●この記事では、新しい移動の概念「MaaS」についてお伝えしています。
私達が知らないところで、どんどん技術の進歩が進んでいます。
例えば、携帯電話やSNSなど、今では当たり前になりましたよね。また、これまでもICT(情報通信技術)についてはご紹介してきました。
今回は、そんな「ICTを活用したMaaS(マース)」についてご紹介します。
→「ICT」については、こちらの記事で紹介しています。
そもそも「MaaS」ってなに?
そもそもMaaSとは、「Mobility as a Service(移動のサービス化)」の略です。あらゆるモビリティ(移動)をひとつのサービスととらえる新たな「移動」の概念のことをいいます。
国土交通省では、このように説明されています。
ICT を活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を 1 つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念である。
とあります。
「なるほど!」とはなりませんね・・・
もっと分かりやすく説明してほしいのですが、例えば、「シームレス」というのは「途切れのない」といった意味になります。
それでは、MaaSでどうやって途切れずに交通手段の移動を可能にするのでしょうか?
これまでマイカー以外の交通手段は途切れていたの?
あなたは、「マイカー以外の交通手段」といえばなにを思い浮かべるでしょうか?
- 電車
- バス
- 飛行機
などが、代表的な交通手段ですよね。
それでは、例えば関西空港に行くと過程してみましょう。もしも、車で移動できれば大阪駅~関西空港までは約1時間で直行できます。
ですが、車がなければ・・・
例えば、最寄りの駅までバスで移動。そして、「最寄り駅→大阪駅。大阪駅→関西空港。そして、飛行機へ。」というルートで飛行機に乗ったとします。
さて、このように交通機関を乗り継いだ場合、今でも現在地(自宅)~関西空港までのルートは、一括で検索できますよね。
ところが、これまで「予約」や「運賃の支払い」に関しては、バス・電車・飛行機と各交通機関の事業者それぞれに対して、この場合なら少なくとも3回は対応しないといけませんでした。
つまり、目的地に着くまでに途切れ途切れのサービスを利用していました。
→これまでの「途切れた交通手段」が、これからはMaaSにより「途切れない交通手段」に変わるという意味。
それでは、どうやって途切れない交通手段を実現するのでしょうか?
スマホの役割が拡大し続ける!
さて、決済や予約など、今やスマホで簡単にできますよね。
そして、「MaaS」を実現する方法として、例えば手元のスマートフォン等から「検索~予約~支払」が途切れずに一度で行えるようになります。
ただ、MaaSの考え方(新しい移動)は、こういった一連のユーザーの利便性を大幅に高めるだけではなく、移動の効率化による・・・
- 都市部での交通渋滞
- 環境問題
- 地方での交通弱者対策
など、こういった問題の解決に役立てようとする考え方の上に立つサービスが「移動」の新しい概念、MaaSという考え方でもあります。
それでは、どういった使い方に変わるのでしょうか?
MaaSによりなにが変わる?
例えば、事故により電車が止まったり、天候の影響で普段の経路が使えなくなっても、すぐに別のルートを探すことは今でもできますよね。
ただ、検索した知らないルートの支払いなどをそれぞれの交通機関でしなくてはいけませんでした。
ですが、例えば、2016年以降にフィンランドのヘルキンシで利用されている「Whim(ウィム)」というサービスがあります。
Whimが提示する交通経路から最適なものを選択すれば、「予約~乗車~決済」まで一括して利用することができます。
また、Whimが提示する交通手段には「電車」や「バス」などの交通機関だけでなく、「民間タクシー」・「バイクシェア」・「個人の徒歩」・「自転車」などもあり、スマートフォン等のアプリ画面を提示するだけで、指定した交通手段を利用できます。
→毎月定額で指定範囲内の電車やタクシー等が乗り放題になるサービス。
このように、今後は日本でも途切れることなくマイカーのように、交通手段も利用できるようになっていきます。
最後に
今後も、ますますスマホがあれば生活が楽になる社会になっていきます。
これまでなら、電車やバスなどに個別にアクセスする必要がありました。ですが、MaaSが普及した社会では、1つのアプリで各交通サービスの経路検索や支払いが一括でできるようになります。
このようにMaaSが普及すれば、そもそも都市部でマイカーはさらに必要なくなるでしょう。
ただ、地域差がこれからもどんどん拡大していくことになります。つまり、MaaSが当たり前になると都市部以外では生活できなくなるかもしれません・・・
ICTの確信は、善くも悪くも私達の生活を激変させていきます。
日本では、まだMaaSは導入されていませんが、「未来投資戦略2018 」の中でMaaS は自動運転とともに記述されていて、国土交通省は、未来投資戦略2018 を実現するための取組みを開始しています。
参考
総務省
→https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000045.html
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