先日、リチウムイオンバッテリーの危険性についてご紹介しました。
安全な商品を作ることはできてもコスパが悪くなるため、最小限の機能に縮小されたことも指摘されています。
そんななか、2019年2月1日以降はPSEマークが付属されていないリチウムイオンバッテリーは販売することなどができなくなりました。
今回は、「安全が確保されている?PSEマーク」についてご紹介します。
→リチウムイオンバッテリーについての記事はこちらで紹介しています。
PSEマークってそもそもなに?
電気用品を使用する場合、不具合が起こってしまっては怖くて使うことができませんよね。
つまり、機能性だけでなくそもそも大前提として、安全性が確保されていなければ商品として成り立ちません。
ということで、電気用品による火災や感電を防ぐために、日本国内における電気用品の製造や販売は電気用品安全法(電案法)によって規制されています。
電気用品安全法
第一条
この法律は、電気用品の製造、販売等を規制するとともに、電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進することにより、電気用品による危険及び障害の発生を防止することを目的とする。
とあります。
→電気用品の「製造」「輸入」「販売」を規制することで、電気用品による危険および障害を防ぐことがを目的として、2001年に4月1日に施工されました。
そして、国が定めた技術基準に適合した電気用品にはPSEマークが付けることができ、このマークの表記がない物は販売することができなくなります。
そのため、PSE法と呼ばれることもあります。
つまり、「リチウムイオンバッテリーも電気用品安全法の枠組みに、2019年2月からやっと枠組みに入った!」ということになります。
それでは、PSEマークにはどういった意味があるのでしょうか?
PSEマークとは?
実は、電気用品に付与されるPSEマークは2種類あります。
ひし形の枠にPSEマーク
こんなマークが使われている場合
「特定電気用品」に使われています。
- 電気温水
- 電熱式・電動式おもちゃ
- 電気マッサージ器
- 自動販売機
など、全116品目があります。
→第三者機関による検査が義務づけられています。
*構造または使用方法その他の状況から見て、特に危険または障害のおそれが多い電気用品で、政令で定められている物が対象。
丸形の枠にPSEマーク
こんなマークが使われている場合
「特定電気用品」以外の電気用品に使われています。
自主検査にて技術基準への適合をチェックします。
- 電気こたつ
- 電気冷蔵庫
- 電気歯ブラシ
など、全341品目もありリチウム蓄電池もこちらのPSEマークが表示されることになりました。
このように、電化製品のチェック体制が行われています。
それでは、どんな電化製品が電気用品安全法の対象になるのか見ていきましょう。
そもそも電気用品安全法の対象になる商品は?
すべての電気製品が電気用品安全法の対象になっていないことは、先程紹介した品目数から見ても分かりますよね。(明らかに少ない)
電気用品安全法の第2条に対象となる電気用品はこのように示されています。
一 一般用電気工作物(電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第三十八条第一項に規定する一般用電気工作物をいう。)の部分となり、又はこれに接続して用いられる機械、器具又は材料であつて、政令で定めるもの二 携帯発電機であつて、政令で定めるもの三 蓄電池であつて、政令で定めるもの
このように定められており、なんでもかんでも対象になっているわけではありません。
それでは、最後に罰則について見ていきましょう。
PSEマークがあれば安全?
罰則の種類は?
- 20万円以下の過料
- 30万円以下の罰金
- 1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 違反者の法人は1億円以下の罰金
といった具合に、様々な罰則があります。
例えば、PSEマークが表示されていない電気用品を販売したり、販売の目的で陳列したりすると・・・
- 会社などの法人には、1億円以下の罰金
- 個人では1年以下の懲役又は100万円以下の罰金または併科。
と言った具合に、上記で挙げた罰則が課されることになります。
とはいえ、そもそも先程紹介した「特定電気用品(ひし形のPSEマーク)」と「特定電気用品以外の電気用品(丸形のPSEマーク)」は、判断基準が全く違います!
特定電気用品のPSEを取得したい場合
❶登録検査機関で適合性検査を受検し、適合証明書を保存
⇊ ⇊
➋製造工程での検査・完成品の検査と試験の検査を実施。
⇊ ⇊
❸・出荷前の検査の実施と検査記録を保存。(自主検査)
→PSEマーク、事業者名、登録検査機関名および定格等を電気用品に表示する。
⇊ ⇊
❹市販への販売
今回指定されたリチウムイオンバッテリーは、「特定電気用品以外の電気用品」の対象となるため・・・
「特定電気用品以外の電気用品」のPSEを取得したい場合
❶・出荷前の検査の実施と検査記録を保存。(自主検査)
・PSEマーク・事業者名・および定格等を電気用品に表示する。
⇊ ⇊
➋市販への販売
こちらはあくまで自主検査のみですので、第三者である「登録検査機関名」も必要ありません。そもそも、第三者が検査しないので・・・
罰則が付いたことで、これまでよりも厳しくなったと言われる反面、検査態勢が不十分だと言われる所以でもあります。
今後の事故の状況によっては、ひょっとしたらまた変わるかもしれませんが、今の所はなんともいえません。導入も始まったばかりですので・・・
最後に
規制強化はされましたが、「PSEマークがあれば絶対安全!」ということではなく、そもそも使用者が電気用品を大切に扱わないといけないことは、いうまでもありません。
ちなみに、「個人的に売る場合(商売として売ることは基本的に許されない)」や「レンタルをする場合(販売ではないため)」は、電気用品安全法は適用されないためPSEマークがなくても問題ありません。
さらに、経済産業大臣の承認を受ければPSEマークがないビンテージものと呼ばれる電気楽器を販売することもできます。
リチウムイオンバッテリーを購入するときは、まずはPSEマークを確認してから購入して下さいね!
参考
TAIYO 公式コラム
→https://www.taiyocable.com/column/electrical-appliances-and-safety/
経済産業省
→https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/act_outline.html
経済産業省 北海道経済産業局
→https://www.hkd.meti.go.jp/hokih/mobilebattery/index.htm
電気用品安全法
→https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=336AC0000000234
JQA:一般財団法人 日本品質保証機構
→https://www.jqa.jp/service_list/safety/service/mandatory/pse/
弁護士法人リバーシティ法律事務所
→https://www.rclo.jp/general/report/cat42/170/
コメントを残す