あなたは、お正月にお餅を食べますか?
さすがに、乳児に食べさせることはないとは思いますが、毎年のように窒息事故が発生しています。
今回は、そんな「お餅による窒息被害」についてご紹介します。
窒息死亡者数は毎年1月に集中
2019年の東京都内で元日~2日にかけ、「お餅」を喉に詰まらせた男女17人が搬送され、80代と90代の2人が亡くなられています。
ちなみに、毎年1月に喉に物を詰まらせて救急車で運ばれた人は都内だけで100人前後にのぼります。しかも、軽症ですんだのはたったの3割だったようです。
つまり、約7割が軽症で済まなかったことを意味しています。
例えば、全国規模にみると窒息死亡者数は毎年1月に集中していて、毎年約1,300人の方が亡くなられています。
それでは、お餅は普通の窒息とは違うのでしょうか?
お餅の危険な詰り方とは!?
食道に詰まった場合
食道に詰まる場合は、呼吸ができていれば・・・
- お餅を取り出す→食道にへばりついているときは、掃除機で吸引すると効果的だとされている。
- 水などを飲んで流し込む
呼吸ができれば、このように取り出すまでに猶予があります。
ただし、気道にお餅が詰まった場合は話しが違います。
気道に詰まった場合
なんとか呼吸ができて意識があれば、「ハイムリック法」や「背部叩打法(はいぶこうだほう)」などを施すことで、異物を取り出すことができます。
詳しくは、こちらの異物の除去で確認することができます。
こういった処置ができない場合は、できる限り早い段階で救急車を呼び心肺蘇生をするしかありません。
→気道を完全にふさいでしまった場合は、救命がそもそも難しい状態になります。
*窒息被害の9割近くが65歳以上の高齢者で、致死率が想像以上に高い状況になっています。
とはいえ、子どもにも窒息事故は発生しています。
子どもも人ごとではない!?
例えば、「お祭りで餅を食べていたところ、喉に詰まらせて喋れなくなった」という、3歳の事故事例があります。
→軽症で済みましたが、決して人ごとではありません。
東京消防庁では、「餅は小さく切って食べやすい大きさに。乳幼児や高齢者と一緒に食べる際は様子をみるなど注意を払ってほしい」と呼びかけもされています。
《お餅の特徴と対策》
- 少し温度が下がった30~40度前後のときが、最も粘り気がある。(体温と同じ温度)
- 唾液とお餅が混ざると、喉に詰まりにくくなる。
- 細かく小さく切る。
- 食事中は歩き回らない。
- 横にならない。
- 1人で食べさせない。
- 口の中では餅がくっつきやすくなるため(体温と同じくらいの温度になるため)1つずつ確実に食べる。
こういった注意を払う必要があります。
特に、お餅を子どもに初めて食べさせるときは特にご注意下さい。
チョークサイン(両手で首を押さえるサイン)
窒息を起こし、呼吸ができなくなったことを他人に知らせる世界共通のサインです。
- 呼びかけに反応があれば、可能な限り咳をさせる。
- 咳も出せずに窒息している場合は、全年齢に実施できる「背部叩打法」。
→心肺蘇生法は、意識がない場合に実施。
→ハイムリック法・背部叩打法は、意識がある間に実施。
最後に
窒息死は、一番苦しい死に方と言われます。さらに3分以上、脳に酸素が供給されないと元には戻れなくなり、蘇生しても脳障害が残ります。
1年の始まりのお祝いで事故にあうのも縁起が悪いので、対策はしっかりして下さいね!
そして、お餅を食べるときは、小さい子どもが誤って食べないようにご注意下さい。
それでは、今年もよろしくお願いします。
参考
ヨミドクター
→https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20191217-OYTET50009/
東京くらしWEB:餅による窒息に注意しましょう!
→https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/attention/20171228.html
東京くらしWEB:餅による窒息事故に注意!
→https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/attention/kigai-moti201812.html
消費庁:Vol.433 餅による窒息事故にご注意!
eo健康:おもちなど喉にものが詰まったときの応急処置方法!高齢者・子供は要注意!
→https://eonet.jp/health/article/_4101518.html#03
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