●この記事では、新技術「映像通報システム」についてお伝えしています。
急病などでいざという時の緊急連絡先といえば、「119番」ですよね。とはいえ、通報して終わりではありません。
もしも、119番通報したときにすでに心配停止していれば、ほぼ助かることはないでしょう。
なぜなら、2018年の救急車の現場到着時間の全国平均は8.7分になっているためです。
そもそも、「心肺停止」をして約3分経過すると50%・5分経過でほぼ100%が亡くなります。
ちなみに、「呼吸停止状態」なら約10分で50%が亡くなるとされています。これがいわゆる、「カーラーの救命曲線」です。
つまり、119番通報したときに救命措置が必要な場面が必ずあります。
そんな時に、新しい取組として「Live(ライブ)119」という新しい取組がおこなわれています。
今回は、「映像で通信できるLive119」についてご紹介します。
「Live119」ってそもそもなに?
「Live119」というのは、映像通報システムのことです。
目的は、「119番などの緊急通報時に音声・映像情報を通報現場と消防指令センター間で共有するため」に開発されました。
つまり、音声だけでなくリアルタイムで救助者の現状を確認しながら指示がだせる、画期的なシステムのことです。
どうやって映像を届けるの?
必要な物は、あなたの「スマートフォンのカメラ」です。
消防指令センターが、119番通報の発信者を確認し、Live119によるビデオ通話の開始を依頼。
そして、スマートフォンのカメラ機能を利用することで、通報者の撮影ビデオ映像を仕様した通話がおこなわれることになります。
ちなみに、アプリを仕様するわけではなくウェブブラウザ上でリアルタイム通信をおこなうための新技術が採用されています。
それでは、どうやって届けるのでしょうか?
新しい仕組み!
東京消防庁では、2020年9月9日から開始されています。
❶119番通報(指令管制員に繋がる)
➋救急車出動
ここまでは、従来通りですよね・・・
❸口頭指導要因が指令管制員から通話を引き継ぐ
❹映像通報の説明を通報者に説明
❺通報者は映像通報の了承
❻専用PCから通報者のスマートフォンへURL送信(URLからウェブブラウザのLive119を起動)
- 専用PCで口頭指導要員が状況を確認
- 必要な応急手当を指導
- 事前に用意した応急手当等の動画を送信
*通報者は、現場を撮影し撮影された映像は伝送され、現場の状況を映像で確認し、状況により現場に向かっている救急隊に内容を伝達する。
このように、映像で現場の状況確認する取組がおこなわれています。
最後に
Live119は、まだまだ検証段階です。
また、自治体によって運用期間はことなり、例えば鹿児島市では令和2年11月9日(月曜日)~令和3年3月7日(日曜日)119日間が検証期間として実施されています。
ちなみに、110番通報に併せて手持ちのスマートフォンのビデオ通話機能を活用する「Live110」も運用されています。
これからの救命活動は、大きく変わっていくことになるでしょう。
そして、人ごとではなくいざという時は、私達自身がその救命活動をすることになるでしょう。
もしも、自分の「子ども」や「親」など家族の救命活動なら、ためらっている間に命がなくなるかもしれません。
なにより、助かるかもしれない方法を教えてもらえるのなら、これほど心強いこともないでしょう。
そして、通報者にできることは、救急車が到着するまで救助者の命を繋ぐことだけでしょう。
→「119番の現状」については、こちらの記事で紹介しています。
参考
Down corp:Live119 映像通報システム
→https://www.dawn-corp.co.jp/service/live119/#section02
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