LED電球が普及するようになりずいぶん経ちました。
私の家でもLED照明を一部使っていますが、「LED照明が原因で火災が発生している!」とニュースになっていました。なぜこんなことが起こっているのでしょうか?
今回は、「知らないと危険なLED照明の落とし穴」についてご紹介します。
LEDってそもそもなに?
LEDは‘’Light Emitting Diode‘’の略で、「発光ダイオード」とも呼ばれます。
- Light=光る
- Emitting=発する
- Diode=ダイオード(半導体)
LEDは「第4世代」
- 第1世代・・・ガス灯
- 第2世代・・・白熱電球
- 第3世代・・・蛍光灯
- 第4世代・・・LED
60年ごとに大きな技術革新が行なわれてきました。
LEDの特徴
- 長寿命
- 光輝度
- 直流
- 低電圧
- 小電力
- 熱線・紫外線が少ない
- 器具の小型化
- 調光・点滅が自在
- 防水構造が用意
- 低温でも発光効率が低下しない
などなど・・・
このように、LEDには様々なメリットがあり最初の設備投資にお金がかかりますが、長期的に使うことでその負担も回収することができます。
さて、それでは今なにが起こっているのでしょうか?
LED照明による火災発生状況
消費者庁によると、2018年までの約10年間でLED照明からの発煙や火災といった事故が328件発生していることが分かりました。
LED照明の注意点
❶点灯方式が違っても照明器具にセットできてしまう!
そもそも、蛍光灯の照明器具には3つの点灯方式があります。
- スターター型→フィラメントをあらかじめ予熱してから放電を行ないます。点灯管(スターター)が別途必要になります。
- ラピッドスタート型→点灯管は不要で、スイッチを付けると速やかに点灯する。
- 電子式(インバーター形)→電子安定期(インバータ)に交流である電源をいったん直流に交換。高周波に変換することで蛍光灯を点滅させます。チラつきも少なく、即座に点灯します。
さて、点灯方式にはこの3種類があります。
蛍光灯と同じように、LEDにも同じ方式のランプがあります。
- 蛍光灯なら仮にこの点灯方式に合わないランプを取り付けても出火の可能性はない。
- LEDの場合は、方式が合わないと過剰な電流が流れ、さいあく火災が発生する。
- 蛍光灯からLEDに交換するときは、挿入されている蛍光灯ではなく、本体の照明器具を確認する必要がある。
*なにより、点灯方式が違っても使えてしまうため、一般の人からすると「よかった合ってた!」と勘違いすることになります。
*丸い白熱電球は方式が1つなので、LEDに取り替えても問題ありません。
→ただし、セットする場所によっては注意が必要です。
➋照明器具の明るさが調節できる調光器タイプ
光の明るさを調節できる照明器具の場合、対応していないLED電球を使用すると内部の回路が損傷し、破損・発煙の原因になります。
❸照明器具が断熱材施工器具対応タイプ
通常のLEDは熱に弱く、熱がこもりやすい断熱材が使用されている部分に使うと電球の寿命が短くなったり不具合の原因になります。
→照明器具本体に、「断熱材施工器具対応」を示すSマークが付いていれば、それに対応したLED電球が必要。
❹風呂場や屋外などの照明器具
通常のLEDは水や湿気に弱く、またカバーで覆われているといった場合はLED素子が高熱になり「光が弱くなる・寿命が縮む・壊れる」といったことが発生します。
❺照明器具本体の経年劣化
照明器具は、10年を過ぎると劣化による故障や不具合が発生します。つまり、LEDには問題ないが本体が経年劣化で異常を起こすこともあります。
❻LED電球の比重
LED電球特有の回路・装置を内蔵しているため、多くの場合、従来の電球よりも重たくなっています。そのため、例えば電球を多く取り付けるシャンデリアなどの照明器具では、総重量により落下の危険性があります。
*つまり、「LED」とひと言でいっても、それぞれに対応した物があり間違えると、故障だけでなく火災の原因になってしまいます。このように、LEDには注意すべき点がたくさんあります。
それでは、最後にLEDにはどんな種類があるのか見ていきましょう!
電球型LEDランプの種類
①断熱材施工器具対応タイプ
→照明器具の本体に「Sマーク」が付いている場合。
「断熱材施工器具対応」と書かれたLEDランプを使用します。
②調光器対応タイプ
光が調節できる照明器具の場合、「調光器対応」と書かれたLEDランプを使用します。
③密閉型対応タイプ
浴室用の照明器具などで、電球が外部から密閉された状態だと通常のLEDランプでは放熱処理ができません。そのため、「密閉形器具対応」と書かれたLEDランプを使用します。
*「屋外器具対応」のLEDもありますが、直射日光を避ける・屋内配線に接続された器具で使用するなど注意事項があります。
このように通常のLEDランプでは対応できない場合のために、専用のLEDランプがあります。ただし、専用のLEDランプを使ったとしても照明器具本体の経年劣化など、何かしらの理由で使えないこともあります。
そもそも、LEDにタイプがあること自体知らない方が多いのではないでしょうか?
最後に
「お金を節約しよう!」と知識がないままとりあえずLEDに変更したことで、かえって故障などによる買い換えを繰り返し出費が増える可能性があります。
それどころか、火事の発生原因になってしまうということが現実に起こっています。
メリットばかりの物は存在しません。新しい物を使うなら、その前に調べる癖をつけないと取り返しがつかないことになるかもしれません。
LEDは、確かに優れた「明かり」かもしれません。ですが、設置場所の特徴を理解してから交換するようにして下さいね。→設置するLEDが分からなければ、販売店に確認する必要があります。
参考
パナソニック
→https://www2.panasonic.biz/ls/lighting/led/led/development/01.html
電球・照明の活用ガイド
→http://www.lamp-guide.com/species/keiko_colum-tentou.html
TBSラジオ
→https://www.tbsradio.jp/134344
大塚商会
→https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/led/qa/heat.html
日本照明工業会
→https://www.jlma.or.jp/akari/led/choice.html
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