給油間違いはエンジンを停止させる!? ~「始めて?・玄人?」給油口の確認必須~

 

車を所有している人なら、家族旅行に使う車はいつも同じですよね?

ですが、最近ではセルフスタンドが増加したこと。また、車離れが進みレンタカーの場合もあり慣れていないと間違えるといったことがあるようです。

それでは、もしウッカリ「油種」を間違えて車に給油したらどうなると思いますか?

*油種とは、「軽油・レギュラー・ハイオク」の3種類です。

今回は、せっかくの楽しい家族旅行をだいなしにしないためにも「超危険な給油間違い」についてご紹介します。原油の説明をしないと分かりにくいので、まずはそちらから簡単に説明しますね。

我が家はガソリン自動車に乗っているので、今回はガソリン自動車の給油間違いについて紹介します。

 

ガソリンってそもそもなに?

ガソリンの原料は、「原油」なんですがこれは化石燃料(何億年物もの時間をかけて分解されたプランクトンなどの生物の死骸)です。

*原油とは、石油を地中から採取した(地表に出た)状態をいいます。ただし、石油は石油製品の総称としても使われるため原油と石油はほぼ同義ということはできますが、石油=原油ではなく→石油≑原油となります。

■精製

原油は、黒くてドロドロしていますよね。ただ、原油のままでは不純物が多すぎて燃料として使うことができません。そのため、精製する必要があります。

精製することで、原油はガソリン・灯油・軽油・重油といった具合に分けられていきます。簡単に言えば原油を温めることで成分を分けています。これは、それぞれ沸点が違うからできることなんです。

*例えば、水は100℃で水蒸気になるため水の沸点は100℃ですよね。

music4life / Pixabay

 

石油が精製されると5種類に分けられる!

●第一留分(原油を360℃以上まで温める)

  • 重油
  • 潤滑油
  • アスファルト

●第二留分( 〃 240~360℃以上で温める)

  • 軽油

●第三留分( 〃 170~250℃まで温める)

  • 灯油
  • ジェット燃料機

●第四留分( 〃 35~180℃まで温める)

  • ガソリン
  • ナフサ(プラスチックや合成繊維など石油化学製品の原料)

など。

●第五留分( 〃 35℃以上に温める)

  • LPガス

 

SatyaPrem / Pixabay

このように、原油は精製されることでそれぞれの沸点の違いにより第1分類~第5分類に分けることができます。それでは、本題の軽油・レギュラー・ハイオクについてご紹介します。

 

ガソリンの種類

■子ども時代の勘違い

私自身、実家の仕事の都合で父親が運転するMT(ミッション)の軽トラックに小学生の時から手伝いのために子どもの頃から助手席に乗っていました。

父は、セルフスタンドではいれないので必ずフルサービスのガソリンスタンド(人がガソリンを入れてくれるスタンド)で給油していました。

ガソリンスタンドでは、必ず「レギュラー満タン!」と言っていました(あれから20年以上たった今も変わらずのようです)。子どもながらに、「軽車両だし軽油じゃないの?」と思っていたことを今でも覚えています。

さて、本題のガソリン油種ですが、セルフスタンドの給油を間違えると大変なことになります。

軽油(ディーゼル)とガソリン(レギュラー・ハイオク)の違い

そもそも、軽油の「軽」は軽自動車とまったく関係ありません。慣れていない人にとっては、この時点でややこしいですよね。

■なぜ、「軽油」というの?

それは、先程説明した第一留分の「重油」よりも第二留分の「軽油」の方が軽いからです。つまり、重油より軽いので「軽油」と呼ばれているだけです。「なんだそりゃ!」といわれそうですが残念ながら事実です・・・

気を取り直して、軽油について紹介します。

■軽油とガソリンの特徴

軽油はガソリン(レギュラー・ハイオク)と比べると沸点が高いんです。

  • 軽油の沸点:180~350℃
  • ガソリンの沸点:35~180℃

ということで、沸点がちがうため軽油とガソリン車はそもそもエンジンの構造が違います。というのも、ガソリンは高温にしなくても、常温常圧でもよく燃えます。

ですが、軽油は沸点が高いため高圧力・高温でよく燃焼させる必要があります。つまり、それに合わせてエンジンも開発されています。

ということは・・・

Skitterphoto / Pixabay

 

危険な給油間違い!

JAFを参考に紹介していきます。

ガソリン車に軽油を給油

ガソリン車のエンジンは、軽油を高圧力・高温にできないためそもそも燃焼させることができません。そして、ガソリン車に軽油して走り続けるとこんな現象が起こるようです。

❶出力が下がる。
➋加速しづらくなる。
❸ノッキング(エンジンから、「カンカン」「キンキン」といった打音)が発生。
❹黒煙が上がる。
❺エンジン停止。

軽油が少量ならガソリンで薄めれば問題ないことが多いようですが、大丈夫かどうかの判断は難しいですね。

軽油を抜くしか対処はないんですが、JAFを要請することになります。

ディーゼル車(加重の重い貨物車やバスなど)にガソリンを給油

ディーゼル車には軽油を給油するのですが、もしガソリンを給油してしまったらこんな現象が起こるようです。

❶出力が下がる。
➋エンジン音が高くなる。
❸アイドリングが不安定。(車体が揺れたり・ATなのにエンスト:エンジンが止まることといったエンジンの不調)
❹排気ガスが白くなる。
❺噴射ノズルや燃料ポンプの交換が必要になる場合もある。

ガソリンと軽油を入れ替えるとどちらも、最後はエンジンが停止します。

mohamed_hassan / Pixabay

*軽油を抜くしか対処はないんですが、JAFを要請することになります。ちなみに、軽油は沸点が高いため火を近づけてもガソリンのように引火しません。

それでは、レギュラーガソリンとハイオクガソリンはなにが違うのでしょうか?

 

レギュラーガソリンとハイオクガソリン

■オクタン価

ガソリンはもともと無色透明なんですが、灯油と区別するために実はオレンジ系の色に着色されています。レギュラーとハイオクの違いはズバリ「オクタン価」です。

オクタン価が高いほどノッキングが起こりにくくなります。ちなみに、「高オクタン価ガソリン」という意味で「ハイオク」と呼ばれます。そして、オクタン価が高いガソリンほど自己着火し難いガソリンということになります。

このオクタン価は、実はJIS規格で決められているのですが・・・

  • レギュラーガソリンのオクタン価:89.0以上
  • ハイオクガソリンのオクタン価 :96.0以上(通常販売されているのはオクタン価:100)

となっています。

レギュラー使用の車にハイオクガソリンを給油

もともとレギュラーガソリンでノッキングが起こさないように設計されているため、おそらく問題ないとされています。

ハイオク仕様の車にレギュラーガソリンを給油

❶ハイオク仕様の車にレギュラーガソリンを給油した場合は性能を発揮できなくなります。

➋「ハイオク専用」の車にレギュラーガソリンを給油すると、エンジンの破損だけでなく車両火災も危険視されています。

 

最後に

JAFによると、2018年12月の1ヶ月間だけでドライバーから油種間違いによる救援要請が390件(一般道:373件・高速道路:17件)もありました。もし、高速道路でエンジントラブルが起きれば命取りとなり大事故に繋がりかねません。

セルフスタンドでは、いれ間違いを防ぐために・・・

  1. レギュラーガソリン:赤色
  2. ハイオクガソリン :黄色
  3. 軽油       :緑色

給油ノズルがこのように色分けされています。私自身、まさか間違えないだろうと思っていますが旅行帰りや帰省時などは、疲れ果ててしまっています。

仮に給油の直前まで覚えていても、いざ給油するときは意外と無意識にやってしまいます。これは、慣れている人ほど陥りやすい盲点でもあります。また、ガソリンスタンドによって、給油機の操作が違うこともあり操作に集中しすぎてノズルを間違えることも・・・

給油は、気持ちの余裕があるうちに焦らず操作して下さいね!


参考

LIFEEEEE!
http://sam000urai.hatenablog.com/entry/20160615/1465979918

JAF
http://qa.jaf.or.jp/mechanism/structure/13.htm
http://www.jaf.or.jp/profile/news/file/2018_51.htm

 

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