「波浪」と「津波」~同じ波でも予報(注意報や警報)の意味は違います!~

 

天気予報をみていると、「波浪警報」と「津波警報」がそれそれ使われていることをみたことがありませんか?

2つの違いを知っていれば防災にも役立ちます。

今回は、波浪と津波の違いから「波浪による予報」と「津波による予報」の違いについてご紹介します。

 

波浪ってなに?

そもそも波浪というのは、海上で吹いている風によって生じる波のことです。

*「海上」といいましたが、湖や池でも風が吹けば波浪は発生します。

つまり、「台風など強い風が発生したときに発表される」ものが波浪による注意報です。

 

波浪(はろう)による予報段階

波浪注意報

高波による遭難や沿岸施設の被害など、災害が発生する恐れがあると予想したときに発表されます。

波浪警報

高波による遭難や沿岸施設の被害など、重大な災害が発生する恐れがあると予想したときに発表されます。

波浪特別警報

数十年に一度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により高波になると予想される場合に発表されます。

 

波浪注意報は危険なの?

さて、特別警報は「数十年に一度」とあるとおりほぼ確実に被害がでると予想できます。

警報の場合も、「重大な災害が発生する」とあるとおり、危険なことが分かります。

注意報や警報といった警報レベルの見方についてはこちらの記事で紹介しています。

注意報はなにもしなくていいの?~予報の見方と避難段階とは~


さて、上記の記事でも書いていますが注意報は避難準備をする段階です。

「注意報が危険!」というよりは、これからくるかもしれない「警報」や「特別警報」に注意するための指標です。

そして、避難に時間がかかる人は注意報で避難しなくてはいけない段階です。

*注意報は、「安全なうちに避難して下さい」という目安になります。

ただし、次に説明する「津波」は同じ注意報でも危険レベルが違います!

 

津波ってなに?

地震が起きると、震源付近では地面が持ち上がったり押し下がったりと動きます。

この断層の動き(地震)が海底下で発生。海底面の上下の変化は、海水全体を動かし海面も上下に変化します。この海水の変化が周りに波として広がる現象を「津波」といいます。

つまり、地震により発生するのが津波です。

 

津波による予報段階

津波注意報

予想される津波の高さが高いところで、0.2m以上で1m以下。(津波による災害のおそれがある)

→海の中では人は速い流れに巻き込まれる。(海中の人は、一刻も早く海から出て海岸から離れるレベル)

養殖いかだの流出・小型船舶が転覆

*巨大地震の発表時は特に表記なし

 

津波警報

予想される津波の高さが高いところで、1mを越え3m以下。

→人は津波による流れに巻き込まれる。(沿岸部や川沿いにいる人は、ただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難)

→標高の低い所では津波が襲い、浸水が発生。

*巨大地震の発表時は「高い」と表記されます。

 

大津波警報

大津波警報は、津波の特別警報として位置付けられています。

予想される津波の高さが高いところで、3mを越える。(5m・10m・10m越えの3段階)

→人は、津波による流れに巻き込まれる。(沿岸部や川沿いにいる人は、ただちに高台・避難ビルなど安全な場所へ避難)

→木造家屋が全壊・流出。

*巨大地震の発表時は「巨大」と表記されます。→緊急事態を意味し、すぐに逃げる!

 

波浪注意報と津波注意報の違い

そもそも発生の仕方が違う!

  • 台風など強い風で発生した波→波浪
  • 地震で発生した波     →津波

波浪注意報は、あくまで避難準備という段階です。

ですが、津波に関する予報は注意報の段階で命の危険があります。


注意報(海中)→警報(川沿いや沿岸)→警報(内陸)といった具合に、被害が拡大していくことを意味しています。

つまり、津波注意報が出た時点で逃げる必要がでてきます。

これが、波浪注意報と津波注意報の大きな違いだといえます。

もっといえば、「台風などの強風による災害」と「地震による災害」との大きな違いだともいえます。

 

最後に

台風は、いつ来るかがリアルタイムで分かります。

ですが、地震の予測はまだまだ難しいことが現状です。

確かに、緊急地震速報で数秒前に大きな地震(震度6弱以上)がくることはある程度分かるようになりました。

ですが、台風の⚪hPaといったように具体的な地震の大きさ(マグニチュードなど)は分かりません。

せっかくの情報ですので、正しく受け取りたいですね。

マグニチュードに関しては、こちらの記事で紹介しています。

地震大国日本! ~地震情報マグニチュードを知れば地震の規模が分かる!?~

今回の記事から、まずは津波注意報は他の注意報とは危険レベルが違うことを知ってもらえれば幸いです。

 

まとめ

  • 波浪と津波では発生の仕方が違う。
  • 波浪注意報と津波注意報では危険レベルが大きく違う。
  • 大津波警報が、特別警報に位置付けられている。(注意:津波特別警報といったものはない!)

参考

気象庁
https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/joho/tsunamiinfo.html

 

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