚症も「そろそろかな?」というタイミングがはかれてきます。

その理由が、この3時間サイクルです。

そして、決まった時間に布団に入る習慣を作ることで、睡眠習慣を確立することができ、「いつも同じ=習慣」は安心感に繋がるため、夜驚症対策にも効果があります。

*ただし、成人の場合は精神的な問題やアルコール依存症など別の問題が関連しています。


私達が恐怖を感じる理由は、知らないからです。

「この先どうなるんだろう?」という予想の付かない不安感は、私達親をパニックに陥れます。

ですが、いつ来るか予測でき、なおかつ対処法が分かっていれば必要以上に恐れることはないですよね。

このように、ネタバレしている状態にもっていくことで無用なパニックを回避することができます。

→知識=安定剤

 

ときには逃げ出す?

想定外はつきもの!

この記事を読むなどして、夜驚症について知識を得て就寝後3時間程経過してから、本当に子どもが夜中に突然起き上がり泣き出したとします。

あなたは、子どもを起こさないように見守ろうとするでしょう。

ところが、逃げ出すように扉の外に向かって駆け出すことがしばしばあります。なおかつ、通常なら症状は1~10分と短期間ですが1時間ほど続く場合もあります。

つまり、その子によって症状の重さや症状の種類が違います。

ちなみに、通常は1晩に1回ですが間隔をおいて数回にわたる場合もあります。

このように、実際と情報がかけ離れていることは度々あります。


大事なことは、その後「子どもがどういった行動」を「どれくらいの時間」「1晩に何回」おこなっていたのか?」です。動画で撮影することも有効な方法でしょう。

その情報をもって、小児科へ相談することをオススメします。

学業に支障がでるなど、普段の生活に影響がでる場合は、年長の小児であればまれに薬剤が処方される場合もあるようです。

なにより、主治医にかかることで親の安心感に繋がり、子どもにも親の安心感が伝わります。

夜驚症の場合も、夢遊病の時の対処法と同じで、念のため戸締まりやベット回りの整理整頓をしておく必要があります。

 

最後に

夜驚症について調べていくと、「夜泣き?夜驚症?」と素人目には判断が分かれます。

ただ、夜驚症の場合は声かけをすると恐怖を助長させます。

→本人はパニック状態になっているため、攻撃性が高くなっている。

どちらにしても、無理矢理起こすようなことはせず、日頃から安全対策をしていれば基本的には必要以上に心配することはありません。


参考

MSDマニュアル 家庭版:睡眠時随伴症
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%e3%83%9b%e3%83%bc%e3%83%a0

いこーよ:子どもが夜中に突然泣き叫んで暴れる…その症状「夜驚症」かも?
https://iko-yo.net/articles/1583

 

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