少子化が問題になりずいぶん経ちます。それでは現在、「本当に少子化が進んでいるのか?」「本当に人口減少はしているのか?」について総務省がH30年4月1日付けに発表した人口統計から紹介していきます。

 

そもそも人口はどれだけ減っている?

私が高校生時代(2000年代)は、総人口1億2000万人なんて言われていました。今回のH30年4月1日発表をみると、総人口は1億2653万人となっています。

総人口はほとんど変わっていないようです。

それでは、生産年齢人口別ではどうなっているでしょう?

*生産年齢人口とは、15歳以上~64歳未満の人口を指します。

総務省が発表した1990年(平成2年)~2018年(平成30年)までの年齢別人口動態を表にしてみました。

年齢3区分別人口及び割合の推移

↓  ↓

グラフ化すると図1のようになります・・・

      図1             年齢3区分別人口及び割合の推移

  • この表から、総人口としてはほとんど推移がないことが分かります。
  • まず注目すべきは、15歳未満の推移です。調査ごとに減少していっていることがわかります。
  • 次に、15歳~64歳までの人口も減少していることが分かります。

総人口の変動がほとんどないのに64歳未満の人口が減少しているということは、64歳以上の人。つまり高齢者の人数が増えていることがわかります。

このことは、それぞれの人数割合からもみてとれます。

  1. 15歳未満         ・・・平成2年:18.2% → 平成30年:12.3%(減少)
  2. 15歳~64歳未満・・・平成2年:69.7% → 平成30年:59.8%(減少)
  3. 65歳以上    ・・・平成2年:12.1% → 平成30年:28.0%(上昇)

*65歳以上:10人中1.2人(平成2年)→10人中2.8人(平成30年)

→65歳以上の人数は、28年で2倍以上になっています。

 

15歳未満の子どもの具体的な人数

それでは、平成30年の15歳未満の子どもの人数についてもう少し細かく見ていきましょう。

↓ ↓

これをグラフにすると図2のようになります。

図2 男女、年齢3歳階級別子どもの数

15歳未満でみると、どの年代も同じぐらいの人数であることが分かります。この統計から男の子が生まれやすいことが分かります。

昔から、「男性の方が亡くなる確率が高いから」とか、「女性の方が長生きだから」なんて言われます。実際のところ男の子が多い理由は分かっていませんか、最後は女性の方が多くなります。

*平成30年の子どもの割合は、12.3%と各国で最も引くい割合になっています。次に低い韓国では13.1%。最も高いのはタンザニアの44.4%となっています。ちなみにアメリカは18.9%です。

 

この人口推移はいつから?

昭和25年~平成30年までの人口動態をグラフ化してみました。

図3 年齢3区分別人口の割合の推移

  • 15歳未満人口は、昭和25年の調査からH30年になるまでの間、減少し続けています。
  • 15歳以上~64歳未満の人口は、平成7年をピークにその後減少し続けています。
  • 65歳以上の人口は、昭和25年から増加し続けています。
  • 平成7年に子どもと高齢者の人数が逆転しました。

図3をみると、高齢者の人数が急激に増えたように勘違いしがちですが違います。なぜなら、平成7年までは子どもの数が多かったからです。つまり、子どもが生まれる人数が少なくなったために高齢者の人数が増えたように見えるだけです。少子化高齢化の問題は、子どもの人数が少なくなったことがそのまま影響します。

子どもが減少したことでこれからくる不安は?

平成30年時点での生産年齢人口の割合

現状:65歳以上(高齢者)が3割近く。15歳未満(子どもの数)が1割程。残りの約6割が15~64歳。

実際は、大学を卒業して働くとするなら22歳から。大学院まで考えるならさらに遅くなります。また、専業主婦も含まれません。だとすると、生産年齢人口は半分いればいいところでしょうか。

ただ、女性の社会進出や元気な高齢者が生活のためにコンビニで働かないといけない現状などがあり労働力人口は上昇しています。

*労働力人口とは、人口のうちどれだけが働いているかを指します。

労働者にとっては有利

国民の数=国力

人手不足で倒産する企業が増えていることはすでにご存知かと思います。

いまなら、どこでも就職できるという労働者にとってはとても有利な時代になりました。

ただ、ブラック企業が増えているので見極める必要があります。

子どもが働きだす20年後は企業が淘汰されて業種も様変わりしているかもしれません。

社会保障費の増加

高齢者が増えるということは、どうしても医療費や年金・生活保護費が増加することが考えられます。すでに大変な金額になっています。

この話しに関しては、参考資料など必要ありません。現在、あなたが毎月支払っている社会保障費は合計いくらになっていますか?給料から総額の4割は天引きされていませんか?

それだけ引かれているにも関わらず、社会保障費が足りないと次は消費税が10%に。私たちの給料は、最終的にどれだけ残るのが普通になるのか想像しただけで不安になります。

空家の増加

一人暮らしの高齢者が亡くなれば必然的に空家になります。もちろん家族が処分等しっかりすれば大丈夫ですが、天涯孤独で孤独死をしてしまう方もいらっしゃいます。さまざまな理由で、空家は増加しています。

空家には、「誰か」が入ってくる可能性がありますよね。また、外国人の受け入れをどんどん勧めているので、その誰かは外国人かもしれません。そもそも日本のルールを知らないのでトラブルになりやすいことは想像に易いですよね。

 

20年後の日本は?

高齢者が増えているということは、これから確実に人口が減っていくことが分かります。

また、すでに人手不足が深刻化していますが、国は人手不足の補填を外国人で賄おうとしています。

企業は生き残れる可能性はありますが、そのとき日本人の働く場所はあるのか漠然とした不安があります。20年後、働く場所がないなんてことが現実的にあるかもしれません。

また機械化が進んで、10年後にはこれまでの仕事がなくなっているいわれています。今の私たちの常識は、「古き良き時代」になるのもそう遠くない未来の話しかもしれません。これからは、雇われるのではなく個人で働くことが当たり前になるでしょう。

今、あなたの仕事がなくなったら他に収入を得る手段はありますか?

10年後も残る仕事ですか?

もし、当てはまらないならそろそろ考えてもいい時期かもしれません。


参考

総務省統計局:我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで- (「人口推計」から)

https://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/topi1091.html#aI-1

 

 

 

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