・この記事では、「蚊の赤外線機能と犯行現場の証拠」についてお伝えしています。
「夏」と言えば、海!山!など遊びを連想する方が多のではないでしょうか?
夏休みなど大型連休もあるため、なおさらですよね。
ただ、夏に「痒み」を連想する人もいるでしょう。
かくいう私もその1人なんですが・・・
そんな夏に痒みを連想させる原因は、もちろん「蚊」ですよね。
今回は、「実は知らない蚊の実力」についてご紹介します。
蚊は血液のプロフェッショナル!?
蚊と言えば、いつの間にか私達の側に寄ってきて、知らないうちに血液を奪っていきますよね。
ただ、蚊の立場からすればこの血液を奪う行為は、トラップ満載の難攻不落のお城に攻め入るようなものです。
- 締め切られた部屋
- 蚊とり線香などの殺虫剤
- 気付かれれば潰される
など、つまり侵入するだけでも命がけの大仕事となります。
それでは、殺虫剤も使用されていない部屋に運良く侵入できた蚊は、どうやって素早く最適な血液を判断しているのでしょうか?
蚊がもつ近赤外線機能!?
私達は、蚊を見つけるとどうするでしょうか?
- 手で叩き潰す?
- 香取線香などを使用?
とにかく、蚊を退治しようと思うのではないでしょうか?
つまり、蚊にとってその場に留まることは、1分1秒を争うような状況です。
それでは、蚊はどうやって素早く最適な血液を瞬時に判断して吸血してくるのでしょうか?
漫画のような話しですが、実は蚊は飛びながら近赤外線カメラを通して皮膚の血管を造影しています。
もちろん、蚊が近赤外線カメラを持っているわけではなく「蚊の瞳に血液を造影する機能」があります。
近赤外線でなにができるの?
近赤外線は電磁波の一種で、人間がみることのできない光で、可視光より長い波長です。近赤外線は色や熱に対しての特徴はありませんが、物体に最も吸収されやすいです。又この近赤外線は太陽光にも含まれる安全な光です。この近赤外線を含む光を被写体に当てると、被写体(肌、水分、青果、医薬品、包装や電子部品)の物質の違いにより、光の反射や吸収する特徴の違いが画像として映ります。
さらに・・・
- 農産物の鮮度判定
- 食品の異物混入検査
- 医薬品成分分析
- 生体組織検査・観察を含めた医療分野等に応用
こういった最新の技術にも期待されています。
と言うことで、蚊からすれば私達の血液は一目で丸裸にされている状態だといえるでしょう。
そんな蚊に選ばれた血液は、とても価値のある物だといえます。
例えば・・・
- 血流が悪い
- 脂質
- ニコチンなどが多い
こういった血液には近づいてきません。血液の状態が見えているのですから、少しでも良い血液を選ぶのは当然ですよね。
蚊に刺されるのは嫌ですが、他の人が刺されているのに自分だけ刺されないなら、血液検査が必要かもしれません・・・
→蚊が血液を吸血巣のは産卵のためで、普段は花の蜜などが主食。
それでは最後に、蚊の血液の「思わぬ使い道」についてご紹介します。
犯行現場で見つかった蚊の血液が証拠に!?
ドラマなどで、犯人が証拠を隠すために指紋を消したり、靴跡を残さかったりといった方法がよく描かれていますよね。
実は、名古屋大学を中心としたグループが「蚊が吸った血液を使ってDNA鑑定をしたところ、吸血から2日後まで個人識別が可能だった」と、名古屋大学の研究チームが明らかにしました。
つまり、これからは夏の事件現場を飛ぶ蚊から、「犯人特定につながる証拠が得られるようになるかもしれない」ということになります。
2日までなら個人識別ができた!?
大日本除虫菊中央研究所などとの共同研究で卵から飼育された、「アカイエカ」と「ヒトスジシマカ」を使って一連の実験が実施されました。
対象となるヒトの血を吸った蚊は、設定された経過時間(0-72 時間)後に殺虫され、犯罪捜査でも使われているキットを使って、個人の判別に用いられている 16 ヶ所の DNA 配列を PCR 法で増幅されました。
その結果、吸血12時間後までは16ヶ所のほぼすべてで DNA 型が判別できました。その後、時間の経過とともに判別できる割合は減少。
そして、48 時間後までの減少の割合から、半日単位で経過時間を推定することが可能なことも分かりました。
ただ、72 時間後には、顕微鏡観察で蚊の腹部にあるほぼすべての血液が消化されているように見えることと同時に、PCRによるDNAの増幅反応も見られなくなりました。
最後に
蚊は、確かに嫌われ者ですが実はスゴイ機能を道具を使わずに能力としてもっています。
そして、蚊が吸血した血からまさかの犯罪現場でも有効活用できることが明らかになりました。
ちなみに、「蚊が絶滅するとどうなるか?」については、こちらのフェルミ研究所のyou tube動画で紹介されていますが、人間も全滅するようです・・・
どんな生き物も、基本的には自然を維持する存在として役割を担っているということでしょう。
人間の都合だけで、あまり毛嫌いしすぎるのも考え物かもしれませんね。
参考
かざすDNA研究所
→https://www.kazusa.or.jp/dna/worlds_dna_research/research-19/
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