「開かずの踏切」・「危険な踏切」ってなに? 実は、明確な数値で指定されていた!?

 

皆さんが住んでいる地域に「開かずの踏切」はあるでしょうか?

私が住んでいる地域にも、5分~10分以上空かず、やっと空いたと思ったら10秒もしないうちに閉まってしまう踏切があります。

ただ、調べてみると全国には想像以上の開かずの踏切があるようです。

今回は、「危険な踏切の指定」についてご紹介します。

 

「開かずの踏切」ってそもそもなに?

国土交通省による定義

開かずの踏切とは、電車の多い通行時間帯に遮断時間が40分/時以上となる踏切のことを言います。

つまり、私が経験している踏切は「開かずの踏切」ではなく、「普通の踏切」ということでした・・・

さて、開かずの踏切は東京など都市部を中心に存在しています。

一番の問題点は、交通渋滞や地域分断によって都市部活動全般に支障がでています。踏切は、強制的に電車が最優先されますので、踏切で待つ身としては焦る気持ちが募る結果になりますよね。

さて、そんな踏切で事故が多発していますが、昔に比べるとかなり減っていることが分かります。

 

実は、踏切事故は大きく減っている!

そもそも、踏切事故は昭和36(1961)年には5,500件という、とんでもない事故件数になっていました。この頃と比べるとよく分かりますが、平成29(2017)年には248件と約22分の1にまで減少しました。

→約56年をかけて事故件数を確実に減らしていった。

とはいえ、現実問題として毎日のように踏切事故は発生しています。

 

踏切事故の現状

  • 踏切事故は、約1日に1件。
  • 約3日に1人が死亡している。
  • 平成29年度の死亡者数111人中約4割が65歳以上。

このように、踏切事故は現在にいたっても後を絶ちません。

stevepb / Pixabay

 

「開かずの踏切」や「危険な踏切」?

そもそも、「開かずの踏切」や「危険な踏切」は全国に1,000箇所(平成28~30年度)あります。開かずの踏切は500箇所。

なぜ踏切にこんな「開かずの踏切」や「危険な踏切」という指定がされたのでしょうか?

答えは明快です。→危険だからです。

  • 自動車や歩行者の交通量が多く、「開かずの踏切でもあり」慢性的な渋滞になっている。
  • 通学路に指定されているが、幅員が狭く踏切内の安全が確保されない。

つまり、踏切の事故は電車・歩行者・車による複合的な事故ということになります。

 

指定は、さまざまな数値により決定される!?

例えば、「事故多発踏切」とは直近の5年間に2回以上の事故が発生した踏切をいいます。

また、自動車や歩行者が多い踏切のことをそれぞれ・・・

  • 自動車ボトルネック踏切→一日の*¹踏切自動車交通遮断量が5万以上の踏切。
  • 歩行者ボトルネック踏切→一日あたりの踏切自動車交通遮断量と*²踏切歩行者等交通遮断量の和が5万以上かつ一日当たりの踏切歩行者等交通遮断量が2万以上の踏切。

*¹踏切自動車交通遮断量=自動車交通量✕踏切遮断時間

*²踏切歩行者等交通遮断量=歩行者および自転車の交通量✕踏切遮断時間

このように規定され、対象となった踏切が「開かずの踏切」や「危険な踏切」と指定されています。

 

踏切道改良促進法

昭和36年に、踏切道改良促進法が施工され、その名の通り交通事故の防止と交通の円滑化に寄与するために作られた法律で、全国の踏切がこれまでも改良されてきました。

その結果、踏切は約7万箇所から3万4千箇所に半減(平成29年時点)。

とはいえ、先程お伝えしたように交通渋滞や度重なる事故といった社会的影響が無視できない状態になっています。

0532-2008 / Pixabay

 

踏切道改良促進法の改正

こういったことから、平成28年3月に踏切道改良促進法が改正されました。

特筆すべきは、遮断時間が長いなどの課題がある踏切について、関係自治体や鉄道事業者間の改良方法の有無に関わらず、速やかに指定を行ない対策を促進することになったことです。

つまり、指定するためには一定の数値が必要になるため先程紹介した数値が活用されています。

こういったことから、踏切の安全性は今後も改善されていくことが予想できますが、危険な踏切の数が多くまだまだ時間がかかることは言うまでもありません。

 

最後に

今回は、危険な踏切についてご紹介しました。

そもそも、40分以上も空かない踏切なんて壁(行き止まり)と同じだと思いますが・・・

なにより、危険な踏切は全国で1,000箇所もあるため、後どれくらいの時間がかかるのか予想も付きません。

とはいえ、国は平成32(令和2)年度までに踏切道の改良が実施できない場合は、地方踏切道改良計画を国土交通大臣に提出するように定めています。

つまり、現在進行形で全国で踏切の改修は急ピッチで進められていることになります。

そんな改修が進められている踏切ですが、もしも遮断機が降りているにも関わらず横断してしまったらどんな罰則があるかご存じでしょうか?

次回は、「踏切に関する知らないと本気でまずい法律」についてご紹介します。


参考

国土交通省:踏切対策の推進
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/fumikiri/fu_index.html

提言書「踏切の安全対策等の推進について」
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/06/28/documents/02.pdf

 

 

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