先日、エアコンの「節電」についてご紹介しました。
さて、夏の夜は「暑くて眠れない!」なんてことがよくあると思います。
「熱帯夜」なんて呼ばれますが・・・
今回は、そんな「熱帯夜と賢いエアコンの使い方」についてご紹介します。
→前回の節電については、こちらの記事で紹介しています。
そもそも熱帯夜ってなに?
気象庁のHPを確認すると、夏に関する用語として
- 夏日 →日最高気温が25度以上の日。
- 真夏日 →日最高気温が30度以上の日。
- 猛暑日 →日最高気温が35度以上の日。
- 熱帯夜 →夜間の最低気温が25度以上の日。(気象庁の統計種目にはない)
とあります。
つまり、夜に「夏日」の状態(25度以上)が続くと熱帯夜とされます。
→公式上は定義されていませんが、「夜間、30度以上の日」を超熱帯夜(スーパー熱帯夜)なんて言われることもあります。
なぜ熱帯夜になるの?
夏になると、「日が長くなる」と言われるように日照時間が増えますよね。その熱が地面や建物に伝導して蓄積されていきます。
すると、コンクリートやアスファルトなど熱容量が大きい物質から熱放射が発生し、日暮れ以降の夜も続くため夜間も気温が下がらず、いわゆる「ヒートアイランド現象」の一因とされています。
つまり、都会ほど熱帯夜になりやすいことが分かります。
→あなたの家が、熱帯夜(25度以上)になるのなら、これからも毎年もれなく熱帯夜になることが考えられます。
私が住んでいる場所は地方ですが、マンションがたくさん立ち年々暑くなっています。今では、我が家ももれなく熱帯夜になっています・・・
一部地域を除いて、どこに行ってもそもそも熱帯夜(夜間25度以上)になることは珍しくない状態ではないでしょうか?
*仮に今は熱帯夜にならないとしても、開発が始まれば熱帯夜に見舞われることになります。
なぜ、熱帯夜が寝苦しいの?
そもそも、「25度で寝苦しい!」っておかしいと思いませんか?
私は普段、エアコンの温度は27度や28度で設定していますが肌寒い位です。ところが、夜になると熱帯夜でなぜか寝苦しくなります。
室内環境を専門とする湿度計・温度計の製造販売メーカー株式会社クレセルによると、夏の睡眠に適した温度:25~28度、湿度:55~65%が目安とされています。
つまり、熱帯夜とされる温度でも28度までなら、むしろ「快適な温度」だと言うことができます。問題は、「湿度」と言うことになります。
相対湿度
相対湿度というのは、「空気中に含まれる水蒸気の量」とその温度の「空気が含み得る水蒸気の最大限」の比率のこと。
→難しく書いてしまいましたが、要は一般的に使用されている「湿度」のことです。
相対湿度 :「屋内環境」及び「人体への影響」
- 40%未満 →口腔粘膜が乾燥。インフルエンザウイルスの生存率が高い。静電気が生じやすい。
- 40%以上70%以下 →適正(建築物衛生法の管理基準値)
- 70%を越える →汗の蒸散を妨げ不快感が生じる。カビの育成が早い。ダニの育成が早い。
つまり、湿度は低すぎても高すぎても人体や環境に悪影響が出てしまうため40%以上70%以下の適正な湿度が、もっとも快適に過ごせる環境だと言うことができます。
湿度を調整するためにはどうしたらいいの?
ここまでの説明で・・・
- 熱帯夜になぜなるのか?
- 快適な温度
- 快適な湿度
についてご紹介してきました。
それでは、熱帯夜を快適に過ごすにはどうすればいいのでしょうか?
熱帯夜でも快適に眠るには?
熱帯夜は25度以上の夜ですが、そもそも夜の快適な温度は25度~28度です。つまり、「快適な温度はすでにクリアしている日もある!」と言うことです。
つまり、あとは湿度を調整するだけです。
こういった理由から、多くの方が紹介しているように「エアコンの除湿を使うことがもっとも効果的!」という結論になります。
「除湿」ってなにをしているの?
- 「冷房」→温度を下げることを一番に考えた機能。
- 「除湿」→湿度を下げることを一番に考えた機能。
ざっくり言えば、これが基本です。
除湿の仕組
①エアコンが湿度の高い部屋の空気を吸い込む。
⇊ ⇊
②熱交換器で熱をうばって温度を下げる。
⇊ ⇊
③空気中にいられなくなった水分が、水滴として熱交換器につく。
⇊ ⇊
④水滴を集めて、ホースで部屋の外にだす。
⇊ ⇊
⑤水分をとった後のさらさらの空気は、また部屋に戻される。
⇊ ⇊
⑥ ①~⑤を繰り返す。
これが、除湿の仕組みです。
さらに、「除湿」には二つのタイプがあります。ここからは、節電の話しも絡んできます。
→「除湿は、冷房よりも電気代がかかる!」と言われますが、必ずしもそうとは限りません。
弱冷房除湿(ドライ)
水分を集めるために温度を下げた空気を、そのまま部屋に戻します。
つまり・・・
- 温度を少し下げて除湿する。→弱めの冷房と同じ。
- 部屋の温度も少し下がる。
- 消費電力は、冷房・再熱除湿よりも少ない。(省エネ)
という特徴があります。
再熱除湿(除湿)
水分を集めるために温度を下げた空気を、ちょうどいい温度に温め直してから部屋に戻します。
つまり・・・
- 温度を下げずに除湿する。
- 部屋の温度はあまり下がらない。
- 消費電力は、冷房よりも多くなります。
という特徴があります。
ちなみに、再熱除湿は冷房よりもコストがかかる使い方ですが、室温を下げることなく部屋に温めなおした空気を戻せることができます。
つまり、梅雨・夜間も体が冷えすぎないですむため、冷え性の人にとっては嬉しい機能です。
節電という視点で見れば「除湿=冷房よりもコストがかかる」のではなく、再熱除湿が冷房よりもお金がかかるということになります。
そして、弱冷房除湿(ドライ)は冷房よりもさらに省エネだということです。
*弱冷房除湿(ドライ) < 冷房 < 再熱除湿(除湿)の順番で消費電力が高くなっていきます。
熱帯夜の日は結局どうすればいいの?
熱帯夜では、外気温だけでなく屋内も高温になるケースもあり熱中症の危険があります。当然、寝苦しくなるためぐっすり眠れないことになります。
さて、それではエアコンの使い方について見ていきましょう!
一晩中エアコンを使う場合!
- 設定温度:28度以上に設定。
- 除湿運転で湿度設定:50~60%に設定。
私もそうですが、エアコンの温度設定を下げると「起きたときに体がだるくてしんどい!」なんてことになりかねません。
そのため、冒頭でもお伝えしたように下げるのは設定温度ではなく、湿度です。
夜間、エアコンを付けっぱなしにしない場合!
- お好みの温度
- 切タイマー3時間
お好みの温度
就寝直後は汗の量が多くなるため、部屋を冷やすことで湿度もコントロールされ、汗を乾かすことができます。
→入眠直後に眠りやすい環境になる。
切タイマー3時間
切タイマー3時間に設定すると、入眠直後の深い睡眠が温度変化(熱帯夜)で阻害されることなく2周期確保することができます。
→平均的な睡眠周期は、90分間隔(90分で1周期)と言われています。
*熱帯夜で寝苦しい時は、湿度を気にしてみてはいかがでしょうか?
最後に
エアコンは、使い方次第で節電しながら快適に使用することができます。
もちろん、エアコンを使うわけですから電気を使います。
ただ、少なくともご家庭でむやみやたらにエアコンを使う人はいませんよね。
要は、使い方です。
効率的で効果的な使い方をすることで節電をすることができるため、エアコンを使いながらでも最近よく言われる「節電対策」はできるでしょう。
そもそも、「節電=エアコンを使ってはダメ!」ではないですよね・・・
あくまでも、無駄な電気を使わないことが社会的な節電の目的で、個人的にみれば金銭的な意味での節電ですよね。
エアコンは賢く使っていきましょう!
参考
気象庁
→https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kion.html
株式会社クレセル
→http://www.crecer.jp/Q-A/HTML/A-11.html
ダイキン
→https://www.daikin.co.jp/naze/html/a_4.html
→https://www.daikin.co.jp/air/knowledge/labo/kaimin/
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