「りんご病」という病気をご存じでしょうか?
たいていは子どもがかかるのですが、2018年10月頃から増え始め近年でもっとも高い水準になっています。
今回は、かわいい名前からは想像も付かない「りんご病の危険性」について紹介します。
りんご病ってなに?
りんご病とは、ウイルス性(ヒトパルボウイルスB19)による感染症です。
伝染性紅斑とも呼ばれ、赤い発疹が現れます。子どもが感染するとほっぺたがリンゴのように赤くなることがあります。
子どもの場合は、両頬・両足・両手の赤みや痒み程度の軽い症状がほとんどです。本人は元気いっぱいだったりします。
*りんご病は、風邪のように飛沫感染や接触感染により感染します。
*一度感染すると、一生涯の免疫を獲得できると考えられています。
大人がりんご病になったらどうなるの?
まず、これまでに感染したことがなければ大人にもりんご病は感染します。
大人が感染すると、発熱・頭痛・筋肉痛・関節痛や指のむくみなど子どもとは違う症状がたくさん現れます。
例えば、おたふく風邪も大人になってかかると重症化しやすくなるといいますがりんご病もまさに同じことがいえます。
さて、ここからが本題です。
子育てをしていれば、子どもから病気をもらうことは日常茶飯事
りんご病に感染しやすいのは子ども。
子育てをしていれば、子どもと同じお箸やスプーンを使うことも珍しくないと思います。
ですが先程伝えたように、りんご病は飛沫感染や接触感染です。
つまり、唾液からも感染します。
仮に子どもがりんご病にかかったとしても、いつも通り元気なのでお母さんが気付いたときにはすでに遅いです。
というのも、子どもに紅斑が出現する頃には病気は終息しています。症状がでる1週間程前に感染力がもっとも強くなっているからです。
簡単なイメージとしては、元気いっぱいの子どもが無自覚・無症状のままりんご病をまき散らしてしまっているイメージになります。防ぎようがないですよね・・・
私も年末に別の病気で子どもから病気をもらって年始早々1日寝込みましたが、子育てをしていれば仕方がありません。
妊婦さんが感染すると・・・
ですが、妊娠中の女性が感染すると大変です。
二人目を妊娠中のお母さんは特に注意が必要になります。
妊婦さんが初感染した場合は、約20%でウイルスが胎盤を通過し胎児感染を引き起こします。そして、そのうちさらに20%に胎児貧血や胎児水腫を引き起こします。
→りんご病が「流産」や「死産」の原因になっていることが明らかなため注意喚起がなされています。
*右写真のように、子どもと同じ物を食べることも感染のリスクにつながります。
胎児貧血
日本胎児治療グループより引用→https://fetusjapan.jp/method/method-99
経過観察しながら胎児の成熟を待つか、早期に分娩をおこなって新生児に輸血をふくむ集中治療をするかのいずれかになります。しかし胎児貧血は一般に進行性のため、経過観察により病状は悪化することが多く、また早期の分娩では未熟性による問題が生じます。
治療方法は、上記の日本胎児治療グルームのHPに写真付で掲載されています。
胎児水腫
胎児の皮膚だけでなく、お腹や胸の中あるいは心臓の周囲に液体がたまっている、まさしく「水ぶくれ」の状態です。(発生頻度は0.6%程度で、かなりめずらしい病気です)
胎児は心不全の状態になっていることが多く、予後は一般的によくありません。
りんご病は要注意!
- りんご病に対するワクチンはありません。
- 予防は、風邪対策と同じで手洗いやマスクを付ける。人混みは避けるぐらいしかありません。
りんご病というカワイイ名前ですが、誰にも知られず広まり大人がかかると重症化。妊婦さんがかかると胎児に甚大な影響を与えるかなり恐ろしい病気です。
妊娠初期が特に注意が必要です。
手洗いうがいとマスクをして、感染症の予防には十分ご注意下さい。
子どもからの感染が多いため、通学・下校時間帯は外出を避けた方がいいでしょう・・・
まとめ
- 大人のりんご病が流行している。
- 子どもにはほとんど影響ないが大人が感染すると重篤になりやすい。
- 紅斑が出てくる頃には感染力はなくなっている。(紅斑がでる1週間程前がもっとも感染力が高い)
- 妊婦が感染すると胎児に重篤な症状が現れる可能性がある。
参考
プライムニュースデイズ
→https://www.fnn.jp/posts/00408870HDK
Medical Note
→https://medicalnote.jp/diseases/%E3%82%8A%E3%82%93%E3%81%94%E7%97%85
船内クリニック
→http://www.funauchi.org/info/322.html
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