新型コロナウイルスは学校にどう影響? ~「第一種感染症」ってなに?~

 

新型コロナウイルスの感染が、さらに深刻な状態になってきました。

ただ、WHOは現状「パンデミックになる可能性はある」としていますが2020年2月25時点で、「まだパンデミックにはなっていない」という認識のようです。

とはいえ、世界中で患者数は確実に増加を続けています。それでは、学校での新型コロナウイルスの対策はどのようになされているのでしょうか?

今回は「新型コロナウイルスと学校」についてご紹介します。

 

中国の感染レベルは?

外務省の感染症危険情報はこのようになっています。(2020年2月25日時点)

レベル3(渡航中止勧告)

  • 中国湖北省全域
  • 中国浙江省温州市

 

レベル2(不要不急の渡航は止めて下さい)

  • 上記以外

つまり、中国への渡航中止勧告は、いまだにごくごく一部となっています。

それでは、学校ではどのような対応がなされているのでしょうか?

 

児童生徒等に新型コロナウイルス感染症が発生した時は?

2020年2月18日時点の対応

 

新型コロナウイルスに罹患した生徒の情報はどうなるの?

感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)第12条第1項によりこのように決められています。

第十二条 
医師は、次に掲げる者を診断したときは、厚生労働省令で定める場合を除き、第一号に掲げる者については直ちにその者の氏名、年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項を、第二号に掲げる者については七日以内にその者の年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項を最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない。
一 一類感染症の患者、二類感染症、三類感染症又は四類感染症の患者又は無症状病原体保有者、厚生労働省令で定める五類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の患者及び新感染症にかかっていると疑われる者
二 厚生労働省令で定める五類感染症の患者(厚生労働省令で定める五類感染症の無症状病原体保有者を含む。)

つまり、新型コロナウイルスに罹患した児童生徒に対しては、感染症法により届出を受けた・・・

  • 都道府県
  • 保健所を設置する市または特別区

が、本人または保護者の同意をえて届出を受けた内容について、「学校の設置者」および「学校」と情報を共有することになります。

市区町村立の学校である場合は、都道府県等は当該児童生徒等が在籍する学校が所在する市区町村に連絡し、連絡を受けた市区町村は、学校の設置者および学校に連絡されます。


このように、新型コロナウイルスの感染は、本人・家族や学校だけの問題ではなく管轄する市や都道府県。ひいては、「日本」という国に関わってくる大切な情報となります。

それでは、「出席停止」や「臨時休業(学校閉鎖や学級・学年閉鎖)」の判断はどのようになされるのでしょうか?

 

「出席停止措置」と「臨時休業」

「出席停止措置」にはどんなものがあるの?

校長は、当該児童生徒に対して治癒するまでの間、学校保健安全法第19条の出席停止の措置をとります。

第十九条 令第六条第二項の出席停止の期間の基準は、前条の感染症の種類に従い、次のとおりとする。
一 第一種の感染症にかかつた者については、治癒するまで。
二 第二種の感染症(結核及び髄膜炎菌性髄膜炎を除く。)にかかつた者については、次の期間。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りでない。
イ インフルエンザ(特定鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)にあつては、発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日(幼児にあつては、三日)を経過するまで。
ロ 百日せきにあつては、特有のせきが消失するまで又は五日間の適正な抗菌性物質製剤による治療が終了するまで。
ハ 麻しんにあつては、解熱した後三日を経過するまで。
ニ 流行性耳下腺炎にあつては、耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫ちようが発現した後五日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで。
ホ 風しんにあつては、発しんが消失するまで。
ヘ 水痘にあつては、すべての発しんが皮化するまで。
ト 咽頭結膜熱にあつては、主要症状が消退した後二日を経過するまで。
三 結核、髄膜炎菌性髄膜炎及び第三種の感染症にかかつた者については、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで。
四 第一種若しくは第二種の感染症患者のある家に居住する者又はこれらの感染症にかかつている疑いがある者については、予防処置の施行の状況その他の事情により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで。
五 第一種又は第二種の感染症が発生した地域から通学する者については、その発生状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間。
六 第一種又は第二種の感染症の流行地を旅行した者については、その状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間。
(出席停止の報告事項)

上記を確認すると、19条には「第一種」・「第二種」・「第三種」の感染症が示されていますが、それぞれこのような意味になります。

 

学校保健安全法による「第一種感染症」~「第三種感染症」ってなに?

 

《第一種感染症》

感染症予防法の「一類感染症」と「二類感染症」がこれに当たります。出席停止の期間の基準は、「完全に治癒するまで」と規定されています。

  • エボラ出血熱
  • クリミア・コンゴ出血熱
  • ラッサ熱
  • ペスト

など。

 

《第二種感染症》

飛沫感染をする感染症で児童生徒などの罹患が多く、学校において流行を広げる可能性が高いものが分類されています。

出席停止に関しては、結核を除き「感染症ごとに定めた出席停止の期間の基準」が定められていています。

ただし、病状により学校医そのほか医師において感染のおそれがないと認めたときは「この限りではない」とされています。

  • インフルエンザ(特定鳥インフルエンザを除く)

→発症後、5日を経過し、かつ解熱後2日を経過するまで。(幼児は、発症後、5日を経過し、かつ解熱後3日を経過するまで。)

  • 百日咳

→特有な咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌薬による治療が終了するまで。

  • 麻疹(はしか)

→発疹にともなう発熱が解熱後3日を経過するまで。(病状により感染力が強いと認められた時はさらに長期におよぶ場合もある)

このように、一部の紹介ですが第二種感染症は感染症ごとに出席停止の期間が定められています。

 

《第三種感染症》

学校教育活動を通じて、学校において流行を広げる可能性があるものが分類されています。また、出席停止の期間の基準は、共通して「病状により学校医そのほかの医師において感染のおそれがないと認めるまで」となっています。

  • コレラ・・・治癒するまで出席停止が望ましい。
  • 細菌性赤痢・・・     〃
  • 流行性角結膜炎・・・結膜炎の症状が消失していれば、登校してもよいとされている。

一部の紹介ですが、このようにしっかりとした期間の定めはありません。

つまり、第1種感染症:「完治するまで出席停止」→第二種感染症:「一定期間は必ず出席停止」→第三種感染症:「期間の定めがない」

となっています。


このように学校の感染症は、子どもが特に注意すべき病気もあることから「感染症法」だけではなく、「学校保健安全法」において学校での予防すべき伝染病の種類と出席停止の期間の基準等が定められています。

ちなみに、新型コロナウイルスは「指定感染症」です。指定感染症とは、政令で1年間に限って指定された感染症のことです。(延長を含めても最大2年間に限定)

そして、一類~三類感染症に準じた対人・対物措置が実施されます。

つまり、新型コロナウイルスは感染症法の「第一類感染症」でもあり、学校保健安全法の「第一種感染症」でもあると言うことです。

 

感染症法の分類についてはこちらの記事で紹介しています。

新型コロナウイルスが「指定感染症」に!? そもそも「感染症の分類」ってなに?

さらに、新型コロナウイルスに対して「学校の設置者」および「学校」は、都道府県等がおこなう感染経路の特定や濃厚接触者の特定等に協力する必要があります。

それでは、臨時休業の判断はどのようにされるのでしょうか?

 

臨時休業の判断とは?

都道府県等は、主に地域での流行早期の段階に行われる公衆衛生対策の観点からの休業の必要性の有無について判断し、「必要である」と判断した場合、学校の設置者に対して学校の全部または一部の臨時休業を要請します。

また、都道府県等は感染のおそれがある児童生徒について、必要と認めた場合は校長に対して、出席停止の措置をとるように要請することになります。

つまり、新型コロナウイルスに感染またはそのおそれがある生徒に対して、「学校」や「市」ではなくさらに上の都道府県等からの要請により強制的に休みになるということです。

ただし、都道府県等から臨時休業の要請がない場合であっても、学校の設置者は学校運営上の措置を講じる目的などの観点から必要な臨時休業を行うことができます。

→地域ですでに感染が拡大しており、学校において多数の発症者がいる場合などがこれに当たる。

こういった場合は、休業等に伴う学習面への影響等を十分に考慮し、必要に応じて都道府県等と相談の上、判断することが重要になります。

このように、学校での感染症は新型コロナウイルスに限らず厳しく対応されています。

 

最後に

さらに都道府県等は、私達地域住民に対して必要な情報を提供しています。また、学校の設置者と連携して学校を通じて保護者等に対しても同様に情報を提供しています。

学校での新型コロナウイルスの対策は、このように第一種感染症と同じ扱いとなっています。

ただ、各国での感染者数が大変なことになっていますが、例えば「イタリアではコロナウイルスの影響でゴーストタウン化している」という報道があったり、「韓国では毎日約百人単位で感染者が増加している」という報道まであります。

ですが、日本は平和?

マスクが手にはいらないという問題はありますが、よくも悪くも概ね平常運転をしていますよね。

pasja1000 / Pixabay

日本らしいと言えば日本らしいですが、このまま終息していくことを願わずにはいられません。ちなみに、世界中で日本以上に呑気に構えている国はなかなかないようです・・・

実際、誰に需要があるのか分かりませんが、いまだに「桜を見る会」について国会で多くの時間をかけて審議しているほどです。

今後も、いろんな意味で政府の対応が気になるところですね・・・

*日本でも「休校」「発熱や咳のある労働者を一律出勤停止にする会社」がでてきているため、徐々に影響は出始めています。


参考

文部科学省:新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応について
https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/index.html

「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会
2019 年 7 月改訂版
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/yobo_kansensho_20190728.pdf

一般社団法人長岡市医師会:学校において予防すべき伝染病
http://www.nagaoka-med.or.jp/kansensho/gakkoudensen.html#%E8%80%83%E3%81%88%E6%96%B9

 

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