感染症も換気が必要? 実は細かい基準が・・・

 

今回の記事では、「換気がなぜ必要?」について説明しています。

 

コロナ禍により、まだまだ余談は許さない状況は続いていますが、GO Toキャンペーンにより旅行が増えていますよね。

それでは、新型コロナウイルス対策にはなにが必要なのでしょうか?

今回は、「汚染物質と換気」についてご紹介します。

 

なぜ換気が必要なの?

新型コロナウイルス対策として「新しい生活様式」が発表されましたよね。

その基本となっている考え方の1つが「3密」です。

  • 密集
  • 密接
  • 密閉

そして、この3密を解消するために必要な考え方の1つが「換気」です。


2020年3月30日:公益社団法人空気調和・衛生工学会が発表した「新型コロナウイルス感染症制御における「換気」に関して「換気」に関するQ&A」でも、換気量についてこのように指摘されています。

厚⽣労働省の新型コロナウイルス感染症対策専⾨家会議において、クラスター(集団)感染発⽣のリスクが⾼い場所として換気の悪い密閉空間があげられていました。

さて、そもそも「換気」といえば屋内の空気と外気を交換することを言いますよね。それでは、どうして換気が必要なのでしょうか?

 

部屋の中は屋室汚染物質であふれている?

そもそも、屋内汚染物質は「気体(ガス状汚染物質)」「個体や液体(粒子状汚染物質)」に分けられています。

 

屋内の「気体」といえば・・・

  • 二酸化炭素
  • 一酸化炭素
  • 有機性の有機化合物
  • 様々な臭気

など、挙げればきりがありません。

 

 

屋内の「固体や液体」といえば・・・

  • 浮遊粉塵
  • アスベスト
  • ダニ・花粉・カビなどのアレルゲン

など、こちらも挙げればきりがありません。

そしてなにより、この中には「細菌」や「ウイルス」も含まれています。つまり、細菌やウイルスは粒子状汚染物質に含まれます。


残念ながら、見た目では分からずどんなにキレイに見える空気でも、実際は多くの粉塵を含んでいます。

→10㎜以下の粉塵は、目に見えませんが「細菌」や「ウイルス」に感染すれば、例えば新型コロナウイルスにも感染する可能性がある。

ただ、だからといって「屋内の汚染物質を全て排除しなければ!」ということにはなりません。

 

汚染物質は存在してもいいの?

「汚染物質」と言いますが、それらも私達が生活していく上で当たり前に存在しています。

逆に言えば、少しの汚染物質にも身体が耐えきれないのであれば、宇宙服のような特殊な服を着るか、一生「無菌室」など特殊な部屋で過ごすといったことになりかねません。

それもできなければ、そもそも「地球には住めない」という根本的な問題になってしまいます。

少し大袈裟な例えになってしまいましたが、要するに汚染物質を人間が耐えられるレベルに調節すればいいわけです。

例えば、猛毒をコップ一杯の水に入れて飲めば命に関わりますが、海に溶かした猛毒を飲んでも塩っぱいだけでその毒が命を奪うことはないですよね・・・

 

現実的な話しをすれば、有機溶剤など危険な薬品を扱っている工場がありますよね。

こういった工場などの労働環境では「許容濃度」と呼ばれる、様々な汚染物質に関して一般の屋内環境よりも高い濃度が決められています。

環境省では、「許容濃度」についてこのように定義されています。

 

許容濃度の定義

許容濃度とは、労働者が1 日8 時間、1 週間40 時間程度、肉体的に激しくない労働強度で有害物質に暴露される場合に、当該有害物質の平均暴露濃度がこの数値以下であれば、ほとんどすべての労働者に健康上の悪い影響が見られないと判断される濃度である。

つまり、汚染物質には安全レベルが設けられていることを覚えておく必要があります。

 

ちなみに、「建築基準法や建築物衛⽣法で定められている代表的な⼀般環境の室内環境基準」は、以下のようになっています。

物質名 基準濃度
二酸化炭素 1000ppm
一酸化炭素 10ppm
浮遊粉塵(10㎛以下のもの) 0.15mg/m³
ホルムアルデヒド 0.1mg/m³

このように、私達が暮らしている屋内環境の基準は定められています。

なにより、一般的な家庭で汚染物質を全て取り除くことは難しいですし、汚染物質があるからといってすぐに体長を崩すというわけでもありません。

大切なことは、そのバランス(汚染物質の濃度)です。そして、そんな汚染物質の濃度を調整できるかどうかは、「必要換気量」で決まります。

 

「必要換気量」ってなに?

私達が換気をする理由は、キレイな空気と屋内の空気を入れ替えるためにおこないますよね。ただ、問題は屋内の汚染物質を先程紹介した基準値以下にできるかどうかです。

必要換気量というのは、空気中の汚染物質の濃度を基準濃度以下に保つために必要な換気量のことをいいます。

そのため、新型コロナウイルスにはこの換気量を目安に進められている場合があります。

それが、Go To キャンペーンにも取り入れられ、安全性の証明として旅行会社からも発表されています。

以下の記事では、この必要換気量の実例を交えて「換気量を証明する観光バス」についてご紹介します。

二酸化炭素濃度の測定が主流に? 必要換気量は二酸化炭素で判断!?

 

最後に

今回は、なぜ新型コロナウイルスにも換気が重要視されているのか?

その考え方について、簡単に説明しました。

すくなくとも、細菌やウイルスも「粒子汚染物質」の1つであることが、分かっていただけたのではないでしょうか?

なにより、換気は汚染物質の空気中の濃度を調べることが基本であり、換気によってどれだけ汚染物質の濃度を下げられるかを証明する必要があります。

基本的に汚染物質は目には見えませんが、換気量により証明することはできます。そして、換気を使った感染予防がコロナ対策にも少しずつ取り入れられています。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です