「楽!」「儲かる!」そんな仕事は誰にも教えない・・・利益誘引型サイトとは?

 

コロナ禍で仕事を失った人。働き方を在宅ワークに切り替えようとしている人。そんな多くの人が仕事を探す第一歩と言えば、ネットが当たり前の時代になりました。

少なくとも、職業安定所の1択で仕事を探す人は、少なくなったのではないでしょうか?

そんなネット利用は確かに簡単・便利・無料で探すことができますが落とし穴も存在します。

今回は、「古くて新しい利益誘因型サイト被害」についてご紹介します。

 

利益誘因型サイトってなに?

国民生活センターでは、様々な注意喚起がなされていますが「利益誘因型サイト」についても、2020年7月16日にも注意喚起がなされています。

さて、「利益誘因方サイト」というのは・・・

「相談にのるだけで報酬がもらえる」「当選金を受け取ることができる」などとうたって誘導し、登録後にサービスの利用料金や手続き費用等として高額なお金を請求するサイト

つまり、「あなたにお金などの利益があるので、その前金として支払って下さいね」といったサイトが利益誘因型サイトです。

例えば、フリーメールに山のように毎日、利益誘導型サイトへのリンクが張られたメールが送られて来る人もいるのではないでしょうか?

そういったメールの数が多すぎれば、相手にしなくなるかもしれませんが、普段からこういったメールが来ない端末(携帯メールなど)に届いた場合はひっかりやすいかもしれませんね。

ただ、問題は一方的に送られてきたメールだけではありません。本題の、仕事を探すために自分からアクスした場合にも発生します。

 

ワンポイントアドバイス! ~利益誘因型サイトは、昔からある手口!?~

警察庁のホームページを確認すると、「平成23年度総合セキュリティ対策会議(第5回)」の中で、被害の手口が大きい手口として、「利益誘引型」が紹介されています。

メールの受信者は現金を手にしたいがために、どんどん現金をつぎ込んでしまい、1,000 万円以上の被害に遭ってしまうというようなケースもよくあります。このような場合、消費者は出会い系サイトであることを意識せず利用していることもあります。

このように、10年前にもすでに被害が拡大しており「出会い系」での被害として社会問題になっていました。

こういった手口が、仕事や副業にも同じように使われており、これまでこういったサイトに縁のなかった人達が巻き込まれていることが示されています。

それでは、どれくらいの相談があるのでしょうか?

 

簡単な仕事で高収入!?

皆さんが考える「簡単な仕事?」はなんですか。

 

「ブログ(アドセンス広告)」や「写真」は簡単ではない!

例えば、私がやっているこのアドセンス広告を貼り付けて、ブログを毎日更新していく仕事は簡単だと思いますか?

私の場合なら、「サーバー代金」や「ドメイン代金」で自分のホームページを持つために、毎年約1万5,000円が必要です。

ですが、結果が出るまでに最低でも3年以上はかかると思いますが、結果が出るまではほぼ無収入の状態が続き、ホームページの維持費だけがかさんでいくことになるでしょう。

ちなみに、同時にPIXTAでも写真副業を開始しましたが、2020年7月20日時点で657枚の写真を販売し今も毎月50枚ずつ増やしていますが、売れたのはこれまで6枚だけです。

つまり、よっぽど有名だったりうまいマーケティングでもしない限り、私のような素人がブログや写真で簡単にすぐに大金を稼ぐことは難しいことが分かるのではないでしょうか?

 

実際の被害事例は?

さて、実際の被害事例として挙がっているのは、ブログや写真よりもさらに簡単そうに思える仕事内容でした。

消費者は、「メッセージのやり取りを悩みをきくだけ」の副業

これだけきくと、昔から紹介した出会い系のサイトと同じ「やり口」ですね・・・

それでは、このサイトの登録してしまうとどうなるのでしょうか?

 

被害に合うのは、働く人達!

例えば、「出会い系サイトで被害に遭った!」ときいたら、被害者が男性なら自称女性の相手にお金をつぎ込んでしまい、一度も会うこともできずに連絡も取れなくなった。

なんて話しを、これまで聞いたことがあるのではないでしょうか?

ところが、今回の事例はそもそも、その働くために登録した人が騙されることになります。

全国の国民生活センターでは、毎年約3,000件も利益誘引型のサイトに関する相談がきているため、手口としては古いですが、初めての人にとっては新しい手口とも言えるでしょう。

  • 2016年度・・・3,179件
  • 2017年度・・・2,923件
  • 2018年度・・・3,410件
  • 2019年度・・・3,309件(6月30日時点で460件)
  • 2020年度・・・6月30日時点で646件

つまり、同時点で見ると前年よりも約200件も今年(2020年)は、相談が多くなっています。当然、相談されていない件数も含めれば、さらに多くなることは容易に想像できます。

そして、登録すると様々な課金が求められます。

 

目先の利益にとらわれた結果とは?

サイトの利用を開始すると、様々な課金が求められます。

  • メッセージの送受信等のサービス利用料金
  • お金を受け取るために必要な手続き費用

→さまざまな名目で、サイトからお金を請求され続けた挙げ句、報酬などは支払われることなくトラブルになっていきます。

ただ、こういった利益誘引型の手口に引っかかっているのは、10代~30代の若者も少なくありません。

 

新型コロナによる実際の被害事例とは?

2020年4月に20代の女性から、こんな相談が寄せられています。

 

新型コロナウイルスの影響で、仕事が休みになり収入が減少

そのため、インターネットで「副業」を検索し、メッセージのやり取りをして相談にのる在宅ワークができるサイトに登録。

メッセージのやり取りを続けていると、サイト運営事業者より「相談者から謝礼が振り込まれたので謝礼を支払う」と連絡がきて口座を伝えた。

さて、ここからが今回の相談者が騙されたポイントです。

 

どうして騙されたの?

❶サイト運営事業者より、「正常に振り込まれるか確認する」とのことで、翌日に約1,000円が振り込まれた。

→ここで、信用してしまったようです。

 

➋今度は、「報酬を受け取るためには保障会社に入会する必要がある、通常は7万5,000円の入会費が必要だが、お得なキャンペーンで80%オフの1万5,000円になる」と案内された。

不審に思ったが、報酬を受け取りたかったので、コンビニでプリペイド型電子マネーのギフトカードを購入し、記載されている番号をサイト運営事業者に伝えた。

 

「手続きの制限時間に間に合わなかったためやり直す必要がある」と言われ、追加で5,000円請求された。

→収入を増やしたくてサイトに登録したが、このままでは次々にお金を請求されると思い、手続きの辞退と退会を申し出た。支払額を返金してほしい。

こんな、相談事例です。


つまり、「謝礼=利益」で相手を釣って、今回の事例では実際に1,000円(エサ)まで付けて、信用させています。

さらに、「よく分からない保障会社への入会料を破格の値引きにしている」という3段構えです。

相談者からすれば、当然、目の前の利益(初めての副業としての収入)もありますが、同時に「すでに1,000円をもらってしまった」という、うしろめたさもあるかもしれません。

 

最後に

こういった詐欺の手口はどんどん巧妙化していますが、昔ながらのやり方も今回のように被害がでています。

特に、労働者にとっては雇われる以外の初めての収入としてうつるかもしれません。少なくとも、「誰でも・簡単・すぐに稼げる」という話しは残念ながら存在しません。

どんな働き方にも、結果が出るまでには時間がかかりますし、ネットで個人としての仕事を続けるならなおさらです。

you tube・ブログ・写真・電話相談・チャットなどなど、誰もができそうなビジネスモデルはいろいろとあります。

ですが、それこそあなたが有名人で「会話するだけでありがたがってくれる人」がいれば、それがそのまま需要になりますが、素人では難しいでしょう。

まずは、「簡単!」とか「儲かる!」なんて情報は無視する所から、副業や仕事探しを初めて見てはいかがでしょうか?

 

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