火災原因は⚪⚪だった! ~初期消火の約2分間でできること~

 

寒くなると乾燥して火災が起こりやすいですよね・・・

いざという時、家族を守れるのか不安もそれぞれあるかと思います。

今回は、平成28年の住宅火災の現状と、いざというときの対処」についてお伝えします。

 

火事発生件数

ニュースでは、連日火災だけでなく爆発の報道までありました。

それでは、火災は増えているのでしょうか?

総務省が発表した平成28年(1月~12月)の火災の発生状況は36,831件もありました。

ですが、実は平成27年と比べると2,280件減少しています。

しかし、平成29年では39,373件と平成27年よりも増加しています。

1日平均ほぼ108件発生している計算になります。

もう少し分かりやすく伝えると、約13分に1件は火災が発生していることになります。

 

火事の発生原因

火災が発生する圧倒的に多い理由は「放火」です。

しかも、「放火の疑い」も含めれば2番目に多い「タバコ」の約1.6倍になります。

《平成27年と平成28年》

  1. 放火 :3,586件+放火の疑い:2,228件=5,814件*¹(-688件)
  2. タバコ:                 3,483件*¹(-155件)
  3. こんろ:                 3,136件*¹(-361件)
  4. たき火:                 2,124件*¹(-181件)

*¹()は、平成27年度との件数差

 

《平成29年》

  1. 放火 :3,528件+放火の疑い:2,305件=5,833件
  2. タバコ:       〃       =3,712件
  3. こんろ:       〃       =3,032件
  4. たき火:       〃       =2,857件

グラフにすると図1なります。

 

【図1 平成27年~平成29年「火事発生件数」】

図1からも、平成28年は前年よりも低くなっていましたが平成29年は「タバコ」と「たき火」が3年間でもっとも増加しています。

特に、たき火による火災が顕著に増加しています。

 

逆に、「放火」と「こんろ」による火災は減少しています。

【図2 火災原因】

図2を見ていただければ分かりますが、放火の疑いも含めれば全体の37%を超えています。

少し減ったとはいえ、「放火が多すぎる」という結果になっています。

放火に関する詳しい記事はこちらで紹介しています。

H29年の東京消防庁の発表 ~放火される危険な条件と対策は?~

それでは、火災が一番多い場所は「自宅」なのでしょうか?

 

どんなところで火災は起こっているの?

総出火件数は、平成27年度:39,111件・平成28年度:36,831件・平成29年度:39,373件

つまり、3年間でもっとも高い数値になっています。

《平成28年度》

  1. 住宅火災      :11,354件*¹(-743件)
  2. その他火災     :10,685件*¹(-831件)
  3. 建物火災(住宅以外) :9,637件  *¹(-463件)
  4. 車両火災      :4,053件  *¹(-135件)
  5. 林野火災      :1,027件  *¹(-79件)
  6. 船舶火災      :72件   *¹(-25件)
  7. 航空機火災     :3件   *¹(-4件)

 

《平成29年》

  1. 住宅火災      :11,408件
  2. その他火災     :12,783件
  3. 建物火災(住宅以外):9,957件  
  4. 車両火災      :3,863件  
  5. 林野火災      :1,284件  
  6. 船舶火災      :72件   
  7. 航空機火災     :6件   

 

「火災場所」の平成27年~平成29年をグラフにすると図3になります。

図3 火災発生場所

図3から「建物火災」に「住宅火災」を含めると、3年とも2万件を超えています。

 

つまり、図4からみても分かるように火災の発生場所としては、「建物火災」が全体の半分以上を占めています。

図4 平成28年度の火災発生場所

 

自宅で火事が発生したら?

図1~4を見ても分かるように、住宅火災は自分で気をつければいいだけでなく「放火」の危険性もはらんでいることが事実としてあります。

そして、賃貸に住んでいるなら自分だけが気をつけていても火事の危険性はさらに高くなります。

また、火災が1日100件以上は発生していることを考えると、なんらかの対策をしておく十分な根拠になるでしょう。

あなたは、火元を消すまでの猶予がどれくらいあるか知っていますか?

 

初期消火が基本!

昔のような木造建築なら、全焼するのにたったの20分程度です。

そして、天井に火が回るまでに消火ができなければ個人の消火は難しくなります。

出火してから、時間にして約2分しかありません。

そのため、発生原因として2番目に多いタバコの場合、もし寝たばこをしたのなら火災に気付いたときには逃げることを考える時間しかありません。

 

最近の耐火建物なら大丈夫と思う人がいるかもしれませんが注意が必要!

木造建築に比べると「空気の流通が少ないのでダラダラと燃え煙がたくさん出る」という特徴があります。

火が燃え移る時間を稼ぐことはできますが、煙がたくさん出てきます。

そのため、今度は煙に巻かれないようにすることが大事になります。

ただ、フラッシュオーバーという現象がおこることもあり初期消火に失敗した場合はただちに逃げる必要があります。

*フラッシュオーバー
火災により、屋内に可燃性ガスが蓄積。→急激に燃えだし多量の熱・煙・ガスを放出し急激に火災が拡大していく現象。

 

個人でできることは?

個人で消火活動ができるのは、初期消火の約2分間(天井に火が回るまで)です。

個人でできることはかなり限られます・・・

 

初期消火の3原則

  • 早く知らせる(近隣に知らせる・119番など)
  • 早く消火する
  • 速く逃げる(火があなたの背の高さまで迫ってきたら)

早く消火するには・・・

 

①カーテンや襖・障子は火の通り道

最近は、襖や障子は少ないですがカーテンは防火使用でしょうか?

もし、水などでは消えずカーテンに火が燃え上がったら引きちぎってすぐに消火しないといけません。

襖や障子は蹴り倒して脚で踏んでてとにかく火を消すことが重要になります。

→無理なら非難。

 

②天ぷらなどで、油鍋が燃えてしまったら元栓を閉めて濡らしたバスタオルで空気を数分間遮断

→水を直接かけると、火が激しくなります。消せそうになければ非難。

*石油ストーブなどから火が出た場合も同様に濡らしたバスタオルで覆います)

 

③電気器具から火災が発生した場合はブレーカーを落とすかコンセントを抜く

→火が消せなければ非難。

 

④たき火(風が強い火や乾燥しているときはNG)

水をかける。ほうきなどでたたいて消すといった方法があります。

ただ、火の粉が飛ぶと周囲に一気に燃え広がることもありかなり注意が必要です。

→水は必ず準備しておく。

*例えば、京都市ではたき火をする場合、「京都市火災予防条例」により事前に消防署への届け出が必要になります。各自治体に確認する必要があります。


消化器があればいいですが、ない場合が多いのではないでしょうか?

もちろんあれば消化器を使って下さい。

屋内で消化器を使うときは、退路先を確認してから(薬剤で周りが見えなくなるため)4m程はなれて火元にかけるのが基本です!

いざというときのために、消化器の場所を把握しておいた方がいいでしょう。

 

まとめ

  • 火災原因は、圧倒的に放火が多い。
  • 住宅火災だけで火災全体の約1/3をしめている。
  • 個人で対応できる火事は、初期消火の約2分間。

参考

総務省消防庁
https://www.fdma.go.jp/pressrelease/statistics/

Maizuru City Fire Department
https://www.maizuru119.com/ansin3.html

 

 

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