電話で特殊詐欺対策? データベースで迷惑電話を自動判断!?

 

皆さんは、特殊詐欺についてどれくらいご存じでしょうか?

中には、「自分は騙されない!」と考えている人もいるでしょう。

ただ、現実問題として相当な被害額が出ています。

今回は、「特殊詐欺の2020年1月~8月の現状と優良防犯電話」についてご紹介します。

 

そもそも「特殊詐欺」ってなに?

特殊詐欺は、被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させ、指定した預金口座への振り込みその他の方法により、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪のことです。

本来、詐欺は被害者と対面して行われていました。

そういう意味で、確かに特殊詐欺は対面せずに詐欺行為を行うため「特殊な詐欺」ということになりますが、今では特殊ではなくむしろ一般的な詐欺になっています・・・

さて、「特殊詐欺」といっても、様々な種類があります。

 

特殊詐欺の10類型

警察庁より

2020年1月1から、特殊詐欺は10類型に分類されています。

 

❶オレオレ詐欺

親族・警察官・弁護士等を装い、親族が起こした事件・事故に対する示談金等を名目にだまし取る(脅し取る)もの。

 

 

➋預貯金詐欺

親族・警察官・銀行協会職員等を装い、あなたの口座が犯罪に悪用されており、キャッシュカードの交換手続きが必要であるなどの名目で、「キャッシュカード」・「クレジットカード」・「預貯金」等をだまし取る(脅し取る)もの。

 

 

❸架空料金請求詐欺

未払いの料金があるなど架空の事実を口実とし、金銭等をだまし取る(脅し取る)もの。

 

 

❹還付金詐欺

税金還付等に必要な手続きを装って被害者にATMを操作させ、口座間送金により財産上の不法の利益を得る電子計算機使用詐欺事件または詐欺事件のこと。

 

 

❺融資保証金詐欺

実際には融資しないにも関わらず、融資を申し込んできた物に対し、保証金等の名目で金銭をだまし取る(脅し取る)もの。

 

 

❻金融商品詐欺

架空または価値の乏しい未公開株・社債等の有価証券・外国通貨・高価な物品等に関する虚偽の情報を提供し、購入すれば利益が得られるものと誤信させ、その購入名目等で金銭をだまし取る(脅し取る)ものをいう。

→これら金融商品に対して、購入意思のない被害者に名義貸しをさせた後、名義貸しをしたことによるトラブル解決名目等で金銭等をだまし取る(脅し取る)ものも含む。

 

 

❼ギャンブル詐欺

不特定多数の者が購入する雑誌に「パチンコ打ち子募集等」と掲載したり、不特定多数の者に対して同内容のメールを送信する等し、これに応じて会員登録等を申し込んできた被害者に対して会員登録料や情報料等の名目で金銭等をだまし取る(脅し取る)もの。

 

 

❽交際あっせん詐欺

不特定多数の者が購入する雑誌に「女性紹介」等と掲載したり、不特定多数の者に対して「女性紹介」等を記載したメールを送付するなどし、これに応じて女性の紹介等を求めてきた被害者に対して会員登録料や保証金等の名目で金銭等をだまし取る(脅し取る)もの。

 

 

❾その他の特殊詐欺

上記特殊詐欺の類型に、該当しない特殊詐欺

 

 

❿キャッシュカード詐欺盗

警察官・銀行協会・大手百貨店等の職員を装って被害者に電話をかけ、「キャッシュカードが不正に利用されている」等の名目により、キャッシュカード等を準備させた上で、好きを見るなどし、キャッシュカード等を搾取するもの。


このように10類型に分類されていますが、「その他」があることから分かるように、主流ではない手口があることが見てとれます。

そして、すでに2020年1月~8月までの特殊詐欺の認知・検挙状況についても公表されています。

 

特殊詐欺の現状は?

2020年1月~8月では毎月、全国で1,000件前後が確認されています。

→最も少なかった1月:999件・最も多かった3月:1,342件

 

被害額はなんと、17,389,150,087円なっています。(170億円以上の被害額が、すでにでている)

ちなみに、2019年の1月~8月では被害額が20,901,459,482円です。

つまり、2020年は2019年よりも約30億円被害が少なかったことになります。

このように、特殊詐欺は種類も多く、被害額もとんでもないことになっています。

さて、特殊詐欺が深刻な状態になっていることは、これまで説明してきた通りです。それでは、特殊詐欺に対応するために作られた「優良防犯電話」をご存じでしょうか?

 

「優良防犯電話」とは?

「優良防犯電話」というのは、優良迷惑電話防止機器のことで、全国防犯協会連合会が推奨している事業でもあります。

→平成29年4月から「優良迷惑電話防止機器推進事業」が開始。

それでは、この「優良防犯電話」とはいったいなんなのでしょうか?

 

どんな機能があるの?

優良迷惑電話防止機器推奨規程 第4条

 

❶電話機または、電話機に容易に取付けられる外付け機器。

  • 電話の着信時に、電話の相手方に警告音声を発する機能。
  • 通話中に自動的に通話内容を録音する機能。
  • 迷惑電話番号からの電話を自動判別し、着信拒否・着信ランプ等で警告表示する機能。

 

➋耐久性を有し、正常に作動するもの。

 

❸高齢者が操作しやすいもの。


これが、「優良防犯電話推奨の基準」となっています。

ところで、「迷惑電話番号からの電話を自動判別」とありますが、どうしてこんなことができるのでしょうか?

 

 

自動判別!?

実は、警察や自治体等から提供された迷惑電話番号のデータベース(迷惑電話データベース)があり、着信拒否を判別するための電話番号が随時蓄積されています。

このデータベースから電話番号を判別しています。

迷惑電話番号データベース登録件数は、約25,000件。(毎日更新)

*優良防犯電話に認められた機器には、「優良迷惑電話防止機器シール」が貼付されている。

このように、優良防犯電話は「迷惑電話防止機能のある電話機への交換」または、「外付け機器を接続」することで使用することができるようになります。

 

最後に

今回は、高齢者のための特殊詐欺対策についてご紹介しました。

電話から始まる特殊詐欺には、「優良防犯電話」が確かに効果があるでしょう。

ただ、特殊詐欺は電話からとは限りません。

ちなみに、スマホでもワイモバイルの「かんたんスマホ」が、振り込め詐欺対策機能の標準搭載され、スマホとして初めて「優良防犯電話」に認定されています。

こういった取組もあり、電話での特殊詐欺が減少していくことが期待されています。

ですが、手口は1つではありません。

どんな対策も対策され、また新しい手口として「⚪⚪詐欺」として、ニュースを賑わすことになるでしょう。

高齢者が狙われやすい傾向がありますが、必ずしもそうとは限りません。

ネットが普及したことで、かえって全ての人が注意しないといけない時代となりました。「自分だけは騙されない!」それは、幻想でしかありません。

どんな詐欺があるのか、一度事例を調べて見ることをお勧めします。


参考

「特殊詐欺等対策 優良迷惑電話防止機器(優良防犯電話)」
http://www.bohan.or.jp/suishou/pdf/tel_gijyutu.pdf

 

 

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