●この記事では、「国際電話と詐欺手法」について説明しています。
皆さんは、国際番号についてどこまでご存じでしょうか?
「海外に知り合いがいないから自分には関係ない!」と思っていませんか?
被害は日本だけではないのですが、実は存在しない国番号からの電話が急増していることが問題になっています。
今回は、「遠くて近い海外からの怪しい電話」についてご紹介します。
そもそも「国番号」ってなに?
皆さんは、自分の携帯からでも海外へ連絡できることをご存じでしょうか?
ただ、そのためには「国番号」が必要になります。
例えば、「国際電話などで海外から日本の電話番号へ連絡するとき」や「海外とのやり取りで日本の電話番号を伝えるとき」は、日本の国番号を付けて伝える必要があります。
例えば、日本の国番号は「+81」となっています。
→「080-1234-5678」に海外から電話をかけるときは、「+8180-1234-5678」となる。(先頭の「0」がなくなる)
*ちなみに、「Twitter」や「インスタグラム」などで電話番号を登録するときは、国選択で日本を選択すると「+81」が表示されるが、そのまま「080-1234-5678」を入力する。
そんな国際電話ですが、「多額な料金が請求される!」なんて言われますよね・・・
国際電話は負担が大きい!?
ソフトバンクでは、海外電話について以下のように注意喚起されています。
まず大前提として、日本から「海外事業者の携帯電話」・「一般電話へ電話」をかけた場合は、「国際電話」の扱いとなります。
ところで、「国際電話は高額になる!」と言われますよね。
それでは、国際電話では料金がどのように変わるのでしょうか?
「国内電話」と「国際電話」
みなさんが持っているスマホは、「080」か「090」から始まる番号になっているのではないでしょうか?
この番号へは、発信者側のみに料金がかかることになります。
ところが、国際電話の場合は発信者にも着信者にも電話料金がかかることになります。
例えば、無料通話アプリでネット回線を使用していることで、発信者・着信者の両方にデータ通信量がかかますが、同じようにお互いに料金が発生します。
ところで、その電話料金ですが電話をする国によって料金が大きく変わります。
国際電話の料金は全く違う!
もしも、海外に電話をしようと考えているなら、基本的には「国番号と料金」の確認をする必要があります。
ソフトバンクを確認すると・・・
- アメリカ本土:国番号「1」 →30秒ごとに39円
- アルゼンチン:国番号「54」 →30秒ごとに149円
- パプアニューギニア:国番号「675」→30秒ごとに249円
などなど、連絡先によって金額には雲泥の差があります。
そして、着信側にもそれぞれの契約内容によって異なりますが、料金が発生することになります。
ちなみに、携帯キャリアによって違いがありますが・・・
- au:「010→国番号→相手先の電話番号」で、手軽に国際電話がかけられます。
- ソフトバンク:「0046→010→国番号→相手先番号」の順に入力。
*ソフトバンクの「0046(ソフトバンクの事業者識別番号)」は、「+」や「010」の省略番号。
→ソフトバンクでは、「+」または「010」→国番号→相手先の電話番号でもつながる。
このように、基本は「010」や「+」を入力してから国際番号を入力して、相手先の連絡先を入力することで、国際電話ができてしまいます。
ところが、この国際電話で必須になる国番号ですが、なぜか存在しない国番号からの電話が急増しています。
存在しない国番号!?
そもそも、海外からの電話は「+(国番号)- 相手の電話番号(先頭の0を除く)」の形式でかかってくるため、表示を見れば「海外からの電話!?」と一目で分かります。
これは、例えばSMSでの連絡の場合でも「+81」など、国番号が先頭について届くこともあります。
ただし、「高額な通話料金の請求」・「詐欺や犯罪に巻き込まれる」といった危険性があるため、基本的に身に覚えがなければ、かけ直しなどをしてはいけません。
それでは、存在しない国番号とはどういうことなのでしょうか?
2019年頃からSNSで報告され始めた
結論から先に言えば、「身に覚えのない海外からの電話」や「存在しない国番号からの電話」は、詐欺手口の1つとして、悪用されています。
今回紹介している「存在しない国番号からの電話」は、電話をとると中国語のアナウンスが流れてくるようです。
しかも、「中国大使館」や「公安」を名乗り、留守番電話に折り返しの連絡を要求するメッセージを残すケースが多いようです。
とはいえ、そもそも中国語で留守電にメッセージを残されたとしても、私も含めてどれだけの人がその意味を理解できるかは疑問が残ります。
ただ、すでに秋田県で「武漢にマスクを送ったのは犯罪」として、400万円以上騙して振り込ませた事件が発生しているようです。(日本在住の中国人を狙った犯行と考えられている)
それでは、そんなに簡単に番号を偽造することができてしまうのでしょうか?
電話表示を自由に偽造できる?
そもそも、本来なら海外への電話では発信者の国番号が明記されるはずですよね。
ところが、どういうわけか「存在しない国番号」が表示されて、あなたの電話に突然かかってくることになります。
2020年11月22日:東洋経済の記事によると、これは「発信者IDスプーフィング(Caller ID spoofing)」という手法が考えられています。
スプーイングは、英語で「なりすまし」という意味です。
この手法を使うことで、発信地・発信番号のどちらも偽って相手のディスプレイに表示させることができてしまっていることが指摘されています。
ただ、電話のディスプレイ表示を自由に替えられるとすれば、例えば友人からの電話番号表示が偽電話の可能性まであります。
ちなみに、自動音声に答えるアンケートなどに悪用されれば、簡単にランダムで個人情報が盗まれる可能性まで指摘されています。
もしも、ある日突然、実在する弁護士の電話番号や警察の番号から連絡があれば、誰もが信じてしまう可能性があるのではないでしょうか?
今のところは、「中国人を対象にした犯罪?」という認識ですが、振り込め詐欺などに悪用されれば「電話」をはじめ、さまざまな連絡手段の多くが、危機的状況に追い込まれる危険性を秘めています。
最後に
以前、動画が証拠にならない「ディープフェイク」についてご紹介しました。
これは、顔をほとんど違和感なく他人と入れ替えることができてしまうため、かなり危険な技術ですがすでにアプリまであります。
→「ディープフェイク」については、こちらの記事で紹介しています。
そして、今回の「番号表示の偽造」も、そのまま情報を安易に受け入れてはいけない詐欺手法の1つです。
「人は見た目が9割」なんて言われますが、私達はすでに知らない間に毎日のように騙され続けているのかもしれません。
個人でできることは少ないですが、例えばディープフェイクの動画なら「調べずにTwitter拡散!」などはやめて下さいね・・・
リツイートだけでも、罰せられる可能性があります。
そして、今回のように存在しない国番号から連絡があった場合は、「身に覚えのない海外からの電話は、でない・折り返さない!」を徹底するしかないでしょう。
特に、子ども達は国際電話が着信者側にも料金がかかることを知らないのではないでしょうか?
*ちなみに、登録不要で世界16ヶ国へ国際通話料無料でかけることができる「TOHO無料国際電話」もある。
事件に巻き込まれないためにも、おかしな連絡は取らないようにご注意下さい。
参考
au
→https://www.au.com/support/faq/detail/23/a00000000323/
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