特別警報での避難はすでに手遅れ!? 特別警報の警戒レベルとは?

 

みなさんは、「特別警報」という言葉はご存じかと思います。

2015年8月30日から運用が始まり、これまで台風だけでなく集中豪雨でも何度か発表されているので、誰もが1度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

それでは、特別警報の中身についてどれだけご存じですか?

今回は、「知らないと命に関わる特別警報」についてご紹介します。

 

特別警報ってなに?

そもそも特別警報は、これまで最高で警報までしかなく避難レベルを適切に伝えることができなかったため、2015年に新設された予報です。

これは、地震発生時の震度階級でも同じことがいえます。

例えば、震度階級は震度7が最高レベルでそれ以上はどんなに大きな地震がきても青天井(震度7)になってしまいます。そこで、地震の場合はマグニチュードで地震の大きさを知ることができます。

震度についてはこちらの記事で紹介しています。

震度0が震度階級の始まり!~震度5以上は建物や地盤に実害がでるレベル!?~

 

同じように、気象予報はこれまで「警報」が最高レベルだったため、どんなに緊急事態だったとしても多くの人が、「まあ、大丈夫だろう」と適切な避難行動に繋がりにくいという欠点がありました。

実際、東日本大震災での大津波や平成23年の台風12号で発生した大雨災害など、気象庁は重大な災害の「呼びかけ」はしたものの、「警報」以上の知らせようがないために適切な避難勧告に結びつけることができませんでした。

そこで、創設されたのが特別警報です。

特別警報が創設された経緯をみただけでも、実際に特別警報が発表されたときの危険度が伝わるのではないでしょうか。

それでは、実際にどういったときに「特別警報」は発表されるのでしょうか?

 

特別警報が発表されたそのとき

雨を要因とする特別警報の指標

①大雨特別警報

  • 台風や集中豪雨により数十年に1度の降雨量となる大雨が予想。
  • 数十年に1度の強風の台風や同程度の温帯低気圧により大雨になると予想。

どちらか一方が当てはまる場合に発表されます。

【「雨を要因とする特別警報の指標」が発表される条件】

❶48時間降水量及び土壌雨量指数(降った雨が地下の土壌中に貯まっている数値)が、50年に一度の値以上となった5km格子(四方に区切った領域)が、共に府県程度の広がりの範囲ないで50格子以上出現。

➋3時間降水量及び土壌雨量指標において、50年に1度の値以上となった5km格子が共に府県程度の広がりの範囲内で10倍以上出現(ただし、3時間降水量が150mm以上となった格子のみをカウント対象とする→ゲリラ豪雨が3時間続くようなイメージ

❶➋のどちらかを満たすと予想され、かつ更に雨が降り続くと予想される場合に発表されます。

 

台風等を要因とする特別警報の指標

①大雨特別警報

  • 数十年に1度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により、大雨になると予想される場合。

②暴風特別警報

  • 数十年に1度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により、暴風が吹くと予想される場合。

③高潮特別警報

  • 数十年に1度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により、高潮になると予想される場合。

④波浪特別警報

  • 数十年に1度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により、高波になると予想される場合。

⑤暴風雪特別警報

  • 数十年に1度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により、雪を伴う暴風が吹くと予想される場合。

【「台風等を要因とする特別警報の指標」が発表される条件】

中心気圧930hpa以下または最大風速50m/s以上の台風(伊勢湾台風級)や同程度の温帯低気圧が来襲する場合に、特別警報が発表されます。

→この台風の大きさ(数値)を知っているだけで、これからは早めに避難準備もできます。

(沖縄地方・奄美地方・小笠原諸島については、中心気圧910hpa以下または最大風速60m/s以上)

 

雪を要因とする特別警報の指標

⑥大雪特別警報

  • 数十年に1度の降雪量となる大雪が予想される場合。

とあります。

【「雪を要因とする特別警報の指標」が発表される条件】

府県程度の広がりをもって50年に1度の積雪深となり、その後も警報級の降雪が丸一日程度以上続くと予想される場合に、大雪特別警報を発表します。

 

特別警報の特徴

  • 数十年に1度の予想。
  • 実際に発表されるのは、50年に一度の数値となりその後も続くと予想された場合(台風の場合は、⚪hpa以下・最大風速⚪m/s以上となっているので分かりやすい)
  • 「雨」・「台風」・「雪」の3つの指標に分かれている。
  • 大雨特別警報は、「雨」と「台風」の2つの指標がある。
  • 「特別警報」と名前がつくのは6種類。

これが特別警報の特徴となります。

そして、特別警報は「警報で逃げ遅れた人が避難」するレベルです。

ただ、特別警報で避難するということは「ゲリラ豪雨」や「積雪が深すぎる」・「暴風が吹き荒れる」といった状態での避難も場合によっては覚悟する必要があります。

→現実的には、すでに外に出れないレベルになっている可能性があります。

警報の時点で避難してくださいね・・・

 

おまけ:特別警報と同じ位置付け(「特別警報」とは呼ばれないので注意!)

  1. 大津波警報・・・高いところで、3mを越える津波が予想される場合。
  2. 噴火警戒(レベル4以上)・・・居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が予想される場合。
  3. 緊急地震速報(警報)・・・震度6弱以上の大きさの地震動が予想される場合。

特に、大津波警報は特別警報と同じ位置付けのため、発表されれば急いで高台など高い場所へ逃げる必要があります。

津波に関しては、こちらの記事で紹介しています。

「波浪」と「津波」~同じ波でも予報(注意報や警報)の意味は違います!~

 

まとめ

  • 特別警報は6種類+特別警報の位置付け3種類=9種類
  • 特別警報は3つの指標に分かれている。
  • 特別警報での避難は、すでに外出できないレベルになっている可能性がある。

参考

気象庁
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq28.html

 

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