そのNo.1広告表示は大丈夫? まさかこれも優良誤認!?

 

この記事では、「No.1表示の優良誤認」についてお伝えしています。

あなたは、広告を見て商品を購入することがあるのではないでしょうか?

もちろん、商品は「物」だけではないですよね。

例えば、子どもを塾に通わせたいときその学習塾はどうやって選んでいますか?

もしも、選んだ広告に「満足度No.1の実績」や「リピート率No.1」といった文言があれば、興味を引かれるのではないでしょうか?

今回は、そんな「No.1 広告の危険性」についてご紹介します。

 

そもそも「No.1 広告」ってなに?

街を歩いていても、広告チラシをみても、そこかしろに「No.1」と書かれた広告を何度も見たことがあるのではないでしょうか?

確かに、「No.1」と言うことは、他社に追従を許さない絶対的な強みとして商品を売り込みたい企業としてはこれ以上の宣伝文句はないですよね。

ところが、この「No.1」が右をみても左をみてもそこら中に宣伝文句として氾濫していればどうでしょうか?

普通に考えれば、No.1は一つだけですよね。

それ以下は、No.2・No.3となっていくはずです。

それでは、なぜ唯一無二のはずのNo.1はこんなにも溢れているのでしょうか?

 

そもそも、「No.1=優れている」ではない!?

私達消費者からすれば、No.1と謳われている以上、「少なくとも同じような商品の中では最も優れている」と考えるのではないでしょうか?

企業としては、当然ですが数ある商品の中から自社の商品を選んでもらう必要があるため、それが狙いだと言えるでしょう。

それでは、そもそも「No.1」と表示するためにはどうすればいいのでしょうか?

 

No.1の根拠は?

当然ですが、公正取引委員会で以下のように定められています。

(平成20年6月13日)No.1表示に関する実態調査について(概要)

No.1表示についての景品表示法上の考え方
 商品等の内容の優良性や取引条件の有利性を表すNo.1表示が合理的な根拠に基づかず,事実と異なる場合には,景品表示法上問題となる。

 

以前の記事でも紹介しましたが、日本には景品表示法があります。

「ステマ」で優良誤認? 景品表示法で違法になる場合とは!?

この法律により、「事業者の商品やサービスが、実際のもの等よりも著しく優良または有利であると一般消費者に誤認(優良誤認)させる物である場合には、不当景品類及び不当表示法(景品表示法)違反になり得る」ことになります。

ここでいう、優良誤認はもちろん「No.1」という景品表示になります。

それでは、具体的にどうすればNo.1と表示できるのでしょうか?

 

4つの視点とは?

そもそも、「望ましいNo.1表示」は・・・

  1. 商品等の範囲に関する表示
  2. 地理的範囲に関する表示
  3. 調査期間・時点に関する表示
  4. No.1表示の根拠となる調査の出典に関する表示

この4つの視点があります。

あなたは、騙されていませんか?

 

 

「1.商品等の範囲に関する表示」とは?

難しく書かれていますが、つまり私達消費者が、どこまでの範囲でその商品がNo.1なのか理解できるかどうかが鍵になります。

例えば、「お客様満足度○○部門No.1」と書かれた化粧水があったとします。

→「美肌部門」・「潤い部門」など、いろんな部門がありますよね・・・

 

この場合、普通なら化粧品全体の○○部門の中で最優秀。つまり、No.1に選ばれたと思いますよね。

ところが、実際は通信販売される化粧品の○○部門における調査結果というごく狭い範囲だったりします。

つまり、全体ではNo.1と名乗れなくても、範囲を狭めた調査結果ならNo.1と言えることになります。

問題は、例のようにその調査結果の範囲を越えて誤解させるような景品表示をしている場合です。

geralt / Pixabay

 

「2.地理的範囲に関する表示」とは?

さて、それでは2つ目の「地理的範囲」とはどういうことなのでしょうか?

そもそも、全ての人に調査は難しいですよね。

そのため、調査対象の地域を絞る必要があります。

そもそも、全国でNo.1はハードルが高いですが・・・

それでは、よく見る「施術件数実績地域No.1」・「地域No.1の合格実績」という表示は、どうでしょうか?

実は、これらの表示では肝心の「調査地域」がどこなのか分かりませんよね。つまり、明瞭ではない代表例となります・・・

→No.1表示の根拠となる調査結果に即して、調査対象となった地域を、都道府県・市町村等の行政区画に基づいて明瞭に表示する必要がある。

 

 

「3.調査期間・時点に関する表示」とは?

3つ目の表示は、「分かりやすい?」と思うかもしれませんが、騙されているかもしれません。

No.1表示は、直近の調査結果に基づいて表示するとともに、No.1表示の根拠となる調査の対象となった期間・時点を明瞭に表示する必要があります。


それでは、「○○販売数日本1位『△△雑誌』□年□月号より」(注:○○は商品の種類)という表示や、「オール電化住宅施工棟数5年連続○○県下No.1」という表示を見たことがあるのではないでしょうか?

実は、どちらも調査期間を明瞭に表示していません。

そもそも、「雑誌の◯年◯月号」と言われて「この期間の調査結果だ!」と分かる人は関わった編集者ですら難しいのではないでしょうか・・・

また、よく見かける「5年連続」という表示だけではいつから数えたものか分かりません。

消費者が勝手に直近の5年だと思い込むことになるでしょう。

geralt / Pixabay 

 

4.「No.1表示の根拠となる調査の出典に関する表示」

1~3を見てきたように、No.1広告には油断も隙もないことが分かったのではないでしょうか?

そして最後に、当然ですがNo.1の根拠となる証拠(データ)が必要になりますよね。

○ No.1表示の根拠となる調査の出典を具体的かつ明りょうに表示すること。

  •  例えば,ある調査会社が行った調査結果に基づくNo.1表示の場合には,調査会社名及び調査の名称を表示すること。

 

  •  調査の出典とともにその調査方法や調査結果について,表示物にホームページアドレスを記載するなどして,一般消費者が確認できるようにすることも一つの方法

 

  •  第三者が調査した既存のランク付け等を根拠にNo.1表示を行う場合には,当該調査が客観的に実証された根拠に基づくものかどうかを確認すること。

つまり、「どこの誰がそのNo.1の結果を出した」のか。そして、その「具体的な調査結果のデータが確認できること」が必要になります。

さて、ここまで見てきて、なぜNo.1表示が乱立しているか分かったのではないでしょうか?

なにより、No.1=優良ではないことも分かってきたのではないでしょうか?

単純な話し、どんな商品であってもNo.1の範囲を絞れば、合法的に最優秀賞を取ることができてしまう可能性があります。

例えば、限られた地域でアンケーを実施してお客様満足度No.1を獲得することはできそうですよね・・・

ちなみに、No.1広告で措置命令が下されている事例もあります。

 

家庭教師派遣事業者に措置命令

埼玉県消費生活課は2020年9月、家庭教師派遣会社ワン・ツー・ワンに措置命令

埼玉県は、令和2年9月14日、株式会社ワン・ツー・ワンに対し、同社が提供する家庭教師を派遣して行う学習指導の役務(以下「本件役務」という。)に係る取引について、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号優良誤認及び第2号有利誤認)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき措置命令を行いました。

同社は、自社のウェブサイトに「首都圏最大級の教師登録数7万名の豊富な人材を活用できるノーバスだからできるサービスです。」等と表示し、7万人の家庭教師の登録があるかのように表示していました。

しかし、実際には、7万人の家庭教師の登録はありませんでした。

 

命令の概要は以下のようになっています。

ア 景品表示法に違反する表示を行っていたことを一般消費者に周知徹底すること。

イ 再発防止策を講じて、これを従業員に周知徹底すること。

ウ 今後、同様の表示を行わないこと。

処分が甘い気もしますが・・・

ただ、家庭教師に限ったことではないですが、最も大事な信用が落ちることになります。

ちなみに、代表者の名前も公表されるためノーダメージとはいかないでしょう。

 

最後に

No.1表示はありふれてしまい、そこまでの価値はなくなってきているのではないでしょうか?

しかも、範囲を狭めれば優良誤認の危険もなく、No.1を表示することも可能でしょう。

特に、子どもに関することは慎重に選びたいですよね。

例にもあったような家庭教師をどうやって選択するのかはやはり広告だけでは不十分だと言えるでしょう。

実際には、ネットで口コミ、体験授業など方法はネットで調べることもできます。

広告には、基本的に良いことしか書かれていませんよね。

少なくとも、「No.1」というフレーズだけで決めないようにしたいですね。

 

 

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