親の判断では休めない! 学校の感染症対策と「出席停止扱い」とは?

 

新型コロナウイルスの影響で休校が続いていましたが、徐々に解除されすでに始まっている学校もあります。

ただ、親としては「熱が出たら?」「学校ではどんなことに気をつけているの?」そんな不安があるのではないでしょうか?

今回は、そんな「学校(小・中・高・発達支援学校等)のコロナ対策」について、その一部分(「出席停止扱い」や「学校内での感染症対策」について)を文部科学省のQ&Aからご紹介します。

 

文部科学省「Q&A」の回答とは?

そもそも、「令和2年度における小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等」について,各学校に令和2年3月 24 日付けですでに通知が送られていました。

その中では、「学校再開に向けて」について3月 26 日付けで教育活動の再開等に関するQ&Aも示されていました。

ところが、緊急事態宣言の対象が全国に拡大してしまい、最終的には令和2年5月13日時点の最新版としてQ&Aは更新されることになりました。

その結果、今回紹介する「新型コロナウイルス感染症に対応した小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等に関するQ&Aの送付について(5月13日時点)」として更新されています。

それでは、学校でどういった対応がなされるのか見ていきましょう。

 

全部で「101項目」の質問!

大きく分けると、「学校再開について」と「臨時休業の実施について」の2つの質問に分けられています。

それでは、本題の学校を運営するために必要な「学校再開についてのQ&A」を見ていきましょう。

 

Ⅰ.学校再開について(Q1~58)

学校再開について一番に気になることは、なんと言っても「大勢いる子ども達の健康管理はどうするのか?」ですよね。

実際、質問にも「保健等に関すること(Q1~23)」が最初の項目にきています。

 

どんな対策をするの?

よく言われる3密(密閉・密集・密室)は、そもそも「その1つ1つの条件が発生しないようにすること」が注意事項としてあげられています。

その前提で、「手洗いや咳エチケットといった基本的な感染症対策」「学校医・学校薬剤師と連携した保健管理体制の整備など」が実施されていくことになります。

 

「手洗いや咳エチケットといった基本的な感染症対策」?

とはいえ、あまりに頻回に大勢の子ども達に手洗いや消毒を何度も強要することは、現実的ではありません。

経済面で言えば、「これまで以上に大量に使うであろう消毒液を誰がどういった予算で引張ってくるのか?」という問題もありますが・・・

ただ、それ以前に真面目に消毒をしてきた人は分かると思いますが、消毒は手荒れの原因になり続けるほど、「痒み」や「肌荒れ」に悩むことになります。

つまり、消毒をあまりに頻回に続けてしまうと、そもそも別の問題が出てきてしまいます。

さて、そんな消毒に対して文部科学省では、手指のアルコール消毒のタイミングはこのように考えられています。

流水で手洗いができない場合は、アルコールを含んだ手指消毒薬を使用することが考えられている。

つまり、「基本的な感染症対策」は、流水と石鹸を使った手洗いが中心で・・・

❶外から教室に入ったとき
➋トイレ後
❸給食の前後

など、こういったタイミングでこまめな手洗いが励行されることになります。その際の注意事項としては、ハンカチなどは個人持ちになるため、共有することはない点です。

*もしも、石鹸やアルコールに過敏に反応することや手荒れの心配がある場合は、流水でしっかり洗うなど配慮することが文部科学省からも求められている。

それでは、保健管理体制はどのように実施されていくのでしょうか?

 

「保健管理体制」は各家庭との協力が不可欠!

もちろん、学校医等との連携は必要ですが、子ども達はそもそも家庭で生活しています。そのため、各家庭の協力が必要不可欠になっています。

  • 毎朝の検温
  • 風邪症状の確認

家庭で確認できなかった場合は、登校時に教室へ入る前に、保健室や職員室等に来室するように指導が求められます。

そして、いざ発熱等の風邪症状が学校で見られれば、保護者に連絡して「自宅休養」となります。

ただし、指導要録上は「欠席日数」とせずに、「出席停止・忌引等の日数」として記録されることになります。

*「出席停止や忌引き扱い」になることで、学校を休んでも「欠席扱い」にはならない。

それでは、保護者の要望で「休ませたい!」と相談した場合、聞き届けられるのでしょうか?

 

学校は保護者の意向で休ませられる?

大前提として、医療的ケアが必要な子ども達がいます。

そういった子ども達の中には、基礎疾患等で重症化のリスクが高いケースもあるため、主治医や学校医等に相談の上、個別に登校の判断がされることになります。


それでは、それ以外の子ども達の場合、学校側はどういった対応をとるのでしょうか?

  1. 保護者から欠席させたい理由を確認
  2. 学校の方針を保護者に説明

ただし、例えば『「感染経路の分からない患者が急激に増加している」など、感染の可能性が高まっている合理的な理由があると校長が判断した場合は、指導要録上「出席停止・忌引き等の日数」として記録し、欠席とはしない場合もありうる』とされています。

最終的には、主治医や学校医等に相談の上、個別に登校の判断が決められることになります。

*どちらにしても、親の判断だけで決めることはできないため、主治医や学校との相談の上で決められることになり、最終的には親の冷静な判断が求められることになります。

 

最後に

学校の感染症対策は、先生達の負担が大きくなることは言うまでもありません。

例えば、消毒1つとっても、多くの生徒達が手を触れるドアノブ・手すり・スイッチなどは、1日1回以上消毒液を使用して清掃を行うことが求められています。

学校に、どれだけの手すりやスイッチなどがあるのか分かりませんが、それを毎日となると忙しい先生達がどれだけ対応できるか疑問が残ります。

教室なら、清掃時間に子ども達に掃除の一貫としてお願いできるかもしれませんが、そんな場所ばかりではないでしょう。

ちなみに、毎日新聞によるとマスクの着用については、学校での体育の授業ではスポーツ庁が5月21日「児童生徒の距離を2メートル以上確保」「屋外で実施が望ましい」と通知され、体育の授業中は呼吸困難や熱中症リスクのため「マスク着用は必要ない」とされました。

それ以外の学校教育活動では、通常マスクを着用することが徹底されることになります。

そのため、今後はさらに夏場のマスク着用が課題となっていきます。

*今回、紹介したものはQ&Aのほんの一部分でしかありません。さらに詳しく知りたい方は、冒頭の「文部科学省「Q&A」の回答とは?」にあるリンクを確認ください。

→文部科学省はまた、マニュアルとして「学校の新しい生活様式」を発表しています。

文部科学賞が発表した「学校の新しい生活様式」については次回ご紹介します。

 

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