ドライブレコーダーを確認! ~あなたのSDカードは大丈夫?~

 

皆さんの車には、ドライブレコーダーは装備されているでしょうか?

例えば、2016年に長野県軽井沢で起こった「軽井沢スキーバス事故」がきっかけとして、貸切りバス事業車には2019年12月1日から完全義務化になっています。

ただ、その他のトラックや一般車両などの車はまだ義務化になっていません。

そもそも、一般車両の車にまで装着を強制することは、プライバシーなど個人の権利が侵害される可能性が高いためなかなか進まないのかもしれません。

ただ、私の車にも装着していますが、ドライブレコーダーを装着している車は確実に普及しています。

ところで、実際にに録画されているか確かめたことはありますか?

今回は、「いざという時に使えない!?ドライブレコーダーの欠陥」についてご紹介します。

 

ドライブレコーダーも機能はさまざま!

前回の記事でも紹介していますが、「ドライブレコーダー」と一言でいっても「解像度」や「撮影範囲」、「明暗に影響されない」、「LED信号が撮影できる」など、機能はピンキリです。

 

「あおり運転とドライブレコーダー」についは、こちらの記事で紹介しています。

あおり運転対策は? ~対応と証拠能力~

 

つまり、ドライブレコーダーの機能は、証拠の1つになるかどうかに大きく関わってきます。

他にも、「衝撃時だけ作動」するタイプや、「常時録画」するタイプなどもあります。

もしも、こういったことを理解した上である程度のスペックがあるドライブレコーダーを購入したとします。

ですが、本来なら記録できていたはずの事故などの記録が、実際には記録されていないことがあるようです。

 

そもそも記録ができていない!?

ドライブレコーダーの記録媒体と言えば基本的に「SDカード」になりますが、このSDカードの異常によりそもそも記録できていないことが、国民生活センターにも相談がきているようです。

とはいえ、ドライブレコーダーはSDカードの異常を検出して、音や表示で知らせてくれることが普通です。

そして、そんなSDカードが作動しているかどうか確認する一番の方法は、実際にパソコンなどで録画を確認することになります。

*ちなみに、ドライブレコーダーで直接録画を確認できるタイプもある。

 

実際に確認!

というわけで、私も愛車のドライブレコーダーに装着してあるSDカードを引き抜いて確認してみました。

ただ、最初は再生することができませんでした・・・

実は、パソコンに付属してある「Media player」では確認することができない使用になっていたためです。

とはいえ、SDカードにセットアップ用のファイルがあったので、パソコンにインストールして解決しました。

 

さて、初めてドライブレコーダーの録画を確認しましたが、私が使用しているドライブレコーダーには、以下の特徴がありました。

  1. フロントガラスから前方の映像のみ
  2. 近づけば、前方の車体のナンバーが分かる
  3. 信号も判別可能
  4. 映像の拡大縮小はできないが、人の顔もある程度判別できる
  5. エンジンがかかっている間だけ録画される。
  6. 毎日往復で30分程運転しているが、2020年10月11日~16日までの6日間の録画が残っていた。

つまり、私の場合は1週間を待たずに以前の録画は全て上書きされていることが分かりました。

→少なくとも、180分前後(3時間程度)は録画できている。

ちなみに、車内の音声は全て録音されているため、鼻歌を歌えばそれもすべて録音されているため、恥ずかしい感じになりました・・・

運転中に歌っている方は、ご注意下さい。


さて私が使っているドライブレコーダーでは、「64GBのmicroSDカード」を使用していますが、映像がある程度はっきり映っています。

 

ただ・・・

  • 録画は前方のみ。(追突などされて逃げられたらドライブレコーダーからは分からない)
  • 駐車中は、電源が切れているため、車に何かあっても録画されない。
  • 6日以内に映像が消える。

こういった、注意点が分かりました。

ないに越したことはないですが、私の場合は「エンジンがかかっている状態」「正面衝突など前方での事故など」があれば、「6日以内」なら相手のナンバーなどを確かめることができることになります。

つまり、これが証拠の1つになります。

ところが、SDカードの異常によりこういった証拠が残らないことがあるようです。

 

SDカードが作動しない!?

国民生活センターでは、こんな事例が寄せられています。

当て逃げ事故に遭い、警察からドライブレコーダーの映像提供を求められたが、5カ月前から作動しておらず事故当時の映像が録画されていなかった。

これは、2018年5月の事例です。

警察官から、ドライブレコーダーの情報提供を求められて、SDカードに記録が残っていないことに運転者が初めて気付いた事例でもあります。

この事例からも分かるように相談事例の多くは、ドライブレコーダーの映像を確認した理由は、何かがあった時です。

ですが、録画されていないことに5ヶ月気付かなかったわけですから、なにもなければ最後まで確認しなかったのではないでしょうか?

それでは、そもそもどうしてSDカードに録画できていなかったのでしょうか?

国民生活センターでは、以下の報告がまとめられています。

 

SDカードの端子が損傷

一部の端子を絶縁状態にしたmicroSDカードを使用。

  • 全ての銘柄で異常を検出

→エラー表示のみのドライブレコーダーもあった。

SDカードが絶縁している場合は、ドライブレコーダーは異常を検知するため気付くことができる。

viarami / Pixabay

 

記録可能な領域が極端に少ない

記録可能な領域が極端に少ないSDカードを使用した場合、以下の結果が報告されています。

  • 録画を継続した銘柄もあるが、録画が正常に記録されないこともあった。
  • 異常を検出し、録画開始しない、または録画が停止された銘柄があった。
  • 初期化することで、正常に動作した銘柄があった。

SDカードのメンテナンスを怠ると、本来の性能が発揮できなくなる。

 

 

「空き領域」と「録画時間」

「SDカード」と一言でいっても、16GBや64GBなど容量が違いますよね。

ただ、同じ64GBでも録画時間はドライブレコーダーの機種などによっても変わります。

そして、もう一つ「不良セクタ」が大きくなることで記録可能な領域が減っていきます。

パソコンを使ったことがある人なら、「最適化」という言葉をご存じではないでしょうか?

パソコンをずっと使っていると、動作が重くなるなどして、パフォーマンスが低下していきます。その原因は、バラバラにデータが保存されることで生まれる隙間(空き領域)です。

最適化は、データを順序通りに並び替え、散らばっていた空き領域をまとめることで容量を戻す作業と言えるでしょう。

つまり、データが整理整頓されることで、容量の回復やパフォーマンスを戻す効果が期待できます。

さて、SDカードも同じで長期間メンテナンスを行わないことで、「経年劣化」「繰り返しの記録」などにより、正常な読み書きができない領域(不良セクタ)が大きくなっていきます。

記録できない領域(バラバラに点在する空き領域)が増えるため、録画時間が減少する原因になる。

 

読み書きできないSDカード

これが、最も注意が必要なSDカードと言えるでしょう。

そもそも、SDカードにはさまざまな仕様がありますが、例えば容量1つとっても大きすぎれば機器が作動しないことがあります。

他にも、SDカードの「スピードクラス」が影響します。

→動画撮影のように、一定の速度でカードに書き込む際に、必要な最低転送速度を表した規格のこと。(「CLASS2,4,6,10」があり、数字が大きいほど最低転送速度が速い)

つまり、それぞれのドライブレコーダーには、こういったSDカードの規格が定められていますが、守らないと最悪な結果が引き起こされる可能性があります。

 

 

最悪な結果

  • 「録画中」と表示されたが、記録されていないドライブレーコーダーがあった。
  • 起動時に「異常」が検出された。

さて、このSDカードは消費生活センターに相談があったドライブレコーダーに使用されていた「読み書きできないSDカード」でした。

このように、「録画中」と表示されているにも関わらず記録されていないことがあるため、映像を直接確認しないと本当に録画されているか分かりません。

 

ドライブレコーダーを確認したことがあるドライバーは意外と多い?

消費生活センターではネットアンケートにより、ドライブレコーダーを装着している18歳以上の男女2000人に実態調査が行なわれました。

その中で、ドライブレコーダーの映像を確認したことがある人は、1,119人(56%)もいました。

正直、私の予想よりもはるかに多い人がドライブレコーダーの映像を確認したことがあるようです。(私の予想では、せいぜい1割程度だと思っていました。)

 

さて、実際にドライブレコーダーを確認された人の中で、映像が正常に記録されていなかったのは75人(7%)という結果になっていました。

実際、全国の消費生活センターにドライブレコーダーの記録に関する相談は、2013年4月以降~2018年6月末日までに88件あり、相談件数としてはそれほど多くありません。

こういったことから、ドライブレコーダーの記録に不具合が出ている人は、1割にも満たないことが予想できます。

そして、半数近くはそもそもドライブレコーダーの確認を一度もしたことがないということです。

つまり、定期的にドライブレコーダーの映像を確認している人はさらに少なくなるでしょう。

 

最後に

ドライブレコーダーは、どんなに高価な商品を設置しても機能を果たせなければ意味がありません。

そもそも、SDカードも消耗品です。

特に、夏場の車内は60度を当たり前のように超えます。(SDカードは、「-25℃~85℃」の耐久性がある)

また、どんなに定期的にフォーマットするなどして、SDカードのメンテナンスをしていたとしても経年劣化は免れません。

そもそも、何が原因で故障するか分かりません。

そう考えると、通信型のドライブレコーダーなら映像をクラウドに自動保存できるため、いつでも確認することができるといった利点があります。

まずは、あなたのドライブレコーダーの映像を確認してみることから初めて見てはいかがでしょうか?

少なくとも、どんなふうに保存されるか知っていれば、いざという時に録画されているであろう映像を、より正確にイメージすることができるようになるでしょう。

 

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