お正月の次は、節分! 豆・恵方巻きが窒息・誤嚥の原因に・・・

 

この記事では、節分で引き起こされる事故についてお伝えしています。

 

突然ですが、「窒息しやすい食べ物?」と言えば、「お餅」を想像する人が多いのではないでしょうか?

実際、消費者庁でもお餅に付いての注意喚起は以前から行なわれています。というのも、そもそも食べ物が原因で窒息している65歳以上の高齢者は3,500人以上にものぼります。

その中でも、1月だけをみると「不慮の窒息」により1,300人が亡くなっています。(お正月の「三が日」に集中)

つまり、特に高齢者にとってお餅は天敵となります。

そんな1月を乗り越えて、すぐにやってくるのが「節分」ですよね。

今回は、「節分でも窒息・誤嚥が発生している!?」についてご紹介します。

 

節分で窒息する可能性がある食べ物といえば?

「節分」と言えば、豆まきの「豆」。これは、年の数だけ食べる風習がありますよね。

さらに、その年の恵方をむいて巻き寿司一本を丸かじりする「恵方巻き」

どちらも、節分の縁起物として食べる風習がまだまだ残っていますよね。

特に、子どもが産まれると鬼役をすることになるパパさんもいらっしゃるのではないでしょうか?

ちなみに、恵方巻きを本当に一本まるかじりする場合、水分を摂らずに大量のご飯を食べることは窒息の危険があるため、こちらも特に高齢者は注意が必要です。

さて、それでは「豆」は窒息の危険があるのでしょうか?

 

「豆」の窒息は子どもが危険!

お餅やご飯は、高齢者の窒息が多くなっています。

ですが、豆類に関しては子どもの窒息が多くなっています。

消費者庁でも注意喚起がなされていますが、3歳頃までは「豆」や「ナッツ類」などを食べさせてはいけません。

それでは、なぜ3歳が目安になっているのでしょうか?

StockSnap / Pixabay

 

事故件数は3歳未満が多い!

医療機関から消費者庁へ、平成 22 年 12 月~平成 29 年 12 月末までに、豆やナッツ類を子ども(14 歳以下)が誤嚥した事故情報の件数が発表されています。

それによると、27件が報告されています。

この27件のうち、3歳未満の事故が20件もありました。つまり、全体の7割以上が3歳未満による窒息でした。

このように、統計的にみると3歳未満の豆類による窒息が多発していることが分かります。

それでは、3歳児の機能的な部分ではどうなのでしょうか?

 

 

発達が未熟な状態!

個人差は確かにありますが、そもそも大人のように噛み砕く咀嚼(そしゃく)ができるのは3歳頃です。

さらに言えば、「飲み込む」・「吐き出す」という力が十分に発達するのも3歳頃です。

つまり、3歳までに豆類を食べさせて窒息が引き起こされてしまえば、私達大人ができるような反射による十分なむせ込みなどができずに、そのまま命に関わる可能性が高くなります。

 

それでは、細かく砕けば食べさせてもいいのでしょうか?

実は、豆を砕いて食べさせたとしても、その破片が気道に入ってしまうと体内の水分で膨張して形状が変わり、気道に詰まる恐れがあります。

つまり、豆をそのまま食べることは、特に3歳未満の子どもにとって大きさに関わらず危険で誤嚥の危険性があります。

それでは、豆類を誤嚥してしまうとなにが引き起こされるのでしょうか?

そして、どんな事例があるのでしょうか?

 

豆類の誤嚥はなぜ危険?

例えば、乾燥大豆を水でもどしたことがある人なら分かると思いますが、水分を吸収した大豆は大きくなりますよね。

これは、水分を吸い込むことで、乾燥大豆が約2.3倍の重量になるためです。

さて、乾燥している豆はこのように水分を吸収していくため、先程もお伝えしたように例え破片であっても体内の水分で膨張して窒息をまねく場合があります。

ただ、窒息だけではありません。

実は、破片が気道に入ってしまう(誤嚥)と、豆類の油分が溶け出して炎症が引き起こされ、気管支炎や肺炎の原因になることがあります。

それでは、豆類による「窒息」「炎症」にはどういった事例があるのでしょうか?

 

窒息による事例は?

消費者庁より

1歳:中等症(平成 29 年2月受診)

皿に入ったピーナッツの豆菓子をちゃぶ台に置いていたが、親が目を離した隙に豆菓子が地面にちらばっており、子どもがいじっていた。親が取り上げたが、30 分たたないうちに子どもがせき込み出した。夜、寝かせているときにぜいぜいして、気道異物の治療目的で入院。4日間入院した。

この事例では、子どもの手の届く範囲に豆菓子が放置されていたことで、1歳児が誤嚥した事故でした。

 

2歳:重症(平成 26 年 10 月受診)

発熱とせきがあり、肺炎と診断され入院。退院後もしつこいせきが続き、数か月後に検査目的で受診したところ、気管支異物(ピーナッツの破片)が発見された。 

この事例では、肺炎の症状で初めて誤嚥が発見された事例です。

他にも、1歳児が豆をガリガリ食べていたが3粒目でむせ込み、呼吸器障害の症状が出たため医療機関へ受診した事例などがあります。


このように、「誤嚥」と一言でいっても窒息だけではなく、その後に発熱が引き起こされ肺炎になる場合もあります。

また、事例のように1歳児で豆をガリガリかみ砕くことができたとしても、どのタイミングでむせ込むか分かりません。

このように、平成30年1月31日にリリースされた消費者庁の報告では、3歳未満の子ども達には、特に与えないように注意喚起がなされていました。

ただし、令和3年1月20日に消費者庁からリリースされた「食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意!」では、3歳未満ではなく5歳以下になっていました。

事例でも・・・

保育施設において、幼児(4歳)が炒り豆を食べた後、意識がない状態になっているのに気付き、病院に救急搬送したが死亡。

という、実際の事故事例が紹介されていました。

 

最後に

普通、「節分」は2月3日ですよね。

ところが、今年(2021年)の節分は、2月2日です。2月2日が節分の日になるのは、実に124年ぶりだそうです。

ちなみに、2月3日が節分の日ではないのは1984年2月4日の37年ぶりとなります。

こういった事情もあり、今年の節分は例年以上に注目を集めています。

ただ、「小さい子ども」や「高齢者」がいるご家庭では、窒息や誤嚥には注意してくださいね。

特に、5歳以下の子どもが「乾燥した豆」を手に取ってしまわないように、手の届かない高い所に保管するようにして下さいね。

参考までに、私の息子の場合は3歳の時にはイスを運んで、棚に登るなど親の予想をはるかに超えてた動きをしていました。

そのため、「高い所」で安心せずに、子どもが知らない場所に保管することをお勧めします。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です