「子どもに甘い食べ物」といえばマイナスイメージを持っている人も多いかもしれませんね。

実際、虫歯や肥満だけでなく糖尿病の増加が社会問題になっています。

今回は、そんな「大人と子どもの糖質の違い」についてのお話です。

 

そもそも糖質ってなに?

「糖=甘い物!」と考えがちですがそれだけではありません。

甘い物といえば、砂糖がまず始めに思い付くと思いますが、ご飯・パスタ・芋などに含まれるデンプンも糖質の仲間です。

ただし、糖質にも種類があります。

  • 単純糖質・・・血糖値を早く上げる精製された糖質→砂糖・ブドウ糖・果糖などでお菓子や果物に含まれる糖質。
  • 複合糖質・・・穀類や芋類、豆類に含まれるデンプンが代表格。

複合糖質は、消化と吸収の間に複合糖質から単純糖質への分解という段階を踏むため吸収までに時間がかかります。

 

*例えば、糖尿病の患者さんには複合糖質を中心に摂ることが勧められます。逆に、低血糖状態の人には単純糖質が必要になります。

→ちなみに、食後血糖値の話しでいえば「砂糖(単純糖質)」を食べても「ご飯(複合糖質)」を食べても、食後の血糖値は急上昇します。

 

それでは、皆さんは三大栄養素についてご存じでしょうか?

 

PFC比率

皆さんは、PFC比率という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

PFC比率というのは、人間がエネルギーを得ているエネルギー産生栄養素のことです。(PFC以外のものを食べてもカロリーにならない!)

  • P(Protein)   →タンパク質
  • F(Fat)       →脂質
  • C(Carbohydrate)→炭水化物(糖質+食物繊維

 

理想的なエネルギー産生栄養素バランス(PFC比率)は?

  1. タンパク質→13~20%
  2. 脂質   →20~30%
  3. 炭水化物 →50~65%

タンパク質:脂質:炭水化物=15:25:60が理想。

圧倒的に、炭水化物の比率が多いことが分かります。

ですが、食時の欧米化などにより、現在は炭水化物よりも脂質の摂取量がどんどん増えています。

*「炭水化物=糖質」ではなく、正確には「炭水化物=糖質+食物繊維」です。


PFCバランスとも言われますが、これが人間のエネルギーになる「三大栄養素」とよばれ、人間にとって欠かすことができない栄養素です。

当然、炭水化物(糖質+食物繊維の合計)は重要な栄養素になります。

それでは、「糖質」のメリット・デメリットについて見ていきましょう!

 

糖質の重要性

エネルギーは寝ている時も消費されますが、まず最初に使われるのは糖質です。

糖質のほとんどは、体内に入ると消化器官でブドウ糖へ分解され、全身の細胞で使用されます。

ブドウ糖といえば、「脳を動かしたり・赤血球が全身の細胞に酸素を送るエネルギー源になったりと重要な働きを担っている!」とよく言われますよね。

→生きてるだけで、生命活動のためにエネルギーはどんどん費やされていきます。

 

問題は、健康体の状態で「糖質を過剰に摂取した場合」「過剰な糖質制限をした場合」です。

 

糖質の過剰摂取

今は「飽食の時代」と言われるように、日本では捨てられるほどの食べ物がありますよね・・・

つまり、体内で使い切れないほどの糖質を簡単に摂ることができてしまいます。

特に、先程お伝えした単純糖質は、余分な物を抜き取った(精製された)糖質ですので、それこそほぼ糖質しか含まれていません。

つまり、複合糖質のように分解する必要がないためどんどん吸収されていきます。

 

糖質を過剰摂取してしまうと・・・

  • 肥満・・・脂肪細胞に中性脂肪が蓄えられていくため。
  • 肌や骨の老化・・・ブドウ糖がタンパク質と結合し糖化することで、タンパク質の機能が失われるため。

糖尿病・動脈硬化の発症や進行。脳梗塞や心筋梗塞のリスクも指摘されています。

 

精製された食品の危険性についてはこちらの記事で紹介しています。

「マイルドドラッグ」禁断症状は誰もが経験 加工食品と依存性とは?

このように、糖質を過剰摂取することで体型だけでなく病気のリスクも跳ね上がります。それでは、最近流行の糖質制限ダイエットは効果があるのでしょうか?

 

糖質を過剰に制限した場合

最近、流行の「糖質制限ダイエット」を徹底的に実行するとこれに当たると思うのですが・・・

正直、賛否両論分かれるとは思うのですが少なくとも長期間おこなうと、危険なことが指摘され始めています。

例えば、「糖質制限をしているから!」とお肉をたくさん食べたとします。

ですが、そもそも動物性脂肪はガンのリスクを上げてしまいますよね・・・

そもそも、偏った食事になってしまいますよね・・・

確かに、食に関する常識は日々変わっていきます。

とはいえ、病気でもない健康体で糖質制限を続けることで、例えばこんなリスクが指摘されています。

 

炭水化物・糖質を極端に減らすと・・・

  • 蓄えていた糖質・グリコーゲンが水と一緒に減っていく。→体重が減る(体脂肪ではなく、体内の水分が減っているだけ)
  • 疲れやすい
  • 集中力が欠ける

 

長期間、糖質制限を続けると・・・

  • めまい・頭痛などの慢性的な体調不良
  • 筋肉量が減少(糖質が不足すると、体は筋肉を分解して補おうとするため)

ちなみに、徹底した糖質制限をおこなってしまうと他の機能に不具合が生じていきます。

例えば、果物や穀類など食物繊維を摂らないことになりますので、便秘になったり血液がドロドロになることが指摘されています。

もし、病気(糖尿病など)で糖質制限をするなら、医師のアドバイスを受けながら数値を確認しながら進めていくことができます。ですが、素人考えではかなり危険です。

 

*ちなみに、糖質制限をして痩せたとしても、リバウンドや痩せにくい体になることが指摘されています。

→穀物を摂らないとホルモンバランスが崩れ、肌荒れなど様々な影響が現れる。

それでは、最後に大人と子どもの砂糖の摂取量の違いについてご紹介します。

 

大人と子どもで砂糖の摂取量の意味はまったくちがう!

糖質(砂糖や炭水化物)がはいってくると、血糖値を下げるために膵臓がインスリンを分泌することで血糖値を一定に保つ働きをします。

特に、砂糖がはいっている甘い物(単純糖質)はインスリンを大量に出す必要があります。

人が一生に出せるインスリンの量は決まっている。

 

甘い飲み物を大人と子どもで飲んだ場合

1本80ccの乳酸飲料(砂糖15g)を親子で飲んだとします。

 

正常な血糖濃度は、「血液量100mlに対して、血糖量0.1g(0.1g/100ml)

  • 大人 (体重50kg・血液4000ml=血糖量4g)→普段から血糖量は4g存在している。
  • 子ども(体重14kg・血液1000ml=血糖量1g)→普段から血糖量は1g存在している。

こんなどこにでもいる親子が、乳飲料をたった80cc飲んだとします。

⇊  ⇊

血糖量

  • 大人 :血糖量19g(砂糖15g+血糖量4g)
  • 子ども:血糖量16g(砂糖15g+血糖量1g)

⇊  ⇊

血糖濃度

  • 大人 :0.5g/100ml(血糖量19g÷血液量4000ml=0.00475✕100=0.475g
  • 子ども:1.6g/100ml(血糖量16g÷血液量1000ml=0.016✕100=1.6g

大人の場合は、正常な血糖値の5倍ですみますが、子どもはなんと16倍にも達します・・・

このように、大人と子どもでは同じ物を食べたり飲んだりしても、体への影響が全く違います。できれば、子どもには子ども用の食べ物を与えるか、量を調整することが必要になります。

 

最後に

糖質は、ついつい摂ってしまいます。

ですが、子どもがおねだりするたびに特に「アイス」や「ジュース」といった単純糖質を与えていては、あっという間に糖質過多になるでしょう・・・

何事もやり過ぎず、バランスを考えてみてはいかがでしょうか?

そして、大人でも影響があるのなら子どもの場合はさらに顕著に影響が出ることを意識付けしておくことが大事になります。

糖質の摂り過ぎ・摂りなさ過ぎには十分ご注意下さい!


参考

タイヘイの食事療法
https://dm-net.co.jp/taihei/tounyou/onepoint/005910.html

グリコ
https://www.glico.co.jp/navi/e04.html

メディカルフードサービス
https://www.medifoods.jp/blog/post-74.html

 

 

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