皆さんは、いつからレジ袋が有料化するかご存じでしょうか?
「環境問題に効果がある?」とかそういったことは、別の記事でお伝えするとして・・・
と思いましたが、はずすことができなかったため後半に盛り込んでいます。
今回は、「レジ袋がいつからどうなるのか?」「本当に環境に優しいのか?」について盛りだくさんでご紹介します。
レジ袋はなぜ有料化されるの?
レジ袋が全国に普及して約50年!?
そもそも、レジ袋は石油化学製品である合成樹脂(プラスチック)から作られています。
~特徴~
- 軽い
- 安い
- 丈夫
- かさばらない
- 再生利用可能
こういった特徴から、1970年代頃から紙袋の代わりに全国的に普及しました。つまり、全国に普及してから考えてもレジ袋の歴史は約50年もあります。
50年間、当たり前のように使い続けてきた物ですから、とても便利で私達の生活にはなくてはならない存在になっています。
令和となりましたが、実際「国民1人当たり年間約150枚のレジ袋を使用している」と言われています。
さて、そんなレジ袋ですがさまざま問題が世界で指摘されています。
プラスチック資源循環戦略
令和元年5月31日決定。
- 資源・廃棄物制約
- 海洋ごみ対策
- 地球温暖化対策
など、こういった幅広い課題に対応しながらプラスチックの資源循環を総合的に推進するための重点戦略の1つとして、リデュース等の徹底が位置付けられました。
この取組みの一環として「レジ袋有料化義務化(無料配布禁止等)」が実施されるにいたりました。
そもそも、世界的に海洋プラスチック等による環境汚染が問題となり、レジ袋じたいが禁止されている国まであります。
ただ、疑問としては世界的にレジ袋が禁止されている流れになっているとはいえ、そもそも日本ではゴミの分別を当たり前のようにしていますよね。
それでは、その分別したはずのゴミが例えば海洋に流れていることになりますが、それはレジ袋を使った私達消費者の責任になるのでしょうか?
つまり、回収後の廃棄がうまくいっていないのなら、「そもそも廃棄サイクルを正すことが先ではないか?」という当然の疑問が残ります。ですが、レジ袋の負担は消費者にまわされることとなりました。
→私が住む市では、指定ゴミ袋(燃えるゴミ・燃えないゴミなど)は全て購入しないといけないため、さらに負担がかさむことになります。
それでは、レジ袋の有料化について見ていきましょう!
レジ袋の有料化
最も効果か高かった!?
そもそも、これまでマイバックの持参やポイント還元など、レジ袋を消費しないための取組みは続けられてきました。
とはいえ、地方自治体やスーパーマーケットの調査によると、レジ袋辞退率は取組みにより全く異なる結果となりました。
~レジ袋の辞退率~
- 無料配布中止(有料化) ・・・80~90%
- 値引き(キャッシュバッグ)・・・40~50%
- ポイント付与 ・・・30~40%
- マイバック持参の呼びかけ ・・・20~30%
このような結果となりました。
つまり、ポイント還元や値引きよりもレジ袋を有料化した方が、「レジ袋の削減には圧倒的に効果がある」という結果でした。
それでは、具体的にいつからどのようになるのでしょうか?
2020年7月から有料化義務づけ!
原則、全ての店でレジ袋の有料化が義務づけられる方針です。
もちろん、「土産物屋」や「外食持ち帰り」、「個人の小さいお店」も含まれるため、まさに「全て」といっていいでしょう。
例えば、テーマパークに行くと人数分の袋をもらっていましたが、全て購入しなくてはいけなくなります。バレンタインやイベントなども商品の代金に袋代が入るのかもしれませんね。
さすがに、プレゼントを袋に入れずに「手渡し」というわけにもいきませんよね・・・
ちなみに、レジ袋の料金は店ごとに決めることになっています。
さて、先程、「全てのお店」とお伝えしましたが、実は例外もあります。
対象外のお店とは?
1.「サービス」として提供している場合
そもそも、レジ袋の有料化義務付けは「容器包装リサイクル法」という法律の省令改正で対応していきます。ですが、この法律の対象は「商品」を含む容器包装です。
つまり、商品でないものは対象になりません。
- クリーニング店:クリーニング店は、「商品」ではなく「サービス」を提供しています。つまり、法律の対象外になります。
- 商店街のくじ引きの景品を入れる袋
ただし、国は自主的な有料化を呼びかけています。
そして、もう一つ「業」として行なわれていない場合です。
2.「業」としてお店を繰り返し出店していない場合
- 屋台(地域のお祭りなど)
- フリーマーケットで個人から商品を買う場合
当然、本業として営業しているたこ焼屋などは、レジ袋が有料化されます。
さらに、そもそも全ての袋が有料化されるわけではありません。
有料化されないレジ袋とは?
- レジ袋に入れる前の内袋(野菜・肉・魚など)→衛生上必要。
- 金魚を飼ったときにくれる袋 →商品一体のため。
- 植物などを原料とするバイオマスプラスチックを25%以上配合した袋。
- 海洋生分解性プラスチックの袋。
- スポーツショップなどでもらう厚さが0.05㎜以上ある分厚いレジ袋。
❶「バイオマスプラスチック」は、トウモロコシやサトウキビなどが原料で、光合成の際に二酸化炭素を吸収しているため、ゴミとして燃やして二酸化炭素が出ても地球温暖化にはつながらないため。
➋「海洋生分解性プラスチック」は、海の中で微生物によって分解されるため、生態系などに悪い影響を及ぼす心配がない。
❸一方、スポーツツショップなどでもらうレジ袋は、「頑丈なので使い捨てはしないだろう」という理由です。
*❸に関しては、なんだか軽減税率のように釈然としない理由で有料化から除外されています。
「バイオマス」「生分解性」は本当に環境に優しい?
そもそも、バイオマスプラスチックが有料にならない根拠は、「燃やしても」です。
ですが、海洋汚染の問題解決のための取組みでもあります。
そもそも、海洋に流れていくことが前提になっていることじたいがおかしな話しなんですが・・・
それはそれとして、バイオマスとは、動植物や生物の遺骸や排泄物・農産物・食品廃棄物などを含んでいます。
とはいえ、一般的にバイオマスプラスチックはトウモロコシ・藻類・ジャガイモ・大豆など再生可能な植物バイオマスから作られます。
ここで注目すべきは、「25%以上」という点です。
そもそも、バイオマスプラスチックは原料が「バイオマス」でよければいいため生物に分解できるかどうかは問題になりません。
つまり、バイオマスプラスチックには「生分解性」と「非生分解性」という2種類のバイオマスプラスチックがあります。
→全てが、再生可能な材料で完全に作られているわけではない。
そして、「生分解性のバイオマスプラスチック」であっても、試験の多くは20℃~60℃で実施されています。しかも、閉鎖的で温度・通気がコントロールされた条件下です。
本気で環境問題に取り組むなら、本来ならゴミが問題になっている場所の環境を精密に再現した環境下で分解できるかを実験する必要があります。
つまり、「バイオマス」とか「分解生」とかそれらしい言葉だけをみて、イメージでなにも知らない多くの人達が、「環境に優しいプラスチックだ!」と感じているにすぎません。
環境ビジネスは世界的に長い期間儲けることができるため、ビジネスとして儲けたい気持ちは分かりますが、結果、本当に深刻な環境問題になっています。
具体的に、「⚪⚪の場所」で「どれくらいのプラスチック」が「どれくらいの時間」で分解されるのかを細かく検査していく必要があります。
最後に
環境問題の問題点は、「そもそも」の突っ込み所が満載していることです。
今回のレジ袋を減らすこと1つとっても、そもそも「レジ袋=プラスチック問題」のようになっていますよね。ですが、ペットボトルをはじめ私達の周囲はプラスチックで囲まれています。
それではそのうち、レジ袋に占める割合はどの位なのでしょうか?
よく、「節約したいのなら出費が大きい保険・家賃・通信費などをまずは見直す必要がある」と言われますよね。これは、食費で数十円浮かすよりも保険の見直しなどで数万円浮かした方が、費用対効果が格段に上がるためです。
まずは、最も影響を与えているものをどうにかすることが最優先です。→つまり、プラスチック全般
そう考えれば、今後はレジ袋の使用禁止やペットボトルの使用禁止。そもそもプラスチックの使用自体が禁止されていくのか?
結論からいえば、新しい材質が作られない限り、プラスチックの使用自体が禁止になることはありえません。なぜなら、プラスチックを使用していない商品はほぼ皆無だからです。
こういったことから、「環境ビジネス」といわれてしまう現状があります。
とはいえ、レジ袋の有料化はまもなく始まります。
参考
解説委員室
→http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/415342.html
我が国のレジ袋規制に関する動向
→https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2019pdf/20190603077.pdf
プラスチック製買い物袋の有料化のあり方について
→https://www.env.go.jp/recycle/y0313-00/R0112.pdf
プラなし生活
→https://lessplasticlife.com/marineplastic/responses/bioplastics/
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