ベビーカーがいとも簡単に倒れる!? ~その使い方正しいですか?~

 

皆さんは、外出時にベビーカーを利用することがあるでしょうか?

外出時、荷物があってもベビーカーがあれば、子どもと一緒に快適にお店を回ることができますよね。ところが、このベビーカーをめぐって「ある事故」が指摘されています。

さて、今回するのは「当たり前と言われれば当たり前。そんなベビーカーをめぐるある事故」についてご紹介します。

 

どんなベビーカー事故が発生しているの?

「あること」をすることで、ベビーカーごと転倒。もしくは、乳幼児が転落してケガをした事故。この事故は最悪、赤ちゃんが車外へ放り出され、入院するケースまであった命に関わる事故です。

この事故が2014年~2019年10末までの集計だけでも288件あったことが、国民生活センターより発表されました。

 

その「あることと」言うのは・・・

実は、ベビーカーに取付けたフックにかけた荷物の重さによる転倒です。

ベビーカーに取付けるための荷物かけフックといえば、市販でも売られていてほとんどのママさん・パパさんが使われているのでしょうか?

かくいう私も、アンパンマンのフックをお店で買ってベビーカーのハンドル部分(両側)に取付けています。

それでは、なぜ子どもが入院する事態にまでなっているのでしょうか?

 

なにが起こっているの?

そもそも、ベビーカーは「SG基準」という安全性を満たした物が販売されています。ところが、多くのベビーカーでそもそも「ハンドルに荷物をかけないように」と警告表示がされています。

 

SGマークについては、こちらの記事で紹介しています。

乳児の事故がベビーベットで発生!? ~安全規格があっても油断できない~

つまり、使用者側の使い方が間違っていることが指摘されています。

ちなみに、ベビーカーの下に荷物カゴが設置されていますが、国民生活センターが実施した消費者へのアンケート調査によると、約3割の人が「座席下のカゴについて使いづらい」と感じていることが分かりました。

とはいえ、結果的に9割以上の人がベビーカーの座席下のカゴを使用されていました。

私の場合は、ベビーカー用のカッパを座席下のカゴに入れているためスペースがほとんどない状態です・・・

このアンケートでは、さらにさまざまな問題点が指摘されています。

 

アンケートで指摘された事故の原因とは?

ネット調査により、ベビーカーを最も使用する子どもの年齢が4歳未満の男女1000名に対して実施されました。

 

「ベビーカーごと転倒」または「子どもが転落」した理由は?

ベビーカーごと転倒したことがある人は、1000人中286人。(29%)

286人のママさん・パパさんが経験した転倒転落の原因!

  1. ハンドルや後付けした荷提げフックの荷物     ⇨203人(71%)
  2. 段差・傾斜・障害物               ⇨61人(21%)
  3. ベビーカーのシートベルトをしていなかった    ⇨54人(19%)
  4. 「子どもの姿勢」と「子どもが自分で乗り降りした」⇨それぞれ51人(18%)

以上の結果から、ベビーカーのハンドルに荷物を提げたことによる転倒事故が繰り返されていることが分かり、国民生活センターから「ベビーカーの使い方について注意喚起がなされるにいたった」ということになりました。


そもそも、1000人中732人(73%)がベビーカー購入後に自分に付けた付属品として「ハンドルに付ける手提げフック」と回答しています。

もしも、ハンドルに手提げフックを取付けていいのなら、そもそも最初から付属品してついていてもおかしくありません。

ですが、「付属していなかったから自分で市販品を購入し、事故に遭ってしまった!」ということになります。

とはいえ、そもそも加重がかかることは分かっているため、親としては気をつけるはずですよね?

それでは、どうして毎日のようにベビーカーの転倒や子どもの転落が発生しているのでしょうか?

 

注意しても防げないの?

手提げに荷物をかければ当然、加重がかかることになります。重さが増すほど、ベビーカーも押しずらくなっていきます。

ただ、そもそもフックの耐加重はそれほどないのではないでしょうか?(楽天市場を確認すると、耐荷重60kgなんて物もありましたが・・・ハンドルが折れない?)

それはそれとして、気になるのは「どれだけの加重をかけるとベビーカーが転倒しやすくなるのか?」ですよね。

実は、こんな実験結果が国民生活センターより報告されています。

 

3kgの重さ!?

4ヶ月のダミー人形(身長約58㎝・体重:3.9kg)を乗せて上り坂にストッパーをおいて下がらないように静止。

  • ハンドルに荷物をかけない場合は、傾斜が約17~27度でベビーカが転倒
  • ハンドルに3kgの重りをかけると傾斜が約1~12度でベビーカーが転倒

「傾斜を気をつければいい!?」というわけではありません。

そもそも、傾斜1度の道はどこにでもありますよね・・・

また、障害物や段差を乗り越えるために少しでも前輪を上げた時点で、ベビーカーが転倒してしまう可能性も意味しています。

3kgなら、「1Lの牛乳3本」とか「2Lのスポーツドリンクと粉ミルク」を買えば簡単に越えますよね。

つまり、「ベビーカーの手提げに荷物をぶら下げた瞬間から、ハンドルから手を放したら転倒・転落するかもしれない」ことを理解しておく必要があります。

Couleur / Pixabay

 

そもそも、正しい使い方もしていなかった!?

ベビーカーに手提げフックをかけることじたいが、実は正しい使い方ではないことが分かりました。

ただ、それ以前に、そもそもベルトをしていなかったことが指摘されています。

車に乗るときは、シートベルトをしますよね。⇨着用しないと1点減点。(後部座席も義務になったので注意!)

さて、ベビーカーにも同じようにシートベルトが付いています。

ところが、ベビーカーのシートベルトを毎回装着している人は先程の1000人アンケートの結果から、1000人中654人(約65%)。7割未満だったことが分かりました。

つまり、残りの346人(約35%)は毎回装着していないことが分かります。

 

事故事例

これまでのことをまとめると、ベビーカーの転倒や子どもが転落した原因は・・・

  • ベビーカーの手提げに荷物を提げて使用したことにより、簡単にベビーカーが転倒する状態になっていた。
  • そもそも、ベビーカーのシートベルトを着用していなかった。

この2つの間違った使い方が原因だと指摘されています。

そして、このことからさまざま事故が引き起こされています。

 

事例1)1ヶ月・男児(2015年10月)

駐車場のスロープを降りていたところ、ベビーカーがかけていたベビーカーが荷物に引っ張られるように手前に倒れた。

子どもはシートベルトを装着しておらず、地面に転落。外傷性くも膜下出血により7日間入院。

 

事例2)3ヶ月・男児(2017年10月)

子どもにシートベルトを装着しない状態で、対面式のベビーカーを腕で押していた。S字フックに荷物をかけていた重さもあり、ベビーカーがハンドル側に転倒し、子どもが転落。

子どもが転落し、コンクリートの床で頭部を打撲し通院が必要になった。

 

事例3)3ヶ月・女児(2019年5月)

上の子どもと手をつないで、片手でベビーカーを押していたところ、ベビーカーから手を放した瞬間、掛けていた荷物の重みで手前側に転倒。

シートベルトを装着していなかったため、アスファルトに放り出され頭部・顔面を打撲し通院が必要になった。


私も、子どもが二人いるため人ごととは思えない事故ですが、どれもシートベルトをしていないことで大変な事故につながった事例だといえるでしょう。

もしも、転倒した先に川があったり尖った物があれば、失明やそれどころか命を落としていたかもしれません。

手提げフックは使わずに、ベビーカーの下カゴを使うようにして下さいね!

 

最後に

座面下のカゴは、最大積載荷重が5kgまでなど物を入れることが前提で作られています。当然、安全基準もクリアしています。

正しい使い方をすれば、事故は未然に防ぐことができます。

特に、買い物で大量に買い込むときなどは注意が必要です。

「ハンドルに荷物を提げた瞬間から、手を放せば勢いよく倒れるかもしれない!」と意識してください。そもそも、子どもを乗せた状態でベビーカーから手を放すと危険ですが・・・

ベビーカー事故は、子育て世帯にとって、身近で人ごとではない事故です。

今回の発表により、ハンドルに手荷物を掛けることができるベビーカーができるかもしれませんが、肝心なことは自分が使っているベビーカーの使用方法を守ることです。

必ず取扱説明書を確認して下さいね。

もしも取扱説明書を紛失していたとしても、「トリセツ」というアプリで型番を入力すると、商品の取扱説明書を見ることができます。

OpenIcons / Pixabay

子育ては、想定外の毎日です。

ですが、さまざまな注意喚起がなされています。せっかくの大切な情報ですので、有意義に使っていただけると幸いです。

→個人的にはとりあえず、❶荷物は下のカゴに入れる。 ➋3kg以上の物はフックに掛けないようにすること。❸手すりから手を離さないなど、これまで通りベビーカーの安全確保は継続していきます。

皆さんも、ベビーカーを使うときはご注意下さい!


参考

国民生活センター:ベビーカーの転倒による乳幼児の事故に注意-ベビーカーから転落し、頭部にけがを負い入院する事例も!-
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20191212_1.html

チューリッヒ保険会社:シートベルトは後部座席も着用義務あり?違反の点数や罰金は?
https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-back-seat-belt/

 

 

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