忘年会に人生をかけることになる? 例年とはリスクが全く違う!?

 

この記事では、「コロナ禍の忘年会で責任を負う可能性」について説明しています。

 

今年も残りわずかとなり、しばらくすると忘年会シーズンに入りますよね。

ところで、今年は新型コロナウイルスの影響で安易に忘年会をすると、大変なことになるかもしれません。

今回は、「忘年会の危険性と自治体の対策」について紹介します。

 

「労働契約法」と「安全配慮義務」!

今年は、忘年会をいつものようにお店で開いてしまうと、罰せられる危険性が格段に上がっています。

その理由は、結論から先に言えば「安全配慮義務違反」に関わってくるためです。

 

さて、労働者には労働契約に関する主な制度が2つあります。

  1. 労働基準法:違反があった場合は、労働基準監督署において是正の監督指導等を行うもの
  2. 労働契約法:労使間のトラブルを防止するために、民事上のルールが定められている。

 

そして、「安全配慮義務義務」労働契約法5条が根拠になっています。

第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

これが、安全配慮義務違反の根拠になっています。

それでは結局、「安全配慮義務」はどこまで守らないといけないのでしょうか?

 

「安全配慮義務」の範囲は広範囲!?

そもそも、安全配慮義務は「民法の基本的な原則から発展」した会社側の義務です。

まず、勘違いしてはいけないことは「結果的に、労働者がケガや病気がなければそれでいい!」というものではありません。

そうならないために、「快適な職場環境が保たれるように最善の努力をする」これが大前提の義務です。

つまり、結果だけでなくそもそもの対策過程が重要視されることになります。

安全配慮義務=労働者の安全に配慮する義務。

それでは、安全配慮義務違反と忘年会について見ていきましょう。

gfs_mizuta / Pixabay

 

忘年会で安全配慮義務違反?

そもそも、会社側の義務違反となる場合は、コロナへの感染との因果関係が認められる必要があります。

安全配慮義務違反は以下の3つが判断基準になっています。

  1. 会社側が事故を予想できたか?(予想できたと判断できる状況か?)
  2. 会社側が起きた事故を回避できる可能性はないか?
  3. 会社側の安全配慮義務違反が欠けていたことと事故の因果関係はないか?

この1~3のどれかが疑われると、企業は不利な立場に追い込まれることになります。

→ちなみに、後述しますが安全配慮義務違反により罰則が課される法的根拠は、「債務不履行」・「不法行為」・「使用者責任」この3つの民法


例えば、厚生労働省などがさまざまな注意喚起を出していますが、会社がそれに従わなければ義務違反になることは想像できるのではないでしょうか?

 

農林水産省・厚生労働省・消費者庁では、「おいしく、楽しく、安全に外食するときのお願い」として注意喚起がなされています。

  1. 食事の前には手洗い・うがい
  2. 咳エチケット
  3. 会話を控える
  4. お酌や回しのみを控える
  5. 食事中以外はマスク着用
  6. 3密回避(混雑する時間帯を避けるなど)

つまり、これまで通りの忘年会は、そもそもこういった注意喚起を無視することになります。

もしも、いつも通りの忘年会をした結果クラスターが発生となれば、安全配慮義務違反の可能性が高くなります。

しかも、その責任は会社だけではありません。

 

主導者に責任が!?

安全配慮義務違反

例えば・・・

❶例年通り「会社」や「上司」が強制参加・自由参加に問わず、忘年会を企画・実施したとします。

そんな忘年会でクラスターが発生したとなれば、会社は安全配慮義務違反となり感染した社員に対して損害賠償を負う可能性があります。

 

民法415条:債務不履行による損害賠償

債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。

 

不法行為責任

さらに・・・

一般社員が企画・実施した場合も責任が生じます。

もしも、先程の国などからの注意喚起を無視するなど、予防措置が不十分な状態で忘年会を実施し、感染が明るみになった場合は、企画・実施した一般社員は感染した社員に対して不法行為責任を負う可能性があります。

 

民法第709条:不正行為による損害賠償

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

ところで、「一般社員が企画・実施した場合も同じ」とお伝えしましたが、これは「社員にも同じように何かしらの責任がかかる」という意味だけではありません。

 

使用者責任

実は・・・

❸社員だけの問題ではなく、会社側にも使用者責任が問われる可能性まであります。

 

民法第715条:使用者等の責任

ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

*ちなみに、感染した社員の家族にも感染し重症化などすれば、そちらへの損害賠償を負う可能性もある。


このように、社員が気軽に忘年会を実施して感染が発覚すれば、社員だけの問題ではなく会社やその家族など周囲に影響が広がっていきます。

当然、感染した家族が働いていれば仕事を休まないといけなくなりますし、感染した子どもが幼稚園や学校などに通っていれば、そこでクラスターが発生する可能性もあります。

早い話し自分がクラスターを発生させた張本人となる可能性が高くなるのが「忘年会」ということになります。

Free-Photos / Pixabay

 

とはいえ、今のところ「忘年会」や「飲み会」は禁止されていませんよね。それでは、自治体ではどういった忘年会などの外食の方法が示されているのでしょうか?

 

忘年会(飲み会)のマナーとは?

京都府の場合

京都府では、「きょうと5(ファイブ)ルール」の徹底が示されています。

  1. 大人数は避ける
  2. 2時間でお開き
  3. 深夜は控える
  4. ガイドライン遵守店舗を利用
  5. 「こことろ」でチェックイン

*「こことろ」は、スマホアプリで新型コロナウイルスの感染者が確認された際、接触の可能性のある人にメールを送信し、相談を促すサービスのこと。

他にも、「大声で会話しない」・「大皿は避けて料理は個々」・「回し飲みはしない」・「対面ではなく横並びに座る」といった対策が示されています。

 

山形県 南陽市の場合

  • 風邪症状のない4~5人くらいまでの少人数で行いましょう。
  • 飲み会の前には、石鹸等で手洗いをしっかりしましょう。また、トイレで席に立った際など、こまめに手を洗いましょう。
  • 食事を注文するときは、なるべく一人ひとりの盛りつけをしてもらいましょう。
  • 大皿の時は、銘々皿を用意してもらい、最初に人数分に取り分けてしまいましょう。(食器や箸、トングなどの共有はやめましょう。)
  • できれば対面で座らず横に並んで座りましょう。対面の場合は、互い違いにするなどできる限り席の間隔をあけましょう。
  • 静かに話しましょう。
  • 咳エチケットをきっちり守りましょう。
  • こめまな換気を行いましょう。
  • 返盃や回し飲みやつぎ合いはダメです。
  • 飲酒はほどほどに。ルールが守れなくなるまで飲まない。

さて、とりあえず2つの自治体で示されている忘年会(飲み会)マナーについて紹介しましたが、南陽市の方がさらに細かく対策が示されていますよね。

なにが言いたいかといえば、各自治体で忘年会(飲み会)対策が少しずつ違う点です。

少なくとも、忘年会をするなら最低限、自分たちが住んでいる自治体が発表している忘年会(飲み会)マナーを確認して遵守しないと、「安全配慮義務違反」・「使用者責任」・「不法行為責任」を負う可能性が高くなるかもしれません。

 

最後に

「例年通りの忘年会で、まさか人生に関わるような危機に陥る可能性がある!?」なんて、誰も考えたことはなかったのではないでしょうか?

これまでなら、例えば忘年会後の飲酒運転に注意しなくてはいけませんでした。ところが、今年はそもそも忘年会(飲み会)をすること自体にリスクがあります。

自分や会社の将来をかけてまで忘年会(飲み会)をする必要はないと思いますが、「第三波」とマスコミで感染者数の増加が煽り気味に連日報道されています。

指示に従わないと、残念ながら責任を問われる可能性が高くなるでしょう。

どうしても、忘年会をしたいなら最低限、各自治体の注意喚起に従った上で、自分たちが考えられる感染対策をしながら、実施する必要があるでしょう。

当然、会社に黙ってやることは控えた方がいいでしょう・・・

逆に、もしも安全に忘年会ができる対策を世間に示すことができれば、会社のアピールになるかもしれません。

ただ、こういった対策を実施したものが「忘年会」と呼べるかどうかはまた別の話です。

どちらにしても、現状把握ができている会社が生き残っていくことができることは、これからも変わりません。

そして何かあれば最後は、裁判所の判決に従うことになります。


参考

yahoo ニュース!:出席指示怖い…「忘年会クラスター」発生で会社や上司の法的責任はどうなる?
https://news.yahoo.co.jp/articles/171d3a514aaa7ed539e9d5df6537466906dbfd05

産業医トータルサポート:安全配慮義務とは?違反しないために企業が取り組むべき必須ポイント徹底解説
https://m3c-kenkokeiei.com/blog/safe-01

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です