テレビなどで台風情報を見ていると、「温帯低気圧に変わりました」とよく耳しますよね。
それでは、温帯低気圧は「安全なの?」って考えたことはありませんか?
個人的にはなぜか、「温帯低気圧に変わった」と聞くと安心していまいます。
今回は、そんな「温帯低気圧のウソ」についてご紹介します。
台風と温帯低気圧?
台風ってなに?
そもそも、台風がなにかご存じでしょうか?
台風はいわば、「熱帯低気圧」の強化版になります。
熱帯低気圧は、亜熱帯や熱帯で海からの大量の水蒸気が上昇することで、空気が渦を巻いてできる低気圧です。
この熱帯低気圧が発達して風速17.2m/sを越えると「台風」と呼び名が変わります。
ちなみに、冷たい空気と暖かい空気がぶつかる場所を「前線」と呼ばれますが、台風や熱帯低気圧は暖かい空気だけでできているため、そもそも前線ができません。
温帯低気圧ってなに?
温帯低気圧は、北側の冷たい空気と南側の温かい空気が混ざり合おうとして空気が渦を巻くことでできます。
つまり、冷たい空気と暖かい空気がぶつかり合うため・・・
- 寒冷前線(冷たい空気が暖かい空気に追いついている場所)
- 温暖前線(暖かい空気が冷たい空気に追いついている場所)
この2つの前線ができます。
→温帯低気圧は、風速が17.2m/sを越えても「台風」とは呼びません。
それでは、温帯低気圧に危険はないのでしょうか?
温帯低気圧に注意点はないの?
台風の話しに戻りますが、そもそも台風は暖かい海面から供給された水蒸気が凝結して雲粒(雲を構成する水滴や氷晶)になるときに、放出される熱をエネルギーとして発達していきます。
とはいえ、台風は移動するだけで海面や地上との摩擦で絶えずエネルギーを消費し続けている状態になります。
そのため、エネルギーの供給がなくなれば2~3日もすれば消滅することになります。
例えば、日本付近に接近すると上空に寒気が流れ込むようになります。
つまり、台風の性質である「暖かい空気で構成されている」という性質が維持できなくなり、温帯低気圧に変化することになります。
→海上では、大量の海水により水蒸気を蓄えることができますが、陸地ではそういうわけにもいかなくなります。
*日本に上陸することで台風の威力は抑えられるまたは、消滅する。
ここで終わってしまうと、やっぱり「温帯低気圧は台風ではなくなったから安全!」と思ってしまいそうですが、そうではありません。
先程、温帯低気圧は「風速が17.2m/sを越えても台風とは呼ばれない」と説明しました。
つまり、台風とは呼ばれないだけで台風なみの勢力があります。
完全に消滅するまでは、警戒が必要です。
注意ポイント① 「強い風」
台風の場合なら、基本的に風が強い領域は中心付近に集中しています。ところが、温帯低気圧の場合は広い範囲で強風が吹くことが特徴です。
とはいえ、本来なら多くの台風は温帯低気圧になりながら弱まっていきます。ですが、中には温帯低気圧に変わったにも関わらず再び発達することもあります。
つまり、温帯低気圧に変わったとしても強い風にさらされる場合があります。
注意ポイント② そもそも台風と影響は変わらない
台風の進路情報はありますが、温帯低気圧にかわると進路情報もなくなり危機は回避されたと感じてしまいます。
ところが、台風から温帯低気圧に構造が変わっただけで、風の強さもそうですが引き続き、大雨への警戒も必要です。
本来なら、温帯低気圧の「予想進路図」や「発達度合い」などが台風情報のように分かればいいのですが、今のところ進路予想図すら消えてしまいます。
ということで、この記事で伝えたかったこと=台風が温帯低気圧に変わっても危険は変わらない!
ということです。
つまり、土砂災害や洪水などはもちろん海に近づくことも危険な状態だということができます。
温帯低気圧に変わった=「安全」ではないことを再認識して頂けると幸いです。
最後に
台風情報は、子どもをどのタイミングで外に出すかという目安になりますよね。
温帯低気圧になったから安全だと考えていた場合、「台風はなくなった!」と安心して子どもと遊びに出かけて大雨や強風など台風とかわらない状況に巻き込まれる可能性が高くなります。
温帯低気圧にかわった時は特に、天気情報の確認を癖づければ安心です。
言葉だけでなく、その内容を確認するようにすれば情報に振り回されなくなりますよ。
参考
気象庁
→https://www.jma.go.jp/jma/index.html
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