子どもの喉に骨が刺さったときは、どうされていますか?
「そもそも魚嫌いで食べない!」という場合もあるかもしれませんが・・・
2歳の息子はなぜか肉より魚派のようで、放っておいてもパクパク食べてしまいます。ところが、先日イワシを食べたときに「骨が喉に刺さったのか?」突然泣き出してしまいました。
私は、祖母から「魚の骨が刺さったらご飯を丸呑みしたらいい」と小さい時から教えられ私も実際にやっていました。そのため、息子にもご飯を食べさせました。
その後、幸い問題なくご飯を食べだしました。(息子はまだしゃべれないので、本当に骨が刺さったかどうか分かりません)
さて、こんなことがあり「本当にご飯を飲み込ませてよかったのか?」について調べてみました。
魚骨異物(ぎょこついぶつ)
刺さった魚の骨(異物)は、「魚骨異物」と呼称されます。
口蓋扁桃(扁桃腺)にひっかかることが多いですが、舌根部(舌の奥)など口からは見えない部分にひっかかることもあります。
さて、この魚骨異物ですが結論からいえばご飯の丸呑みは危険だということが分かりました。この方法は、残念ながら民間療法でした。
とはいえ、喉の入り口付近ならご飯の丸呑みは有効なことが多いです。ただし、それなりのリスクがあることを知っておく必要があります。
魚の骨といってもいろいろ!
例えば、今回息子が刺さったと思われるイワシをはじめサンマ・ウナギなどの小骨は重症化することは基本的にはありません。
もっとも注意する魚は、鯛やブリ・サーモンといった大きな骨。そして、あら煮の時などにある顎の骨です。他にも、鍋に魚を入れるときもそうですが、固くて大きな骨を飲み込む可能性がある場合は特に注意が必要になります。
ところで、「魚の骨で重症化ってなに?」と思いませんでしたか?
「ただの魚の骨!」と侮っていると、手術による摘出なんてこともあります。
魚骨異物の危険性
注意する魚の骨以外にも、どこに刺さったかによっても危険度は変わります。
明らかに目に見えて、取れる所に骨が刺さっているならピンセットで取ることができます。ですが、基本的には何も食べずに耳鼻咽頭科か、夜間などなら救急外来へ行く必要があります。
もし、失敗するとこんなことが起こります。
ピンセットで取れなかった失敗例
- 粘膜の下に骨を押し込む。
- 骨の外側の部分だけが折れてしまい刺さったままになる。→耳鼻科でも対処は難しい。
*指で骨を抜こうとすると、押し込む危険が高くなります。
ご飯の丸呑み
- 粘膜の奥に骨を押し込んでしまう。
- 食道など奥の方で、しかも太い骨がしっかり刺さっている場合はご飯に引きずられて刺さった骨が粘膜を裂く。
放っておく
放って置くと確かに抜けることが多いですが、いつまでも抜けないと大変なことになるかもしれません。
- 数日後に化膿し高熱。(気道が腫れれば呼吸困難)
- 舌根扁桃(下の根っこ部分)に刺さった骨を放置していたことで、舌の奥深くまで骨が刺さり首の皮膚を大きく切り取って骨を出す手術をした事例がある。
魚骨異物の正しい取り方
個人でできるレベル
- 目に見える範囲で明らかに取れそうな所に刺さっていればピンセットで取る。
- 無理なら、すぐに病院へ!
→「うがいをする」という方法もいわれますが、深く刺さる可能性もあります。
*魚骨は、のど仏をグリグリして痛みが強くならなければ抜けていることが多いです。
病院での対処
①口から直接、あるいは鼻から内視鏡をいれて探す。(見つからなければCTなどの画像診断で探すことも)
②異物が見つかり次第摘出。(異物ですので、基本的に放置はありません)
*耳鼻咽頭科への受診目安
- タイ・コイ・ブリなどの大きな魚骨→すぐに受診!
- ウナギ・アジなどの小骨 →遅くても翌日には受診!
まとめ
基本的には、魚の骨が喉に刺さっても多くの場合は自然にとれるか食事中に抜けることがほとんどです。ただ、危険性があることを知っておく必要があります。
いざというときに、対応が遅れると症状は悪化してしまいます。
今回のポイントは・・・
- 太くしっかりした魚の骨が刺さった場合は、基本的にはすぐに受診する。
- 細かい骨は、翌日には受診する。
- ご飯などを飲み込むと悪化することがある。
- 明らかにとれる場合ならピンセットで抜く。
どちらにしても、受診して病院で抜いてもらうことが正攻法だということは知っておいて下さい!
参考
首藤耳鼻咽頭科
→http://www.shuto-clinic.jp/news/801.html
植田耳鼻咽頭科医院
→https://www.ueda-ent.com/oukyu/03.html
新潟市救急医療センター
→http://www.niigata-er.org/pdf/info/0000000048_3.pdf?now=20181229173453
じんのうち耳鼻咽頭科
→https://www.jinjinclinic.com/faq/
世界仰天ニュース
→http://www.ntv.co.jp/gyoten/backnumber/article/20180724_01.html
コメントを残す