出入国管理法(入管法)が改正され、2019年4月から外国人労働者がどんどん日本に入ってくることが想定されています。
ということは・・・
これからは海外の人達と就職争いをするの?
と不安に思うこともあるかと思います。
現在働いている日本人が優秀な外国人人材が入ってきてリストラされる?
企業は営利企業ですので、儲けをだしてくれる人材を大事にすることは目に見えています。
あなたは、外国人労働者に勝つことができますか?
そして、子ども達は外国人労働者に勝つことができるのか?
これからのことを考えると不安はつきません。
今回は、そんな企業が外国人労働者を雇うリスクについて紹介します。
企業が外国人を雇入れるためには?
そもそも、企業は外国人労働者を誰かれかまわず雇うことはできません。
なぜなら、日本に在留する外国人は「在留資格の範囲」や「在留期間」がそれぞれ異なるからです。
企業としては、外国人労働者に対して・・・
- 在留資格にある範囲内の活動しかさせることができません。
- 在留期間が過ぎていないか確認しないといけません。
→在留カードや外国人登録証明書などで確認できます。
もしも怠ると・・・
- 会社に警察が突然踏み込んできて雇っていた外国人労働者を不法就労で検挙。
- 在留期間が過ぎていて外国人労働者が強制送還。
- 外国人雇用状況の届け出をしないと罰金が発生。
なんてことになります。
外国人雇用状況の届け出
外国人雇用状況届出書とは、外国人労働者の雇用状況を把握し外国人労働者の雇用の安定を含めた地域の労働力需給の適正な調整及び外国人労働者に対する適切な雇用管理の促進を図ることを目的としています。
つまり、外国人労働者の就労状況を管理するためになくてはならないものになります。
これは、すべての事業主の義務。
雇入れ・離職の際にも必要です。
→届け出を怠ると、30万円以下の罰金が科せられます。
在留資格
現行では、在留資格は27種類あります。
そのうち・・・
就労に制限がない在留資格(かなり限られています)
①永住者・・・活動範囲に制限がなく、在留期限も無制限。(日本にとって有用な人物であることなど、審査がかなり厳しい)
②日本人の配偶者等
③永住者の配偶者等
④定住者・・・在留期間が決まっており更新手続きが必要。
→日本人や永住者と結婚するほうが現実的かもしれません。
就労が認められない在留資格
①文化活動
②短期滞在
③留学
④就学
⑤研修
⑥家族滞在
→これらの在留資格の場合は基本的には働くことができません。
認められた範囲に限って就労できる在留資格
①外交 ②公用 ③教授 ④芸術 ⑤宗教 ⑥報道 ⑦投資・経営 ⑧法律・会計業務 ⑨医療
⑩研究 ⑪教育 ⑫技術 ⑬企業内転勤 ⑭人文知識・国際業務 ⑮興行 ⑯技能 ⑰特定活動
→17職種に細かく分類されています。
在留期間が切れている、認められていない職種で働いているといった外国人労働者は不労就労とみなされます。
そんな外国人を雇用・斡旋した場合は、入管法により3年以下の懲役、または300万円以下の罰金に処せられます。
外国人労働者を雇入れることは、このように企業にとっもリスクがあります。罰金や懲役刑になるため、「知らなかった」ではすみません。
また、ニュースで「外国人に不労就労をさせていた企業」なんて報道されたらたまったものではありません。
これで少し知ったつもりでいると大変なことになります。
そうです。法律は変わります。
2019年4月から改正出入国管理法がスタート
これまでは、単純労働は認められていませんでした。それは、日本人の雇用が奪われるといった理由があったためです。しかし、これからは可能になるかもしれません。
というのも、今回の改正ではあらたに2種類の在留資格が認められるためです。
①特定技能1号・・・相当程度の知識または経験がある者。(在留期限は5年・家族帯同:×)
②特定技能2号・・・試験に合格した者。→熟練者と認められる。(在留期限は更新制・家族帯同:⚪)
特定技能の種類
①外食 ②宿泊 ③介護 ④ビルクリーニング業 ⑤農業 ⑥漁業 ⑦飲食料品製造業
⑧素形材産業⑨産業機械製造業 ⑩電気・電子情報関連産業 ⑪建設業 ⑫造船・舶用工業
⑬自動車整備業 ⑭航空業
→14種類の業種が検討されています。
*単純労働・・・専門的な知識や技術を必要とせず、短期間の訓練で行うことが可能な単純な労働。
→工場作業などがこれにあたりますが、熟練した技術が必要な現場もあるため一概に単純労働と呼べない部分もあります。
外国人労働者の人権はどうなるの?
現行の制度でも、健康保険や厚生年金保険、雇用保険そして労災保険はいずれも外国人労働者も対象となっています。
そして、企業には加入させる義務があります。
にもかかわらず、最低賃金以下で働かせていた企業が7割近くあったことがニュースでも取り沙汰されていました。賃金すらまともに払わない企業が、外国人労働者に保険加入を促していたとは到底思えません。
それどころか、「賃金が高い給料を求めて勝手に逃げ出した」とされていたので目も当てられません。
また日本で働く以上、外国人労働者には責任が発生します。
例えば税金です。
所得税や住民税、消費税など外国人労働者も同じように支払わなければいけません。
日本の細かい税金について、どれだけの外国人が「なぜ払わないといけないのか」を理解できるか分かりません。
外国人は日本人のように泣き寝入りしないことも・・・
- 外国人労働者に残業の割増料金を支払わないでいると裁判沙汰になった。
- 雇入れの時に労働条件を説明したが十分ではなく今になって、「聞いていない」と言われてもめる。
母国語の文章でどれだけ説明できるかにかかってきますが、言葉が違う以上すべてを完璧に伝えることは不可能です。
→外国人労働者が母国に帰ったときに各国で国際問題になる可能性もあります。
あなたの職場は大丈夫?
人材確保のための改正入管法ですが、企業の受け入れ体制がどこまで整っているかは不明です。例えば、明日から外国人労働者があなたの部下・同僚になっても問題ないか想像してみて下さい。
- 操作手順は機会を見れば分かると思っていたが理解しておらず事故が発生した。
- 通訳をしてくれていたリーダーが体調不良を我慢し続け突然倒れた。
- けが人が続出し放っておいたら、外国人の間で「ひどい職場」と噂になり募集をかけても誰も来なくなった。
こんなことが起こる可能性はありませんか?
課題が山積していますが、もう目の前まで外国人労働者の波が迫ってきています。
まとめ
- 企業にとっても外国人労働者を雇うことにはリスクがある。
- 外国人労働者は在留資格で認められた業種でしか就労できない。
- 外国人労働者の人権がどこまで守られるか不透明。
参考
厚生労働省:東京労働局
→https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/yokuaru_goshitsumon/gaikokujinkoyou/Q1.html
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