ステロイドは種類によって副作用も違う!? ~勘違いしていませんか?~

 

子育てをしていると、子どもの皮膚疾患などでステロイドを処方されることがありませんか?

ステロイドといえば、「強い薬・副作用が怖い」などさまざまなことが言われます。

今回は、そんな「ステロイド=怖い?」について調べてみました。

 

そもそもステロイドってなに?

ステロイドは、私達の身体の中に数多くあるホルモンの1つ、「ステロイドホルモン」を基礎にして作られた医薬品です。

ステロイドは「副腎皮質ホルモン」を科学的に作った薬。

*副腎皮質ホルモンは、ストレスがかかったときに副腎からつくられ糖や脂肪の代謝系の調節や免疫系の調節をする必要不可欠なホルモン。

そんなステロイドは、強力な抗炎症作用・抗アレルギー作用があるため、さまざまな治療に使われています。

そのため、ステロイドと一言でいっても「強さ」や「剤形(ざいけい:用途に応じた形)」が異なります。

つまり、現実問題として「ステロイド=怖い」というのは、こういったことを考えずにごちゃ混ぜにしてしまっていることが1つの原因だと考えられます。

 

ステロイドの強さは5段階!

ステロイドの強さは、5段階に分かれています。ただ、皮膚は体の場所によって厚さが異なりますよね。つまり、同じような症状だったとしても塗る場所によって、同じ薬でも薬の強さが違ってきます。

 

《皮膚が薄い箇所》

  • 脇の下
  • 外陰部
  • 足の関節の内側

など。

→こういった場所は、弱めのステロイドでも効果がある。

 

《皮膚が厚い箇所》

  • 胴体

など。

→こういった箇所は、強めのステロイド剤が使われます。

ステロイドは、皮膚が薄いほど吸収がいいですが、副作用も現れやすいため「塗布する場所・年齢・症状」によって使い分けられています。

「手のひら」や「足の裏」は、体の中で最も皮膚が分厚いため最強ランクのステロイド剤が使われやすくなる。乳幼児に関しては、大人と比べてそもそも全体的に皮膚が薄いため弱い薬が使われる。

sinisamaric1 / Pixabay

 

副作用とは?

ステロイド外用剤の副作用は長期間使うことで・・・

  • 皮膚が萎縮して薄くなる。
  • 皮膚が赤くなる。
  • 皮膚の感染症にかかりやすくなる。

こういった副作用が引き起こされることがあります。

ただ、副作用を恐れて少なめに塗ると、量が不足して薬が効かずかえって長引くこともあります。

→皮膚をキレイにしてから薄く塗布するのが基本。

→指示された量・回数を守って使用します。

まちがっても、全身に塗るようなことはしないで下さいね。(例えば、「顔用」・「からだ用」にわけて処方されたなら、その指示に従う)

さて、ここまでは塗り薬のステロイドについてです。

ただ、ステロイドは服用する場合もありますよね。

 

飲み薬としてのステロイド

炎症やアレルギーを抑える効果があるため、さまざまな病気に使用されています。

  • 膠原病(関節リウマチ・全身性エリテマトーデスなど)
  • 気管支喘息
  • 肺炎
  • 腎臓病
  • 皮膚病
  • アレルギー疾患

など、多岐にわたります。

それでは、飲み薬としてのステロイドの副作用はどういったものがあるのでしょうか?

qimono / Pixabay

 

副作用

《飲み始めから気をつける副作用》

  • 高血糖
  • 高血圧
  • 胃腸の症状
  • 不眠
  • 体重増加
  • 眼圧上昇(緑内障の悪化)

 

《数週以上飲み続けた場合の副作用》

  • 感染症 →帯状疱疹などにも注意。
  • 骨粗鬆症
  • コレストロール上昇・脂質異常症
  • 満月風貌(ムーンフェース)・肥満
  • 白内障(の進行)
  • 皮膚症状 →ニキビができやすくなる。

 

《その他》

副腎不全とステロイド離脱症候群

長期間ステロイドを服用することで、腎臓が萎縮してステロイドをつくる力が弱くなっていきます。この状態で内服を急にやめると体のなかのステロイドホルモンが不足してしまいます。

  • 倦怠感
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 下痢
  • 発熱
  • 血圧低下

といった症状が出現し、命に関わることもあります。

さて、飲み薬としての副作用はたくさんあります。とはいえ、大量に服用したとしても服用期間が数日~1・2週という短期間なら、副作用の心配はそれほどしなくてもいいようです。

小量でも、長期間飲み続ける場合は注意が必要。

→ステロイドの服用は、飲む量・飲む期間によって副作用がことなります。

さて、ここまでで気付いたことがありませんか?

 

ステロイドの誤解

❶先程紹介したように、ステロイドの内服や注射で治療を続けた時に突然中止すると、病気以外に全身的な強い症状が現れることがあります。これを、「リバウンド」とも呼ばれます。

→例えば、ステロイドの塗り薬の使用法が適切でないと症状が悪くなることもありますが、これを「リバウンド」とはいいません。

➋ステロイドを長期間服用することで骨粗鬆症になることはあっても、塗り薬で骨に影響が出ることはほとんどありません。

❸ステロイドの塗り薬は皮膚に蓄積することはありません。

❹ステロイドの塗り薬を使用して、皮膚が黒くなることはありません。炎症の跡が一時的に黒くなっているだけで、時間が経てば薄くなります。

このように、「服用」と「塗り薬」の副作用がごちゃ混ぜになっている。また、「ステロイド=副作用が強い」というイメージが先行してしまい、他の原因もステロイドが原因だと勘違いしてしまう。

このように、ステロイドは広範囲に使用できるため、風評被害ともいえることが実際に起こっているようです。

naobim / Pixabay

 

最後に

ステロイドは、確かにさまざまな服用作用が引き起こされます。

ですが、忘れてはいけないことがあります。

それは、あなたが使用しようとしているステロイドを「医師の指示通りに使えているかどうか」です。

  • ステロイドの不必要な長期使用
  • 軟膏タイプなら、塗布する場所によって使い分けが必要。
  • 副作用がでても、副作用を少なくするなど対策を立てることができる。

こういった基本的な知識があれば、余った薬を適当に使用することがなくなるでしょう。

何かしらの困った症状があるなら、自己判断で薬を使わずに一度受診することが必要です。次回は、薬の捨て方についてご紹介します。


参考

副腎皮質ホルモンの副作用
https://hachioji.tokyo-med.ac.jp/wp-content/uploads/2019/08/steroid20190815.pdf

バイエル薬品株式会社
https://pharma-navi.bayer.jp/nexavar/patient/common/qa_hfs04/24.php

南東北 薬局だより
http://www.minamitohoku.or.jp/up/news/druginfomation/druginformation75.htm

ステロイド外用剤の作用の強弱による分類表
http://www.okiyaku.or.jp/pdf/suteroido.pdf

 

 

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