先日、床下浸水は汚泥を放置した状態にしていると大変危険なことをお伝えしました。
床下浸水は、家のダメージが目に見えないため油断しがちになります。
それでは、いよいよ床上まで浸水してきたときは、その後なにに気を付ければいいのでしょうか?
今回は、「床上浸水後の対策」についてご紹介します。
→床下浸水については、こちらの記事で紹介しています。
床上浸水ってなに?
床下浸水の記事でも紹介しましたが、汚水等が床上まで流入してきた状態です。→浸水深が0.5~1.0m
*浸水深:洪水や内水氾濫(配水管が処理しきれない排水がマンホールから噴出すること)によって、市街地や家屋、田畑が水で覆われている浸水の深さのこと。
さて、この床上浸水は生活圏を確実に汚水で汚してしまいます。
つまり、家具や家電製品などあらゆるものが使えない状態になってしまいます。
使える物・使えない物
再利用が難しい物
- 畳
- 絨毯
- 布団
→水を吸うと使えなくなる。
- 木製の棚(合板)
→乾いたように見えても、カビが生えてくる。
使えるかもしれない物
- ふすま・障子 →乾かせば、桟(さん)や枠は使える場合もある。
- エアコン室外機→しっかり乾かせば使える場合もある。
- トイレ・風呂釜→電気系統以外は、洗えば使える。
- 食器類 →キッチンハイター(塩素系消毒剤)で消毒すれば使える。
その他
- 自動車
→絶対にエンジンをかけない!
→しばらく乗らない場合は、盗難防止のため「車検証」と「ナンバー」をはずす。
*無料で処分するという悪徳業者には注意し、修理工場に連絡する。
- アルバム・写真類
→しっかり洗浄・乾燥すれば復元できることもある。
→水が使えない間は、土などの汚れを落とす。
→アルバムは広げて日陰干し。
- 携帯電話・スマホ
→電源は入れない。
→SIMカード・SDカードは外して保管。
→泥水に浸かった場合は、防水型でも一度電源を切り乾燥させる。
*最寄りの携帯ショップへ!
- 現金・通帳など
→汚れた現金は、新しいお金に換えてもらえることもある。
→災害後は、通帳・印鑑がなくても支払いに応じてくれることもある。
*金融機関に相談する!
なにに注意すればいいの?
床下浸水の時と同じように、掃除・泥の除去・消毒・乾燥を徹底的にする必要があります。ただ、床上浸水の場合はとにかく範囲が広いため注意が必要です。
そもそも、使えない物を外に運び出してからの作業になるためかなりの重労働になります。
カビを防ぎ、乾燥させることが肝!
- 床・壁・天井などに消毒用エタノール(80%溶液)をスプレーし、雑巾で拭き取る。
- 換気をよくし、火気は使わない。
- 壁も水を吸っているため、中まで確認。
- しっかり乾燥させるために、最低1ヶ月かかる!
電化製品は危険物!?
消防庁予防課では、台風19号の影響を家電製品について注意事項を示されています。
・停電中は電気機器のスイッチを切るとともに、電源プラグをコンセントから抜いてください。
・停電中に自宅等を離れる際は、ブレーカーを落としてください。
・給電が再開時には、漏水等により電気機器等が破損していないか、配線やコードが損傷していないか、燃えやすいものが近くにないかなど、十分に安全を確認してから電気機器を使用してください。
・建物や電気機器に外見上の損傷がなくとも、壁内配線の損傷や電気機器内部の故障により、再通電後、長時間経過した後、火災に至る場合があるため、煙の発生等の異常を発見した際は直ちにブレーカーを落とし、消防機関に連絡してください
とあります。
つまり、汚水と同じで目に見えない故障や損傷により再通電後だけでなく、その後長時間経過後に火災が発生する可能性があります。
そもそも、水は電気を通す!
水が電気回路に付くことで、流れていけない所に電流が流れてしまい・・・
- 回路のショート
- 回路部品の故障
→乾いても、漏電・発火の危険性があります。
乾いていても基本的に使うのは危険!
電化製品を乾かせたとしても、付着してるのは「水」といっても汚水です。
つまり、泥などの不純物を多量に含んでいる水です。
そんな汚水が電化製品の隙間にまで入り込むため、モーターが搭載されている製品では泥や錆(さび)によってモーターが動かなくなり、ショート・異常発熱により発火等の事故が引き起こされる危険があります。
そのため、そもそも浸水してしまった電化製品を再利用することは、かなり危険な行為となります。
また、水の影響を受けた製品は細部まで影響を受けている可能性が高く、安全の確認をとることが難しいため基本的に修理は難しく、将来事故に繋がる可能性があります。
*そもそも、モーターの機能は乾いても改善されない。
最後に
床上浸水の可能性があるなら、早い段階で家具・家電は高い所に移動する必要があります。優先順位を付けて、大切な物を最優先にして下さいね。
また、部屋別のブレーカーが分かれているなら、1階の部屋や外回りのブレーカーを落とすことで漏電を予防することもできます。
床上浸水すると言うことは、その前に床下浸水が引き起こされている状態です。
一気に水が押し寄せてくる場合は、その限りではありませんがハザードマップを確認するなど事前の準備が肝心です。
なによりも大切なことは、いつでも避難できる態勢にしておくことはいうまでもありません。
参考
震災がつなぐ全国ネットワーク
→http://blog.canpan.info/shintsuna/archive/1420
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