新型コロナウイルスが拡大していく中で、「テレワーク」という働き方が注目されるようになりました。
それでは、テレワークにすることでどういったメリットがあるのでしょうか?
そして、テレワークを導入できない理由にはどういったことがあるのでしょうか?
今回は、「テレワークも労働者の権利は保障されている!」についてご紹介します。
「テレワーク」ってそもそもなに?
テレワーク(tele work)とは・・・
- tele:遠い・遠距離
- work:仕事・労働・働く
この、2つの言葉を組み合わせた造語です。
つまり、情報通信技術(ICT)を使うことで時間や場所を選ばず働く方法のことです。多くの人は、「在宅勤務」を想像するかもしれませんね。
ただ、テレワークは在宅勤務だけでなく、働く場所によって3つに分類することができます。
《在宅勤務》
自宅にいて、会社とはパソコンとインターネット、電話、ファックスで連絡を取る働き方
《モバイルワーク》
顧客先や移動中に、パソコンや携帯電話を使う働き方
《サテライトオフィス勤務》
勤務先以外のオフィススペースでパソコンなどを利用した働き方。
このようにテレワークを導入することで、会社に出勤する必要がないため、これまでは特に以下のような人に適した働き方として注目されてきました。
- 常時在宅勤務主体(ほぼ毎日在宅勤務)
→妊娠・育児・介護
→身体障害やケガ
*恒常的または一時的に通勤が困難な人
- 部分在宅勤務主体(週に数日在宅勤務)、出張時のモバイルワークも適している
→管理部門で働く人(企画・総務・人事・経理など)
→研究・開発部門で働く人
- モバイルワークが主体(部分在宅勤務も適している)
→顧客対応業務(営業・SE・サポートサービスなど)で働く人
このように、「体の状態」や「役職」などによって、誰もが仕事を効率的に勧められるようにするためにできた働き方といえるでしょう。
とはいえ、日本ではテレワークという働き方はこれまで普及してこなかったような印象がありますが、そもそもいつから勧められているのでしょうか?
テレワークはいつから始まったの?
そもそも、テレワークは1970年代のアメリカで発祥した働き方で、交通量の増加による道路混雑・大気汚染問題が始まりだと言われています。
つまり、物理的に職場に行きにくい環境があったことで初めて注目された働き方であることが分かります。
それでは、「日本ではどのように普及?」していったのでしょうか?
日本での導入は?
日本では、1980年代から実験的に導入されたため、約40年の歴史があることになります。浸透のきっかけになったのは、ノートパソコンなどの普及が影響していました。
2000年代に入ると、在宅勤務ガイドライン・個人情報保護法などの影響を受けながら普及していき、総務省の「平成30年通信利用動向調査」によりテレワークを導入している企業は19.1%+導入予定7.2%=26.3%となりました。
導入企業は年々増加傾向にありますが、まだまだ少ないことが分かります。
ただ、今回の新型コロナウイルスの拡大により、強制的に在宅勤務が増加することでテレワークを導入する企業が一気に増加するかもしれません。
今後発表される、「令和2年通信動向調査」が気になる所です。
とはいえ、在宅勤務になってしまうと労働時間の管理が難しく、過労死事例が大量に引き起こされる危険性もありますよね。そのため、「在宅勤務ガイドライン」が設定されています。
労働者の権利が保障されている!
まずは、テレワークのメリットを見ていきましょう!
メリット
《労働者》
- 通勤時間の短縮(在宅勤務なら、そもそも通勤時間は「0」)
- 業務の効率化・時間外労働の削減
- 育児と介護と仕事の両立の一助に
- 仕事と生活の調和を図ることが可能
このようなメリットが労働者にはあります。
ただし、例えば子育てをしながらの在宅勤務は、想像とは違い至難の業だと言えるでしょう。特に子どもが小さいうちは、仕事用のパソコンをいじられたり、目が離せないこともたびたびあります。
《企業など使用者にとってのメリット》
- 業務効率化による生産性の向上
- 育児・介護等による労働者の離職の防止
- 遠隔地の優秀な人材の確保
- オフィスコストの削減
このように、テレワークを導入することで究極的な時短ができ、他にもコスト削減や人材確保ができるというメリットがあります。
それでは、どういったデメリットがあるのでしょうか?
デメリット
- 労働時間の管理が難しい
- 仕事と仕事以外の切り分けが難しい
- 長時間労働になりやすい
など、さまざまなデメリットがあります。
そのため、テレワークを行う労働者にも「労働基準法・最低賃金法・労働安全衛生法・労働者災害補償保険法等の労働基準関係法令」が適用されることになります。
つまり、一般の労働者と同じ権利が与えられています。
例えば、労働時間の把握には以下のような方法がとられています。
- 使用者が、自ら自認することで確認に適正に記録すること。
- タイムカード・ICカード・パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること。
もしも、テレワークによる働き方をする場合は、業務内容だけでなく労働時間の確認方法などもしっかり確認しておく必要があります。
→国土交通省の定義では、テレワークとは「1週間に8時間以上、ICTを使って仕事をする人」となっており、テレワーカーと呼ばれます。
会社の指示に従う必要はありますが、労働者の権利を奪うような指示は仕事ではなく犯罪です。
新型コロナウイルス対策でテレワークは拡大する?
そもそも、テレワークを導入していない企業のほうが圧倒的に多いのが現在の状況です。さらにいえば、情報をデジタル化せずに、多くの仕事を紙媒体をベースに仕事を進めている企業もまだまだ多いでしょう。
それでは、「テレワークのなんとなくのイメージ」しかない企業などが、とりあえず導入するとどうなるのでしょうか?
そもそも、テレワークは働き方改革でも推進されています。ところが、いまだに半分の企業にも浸透していません。
例えば、これまで職場にいくことで「勤務態度」や「仕事量」などが評価されていましたよね。ところが、テレワークになれば仕事の成果を見ることが中心になっていくでしょう。
また、労務管理がしにくいため、サボってもこれまで通りの給料がもらえる社員がでてくる可能性があります。
他にも、報告・連絡・相談をはじめ、コミュニケーション不足が懸念されています。
つまり、情報漏洩やシステム導入によるコストだけでなく、導入してからの改革のほうが大変なことになります。
なにより、これまで出勤することが当たり前の世代にとって、まさに未知の働き方になってしまうため、導入後にどのようになってしまうかは、まさに未知数になってしまいます。
とはいえ、意識改革なども含めて計画的にテレワークを進めることができれば、この限りではないようです。
すでに成功事例がある!?
ホリエモンチャンネルで堀江貴文さんが、テレワークについていこのように述べられています。
「新型コロナウイルスの影響を受けて、テレワークに先駆けて表明したIT企業のGMO:熊谷社長によると、在宅勤務を開始してから2週間、全く業績が悪化しない」という情報です。
このことは、他の記事でも取り上げられているため確認してみてください。
つまり、成功事例はこの日本ですでに存在していることになります。
確かに実現すれば、優秀な人材の確保と事務所費用など大幅なコスト削減が見込まれることはいうまでもありません。
人員整理が進められるかもしれませんね・・・
最後に
テレワークは、確かに「企業にとっても、労働者にとっても働きやすさを実現できる1つの方法」だといえます。
ただ、会社側が労働者に対してどういった「仕事」や「仕事量」などを指示するかによって大きく変わります。
そもそも、テレワークを導入しようにも介護や幼稚園・保育園、工場勤務などのように、職場に行かなくては仕事ができない職種もあります。
新型コロナウイルスは拡大し続けていますが、重症化することはほとんどないことがマスコミ報道でも連日放送されています。
とはいえ、「感染者が見つかった!」と言われるとドキッとしますよね・・・
私が住んでいる滋賀県でも、感染者が見つかったようです。
ただ、買い物に行けばお客さんがたくさんいますし、いつもとかわらない様子が見受けられます。相変わらず、マスクやトイレットペーパーなどはないですが・・・
新型コロナウイルスを教訓として、「働き方」や「感染症対策」が改善されていくといいですね。
参考
日本の人事部:テレワーク
→https://jinjibu.jp/keyword/detl/153/
厚生労働省:テレワーク
→https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/3003011.pdf
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