災害時に避難所での雑魚寝は超危険! ~「ダンボール」が命綱に!?~

 

ダンボール箱といえば、どこのお家でもたくさんあるのではないでしょうか?

かくいう我が家にもかなりたくさんあります。もしなかったとしても、購入しなくてもスーパーでいらなくなったダンボールをもらうこともできますよね。

そんなどこにでもあるダンボールがなぜ震災時に重宝されるのでしょうか?

今回は、「ダンボールの実力」についてご紹介します。

 

そもそもダンボールってなに?

一般的なダンボールは、3重構造になっています。

「ライナ」と呼ばれるボール紙真ん中の波の部分「フルート」がセットになっています。

ダンボール紙の断面図

❶表ライナ

➋フルート

❸裏ライナ

これらを糊で貼り合わせた物が「ダンボール」と呼ばれます。

そして、ダンボールによって強度はまったく違います。

「C(ジュート)ライナ」と「K(クラフト)ライナ」

  • 「Cライナ」は、古紙を多く含む(90%以上)ため強度が弱い
  • 「Kライナ」は、バージンパルプの割合が多く(古紙含有率は50%以上)、強度も価格も上がります。

つまり、ダンボールの強度は古紙を多く含むほど強度が落ちることになります。そのため、Cライナ→Kライナの方が強度が強くなります。

 

ダンボールの種類

ダンボールの波の部分のことを「フルート」と呼びます。ダンボールの波の高さによってダンボールは区別されています。

それでは、ダンボールのフルート=高さ(ダンボールの厚み)によってどんな特徴があるのか代表的な物を見ていきましょう。

①Aフルート

  • 厚さ約5mmダンボール
  • 段が高いので緩衝性(柔らかさ)があり、垂直方向への加圧に強いため例えば箱の積み上げにも強い。

*一般的な外装箱や保管用に一番多く使われています。

②Bフルート

  • 厚さ約3mmダンボール
  • 段が低いため、平面的な衝撃に強い。

*軽い物の配送用や内装箱に多く使われています。

③Wフルート(ABフルート)

  • 厚さ約8mmダンボール
  • Aフルート(5mm)とBフルート(3mm)を貼り合わせることで強度がある。

*重い物や海外発送用などに使われています。

④Eフルート

  • 厚さ約1.5mmダンボール。
  • 強度がないため、発送箱には不向き。
  • ギフト箱や個装箱によく使われ、他にもメール便等に使われています。

他にもフルートにはさまざまな種類があります。

ダンボールの強度

ここまで、ダンボールの3重構造となっている「ライナ」と「フルート」について見てきました。つまり、ダンボールの強度は・・・

  • 「ライナ(ボール紙)の材質」
  • 「フルート(波の部分)」の高さ(ダンボールの厚さ)

によってダンボールの強度が変わり、それにより用途もさまざまだということが分かりました。そして、ダンボールは用途によって使い分けることで、効果を発揮することができます。

それでは、震災時に使われる「ダンボール」とはどういった物なのでしょうか?

 

震災時の簡易ベット「ダンボールベット」ってなに?

と、その前にそもそも避難所といえば例えば体育館を想像するのではないでしょうか?

これまでは、床に雑魚寝が当たり前でしたがそれでは命に関わる場合があります。

  • エコノミークラス症候群・・・手足を伸ばすことができず血栓ができ肺動脈などに詰まると最悪、死にいたります。
  • 呼吸器系の障害・・・床との高さがないため、埃などを直接吸い込み気管支喘息などになる恐れがあります。

など雑魚寝ではそもそも問題があります。

つまり、簡易ベットが必要不可欠となります。そんななか、注目されたのがダンボールベットです。

それでは、ダンボールベット「暖段はこベット」を例に紹介します。

暖段はこベット

  1. ワンタッチ式でガムテープも必要なし。
  2. 内箱を24個作る。
  3. 1つの箱(蓋付き「ろ」の字の枠)に4個ずつ入れる。
  4. 3.を6箱作る。
  5. ベットの設置場所に4.で作ったダンボール箱を設置する。
  6. 段ボール6箱の上にダンボールでできた天板を載せて完了。

というわけで、最初に箱をたくさん作るので慣れるまでは大変そうですが最大で1時間1,000床も作れるそうです。100床ではないですよ。1,000床です!

*ガムテープが必要なダンボールベットもあるようですが、どちらにしても単純作業で完成できます。

ダンボールベットの特徴は?

被災者にとってのメリット

  1. ダンボールは、空気の層でできているので暖かい。
  2. 余震の揺れや歩行者の振動を伝えにくい。
  3. いびきや咳などの騒音も和らげてくれる。
  4. 昼間はイス替わりになる。
  5. ダンボールベットの中身は収納になる。
  6. 仮説住宅への引っ越しのときは収納ボックスとしても持ち運びができる。
  7. ダンボールベットの多くは耐水性が兼ね備えられているため、浸水があってもすぐに乾かせば再び使える。

運営側(自治体など)のメリット

  1. 丈夫で簡単には壊れない。(均等加重で、約9トンまで耐える)
  2. コストが安い。
  3. 軽くて組み立てが簡単。
  4. 大量生産ができる。
  5. 処分が簡単(リサイクル資源)
  6. *リードタイムが3日(備蓄不要)

*リードタイムとは、発注から納品までに要する時間のことです。

このように、メリットが数多くありエコで使いやすいため最高の簡易ベットだったります。

 

個人でダンボールを使ってベットを作るときの注意点

ダンボールは、そもそもカビや害虫の発生しやすい環境になっています。また、個人で適当にダンボールをもらってくる場合は、そのダンボールが汚れているかもしれません。

なにより、ダンボールはそもそも水に弱いです。

「ダンボールベット」として新品で売られているダンボールとはそもそも違います。

もし、ダンボールベットを個人で作ろうと考えているなら組み立てセットを購入された方がいいかもしれません。

ちなみに、ダンボールベットは例えばこちらで販売されています。

暖段はこベット

*パーテーションあり+枕付きで9,480円です。思ったより高い?安い?

ちなみに、楽天市場などでも販売されているので興味のある方は確認してみて下さい。

実際に災害現場でも使われています。(この簡易ベットの設計図は「全段連」に提供されているとのことで、同じタイプのダンボールベットを将来、災害時私達がお世話になるかもしれません)

 

最後に

「身近な物が困ったときに命綱になる」という見本となったのが、今回紹介した「ダンボール」です。

「南海トラフ巨大地震が30年以内に発生する確率が80%!」とテレビでも取り上げられています。ただ、液体ミルク建物の耐震性など、地震に対する備えは日々進んでいます。

震災は想定外がつき物です。個人レベルでも震災の準備は少しずつ始めて行くしかないでしょう。まずは、避難所の確認や防災アプリを使い慣れるなど、あなたができるところから始めて見てはいかがでしょうか。


参考

ニューパックドットコム
http://www.new-pack.com/guide/strength.html

段ボール箱工房
https://www.taiyoushiki.com/products/type

JPACKS
http://jpacks.co.jp/archives/471

 

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