進化するサイバー犯罪 ~モザイクアプローチと消えるSNS~

 

サイバー犯罪という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

今回は、誰が被害者になってもおかしくないサイバー犯罪についてご紹介していきます。

子ども達だけなく、私たち自身にも関係します。

 

サイバー犯罪ってなに?

サイバー犯罪とは、主にスマホやパソコンといったコンピューター技術や通信機器を悪用しておこなわれるネット犯罪のことをいいます。

*各都道府県の警察本部には、サイバー安全対策窓口が設置されています。

サイバー犯罪は、大きく3つに分かれます。

 

コンピューター・電磁的記録対象犯罪等(不正指令電磁的記録に関する罪)

この法律により、コンピューターウイルスの

  1. 作成・提供
  2. 共用
  3. 取得・保管行為

が罰せられることになりました。

 

~処罰の対象~

持ち主の意思に反して、スマホやパソコンなどを勝手に作動させたり、不正な指令を与える電磁的記録(プログラム)。

1.ウイルス作成・提供罪

①正当な目的がない。

②使用者の意図とは関係なく実行させる目的で、コンピューターウイルスやそのプログラムを作成・提供する行為。

→3年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられます。

 

2.ウイルス共用罪

①正当な目的がない。

②コンピューターウイルスを使用者の意図とは関係なく、「勝手に実行される状態にした」・「その状態にしようとした」行為。

→3年以下の懲役または50万円以下の罰金。

 

3.ウイルスの取得・保管罪

①正当な目的なない。

②使用者の意図とは関係なく実行しようとする目的で、コンピューターウイルスやそのソースコードを取得・保管する行為。

→2年以下の懲役または30万円以下の罰金。

 

正当な目的とは・・・

・ウイルス対策ソフトを開発する目的でウイルスを作成する場合。
・ウイルスを発見した人が、ウイルス対策ソフトの更新に役立てる目的でウイルスの研究機関などに提供する
・プログラミングの過程で誤ってバグを発生させる。(故意犯に適用される罪であるため)

などは正当な目的になるため、もちろん犯罪にはなりません。

 

~犯罪例~

  1. 金融機関などのオンライン端末を不正操作。
  2. インターネット・パソコン通信で他人のアカウントを入手し住所を改ざん・消去する。
  3. ウイルスや大量の電子メールを送付しシステムをダウンさせる。

 

ネットワーク利用犯罪

ネットワークを利用しておこなわれる犯罪のことです。

ネット掲示板を利用して覚醒剤などの違法な違法な物を売買やわいせつ画像をアップするなどの行為が挙げられます。

 

~犯罪例~

  • オークションで自分が持っていないにも関わらず、出品し落札者から購入代金をだまし取る。
  • 脅迫・恐喝内容の電子メールを送付する。
  • 特定個人の誹謗中傷記事をホームページや掲示板に掲載する。

 

不正アクセス禁止法違反

他人のID・パスワードを悪用したり、コンピュータープログラムのバグ(欠陥)をつくことでアクセス権限がないコンピューター(サーバ)を利用する犯罪のことです。

 

~犯罪例~

  • 他人のID・パスワードを使用し、その人になりすましてコンピューターに不正アクセス。
  • 金融機関等になりすましてID・パスワードを入力させる内容のサイトを作ったり、電子メールの送信をおこなう。
  • 他人のパスワードやIDを、第三者に教えたり売ったりする。また、そのために保管しておく。

 

対策は?

子ども編

①出会い系サイトの被害は大半が中高生。アクセス制限(フィルタリング)や課金制限など、セキュリティー対策が必要になります。
→コミュニティサイトで連絡を取り合っていた相手と実際にあって犯罪にあうという事件も起こっています。

②携帯ゲーム機や音楽プレーヤーもネット接続ができることを保護者が知っておく。
→チャット機能を使って、10歳の女の子が女子高生と名乗る相手と仲良くなり裸の写真を要求され送ってしまった事件があります。

③制限をかけた上で、子どもにネットを使うときの危険性とルールを伝える。

 

大人編

①ネットを閲覧中に高額請求をされても無視すればいいことはみなさん知っていますよね?

心配なら、ネットで検索すればすぐにそれが詐欺の警告分だと分ります。

②他にも、SNSを使ってあなたの投稿から情報を集めて個人の自宅を特定してしまう「モザイクアプローチ」というものがあります。

ニュースがあると、次の日には事件関係者の自宅が特定されていることがよくあります。プロ集団の組織がいるのではないかと思っている人もいるかもしれませんが・・・(実際にいるのかも?)

ネットで「モザイクアプローチ」と検索すると、趣味(ゲーム感覚)でやったことがあるというコメントがたくさんみられます。

モザイクアプローチの怖い所は、素人でさえ投稿者の住所を特定できてしまう可能性があることです。

  • 「小学校の頃の友達」などといってあなたに会いに行くことができます。
  • あなたのいない時間に泥棒に入られるかもしれません。
  • ストーカーに狙われるかもしれません。

SNSを使わないことが一番の対策ですが、そうもいかないので・・・

  • 近所の写真を撮らない。
  • 「雷の音にびっくりした!」「電車が遅れて遅刻した」など自身が特定できる情報を投稿しない。
  • 写真の位置情報機能を解除する。

ただ、SNSをやたらと投稿する人が好きな人が周りにいる場合、どんなにあなたが注意してもあなたの情報は筒抜けになる可能性がありますのでご注意下さい。

*スマホでブランド品を撮影している投稿から、住所と不在時間帯を割り出し仲間を募って泥棒に入るという事件も発生しています。

→目的は人それぞれなので、なにが相手を刺激するかは分りません。

15299 / Pixabay

 

進化するサイバー犯罪

サイバー犯罪が怖いところは・・・

①SNSで不特定多数に「アルバイトしませんか?」などの文言で知らない相手を集めることができます。

②ネットで完結するので、指示役は前に出ることがなくつかまる可能性も低い。(証拠が残りにくい)

③捕まるのは、使い捨てにされる実行犯。(子どもや若者など)

④24時間どこででもできる。

といった犯罪をする側にとってさまざまな利点があります。とはいえ、そのSNSが証拠になることもありました。

しかし、すでにそのSNSという証拠さえもあてにできない時代になっています。

 

消えるSNS

若者の間で爆発的に浸透している「消えるSNS」。

SNSでの炎上など、投稿リスクばかりが高まりそんなニーズに答えるために急激に浸透しています。

これまで、SNSといえば残ってしまうため痕跡をたどることができましたがこれからは違います。新しく登場したSNSアプリ「スナップチャット」や「スノー」は投稿が自動的に消えていきます。

投稿した動画や写真を相手が見ると、設定した期間や閲覧回数により自動的に消去されます。この機能が悪用され、SNSで犯人までたどりつけない事件が増加しています。

coffeebeanworks / Pixabay

 

最後に

新しいアプリやウイルスなどがどんどん作られていて、正直なところ個人でできる対策には限界があると思います。

ただ、被害にあう可能性を抑えることはできます。

現金やクレジットカードを手にもったまま外出する人はいないですよね?

普通は、財布に入れますよね?

たとえば、そういう対策はできるというイメージが分りやすいかもしれません。

まずはSNSを投稿する前に、個人情報がないか意識づけてみてはいかがでしょうか?

 

まとめ

  • 各都道府県に、サイバー犯罪安全対策窓口が設置されている。
  • サイバー犯罪は、大きく3分類されている。
  • サイバー犯罪は、どんどん巧妙化している。
  • いつ誰が被害者になってもおかしくない。

参考

法務省「いわゆるサイバー刑法に関するQ&A」
http://www.moj.go.jp/content/001267488.pdf

日経電子版
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO27263300S8A220C1000000?channel=DF130120166071&page=2

警察庁サイバー犯罪対策プロジェクト
https://www.npa.go.jp/cyber/

はてなブックマーク
http://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.yomiuri.co.jp/national/20190122-OYT1T50012.html

 

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