医薬品の個人輸入は自己責任! 危険な事例も・・・

 

この記事では、海外輸入の健康被害についてお伝えしています。

以前も紹介しましたが、新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されていますが、優先順位が決められていますよね。

  1. 医療従事者
  2. 高齢者
  3. 基礎疾患のある人

この順番で、順次進められています。

ただ、そうなると高齢者の順番がくるのは「医療従事者の次」ということになります。実は、この順番の影響で医薬品等を海外から輸入する人達がいるようです。

今回は、「厚生労働省も注意喚起している海外輸入の医薬品」について紹介します。

 

海外から医薬品を輸入?

そもそもの話しですが、世界中でコロナワクチンは研究・開発がなされています。

もちろん、日本でも開発は進められていて例えば、前回紹介したシオノギ製薬でも治験が進められています。

 

「シオノギ製薬の治験」については、こちらの記事で紹介しています。

シオノギ製薬が日本のワクチン開発中?  治験はどこまできた?


さて、この輸入医薬品の問題は、以前から引き起こされていました。

  • 米国の電子タバコ使用後、深刻な肺疾患となり死亡。
  • 2019年には、経口コレラワクチン「Dukoral」のバングラデシュ国内で確認された偽造品。

など、多くの弊害が引き起こされています。

 

つまり、そもそも海外輸入品の・・・

  • 医薬品
  • 医薬部外品
  • 化粧品
  • 医療機器

などなど、今では海外からネットを使えば個人でも簡単に輸入できるようになりましたが、残念ながら「保健衛生上の危険性」があります。

 

「保健衛生上の危険性」ってなに?

日本の場合なら、製造工場1つとっても厳しい管理が求められているため、違反すれば、例えば薬機法により厳しい処分を受けることになります。

分かりやすく言えば、日本国内で「正規」に流通している医薬品などは、品質・有効性・安全性の確認がなされていますが、個人輸入される外国製品にはそもそもそういった保障がありません。

つまり、個人輸入される医薬品などは自己責任の利用となります。

ただ、この「自己責任の利用」はハイリスクであることを理解しておく必要があります。

 

ハイリスクな海外輸入?

例えば、日本の健康食品やダイエット食品とは違い、海外からの製品には医薬品成分が含まれ、それにより健康被害が引き起こされることまであります。

それでは、分かりやすい事例として、「日本の栄養ドリンク」についてみてみましょう。

 

 

日本の「栄養ドリンク」と「清涼飲料水」の違い

日本では、栄養ドリンクは「医薬品や医薬部外品」ですが、例えばエナジードリンクは「清涼飲料水」に分類されます。

→栄養ドリンクは、「滋養強壮」や「栄養補給」といった効能・効果の記載が可能。成分の配合量について表示の義務がある。

→清涼飲料水には、効能・効果の記載はできない。成分表示の記載義務がない。

このように、日本では「医薬品成分」は厳しく管理されています。

 

輸入品にはどんな危険がある?

そもそも、当然ですが海外の輸入品は、日本と同じ基準で作られていると考えてはいけません。

  • 不衛生な「場所」・「方法」で製造。
  • 「虚偽」または「誇大」な、効能・効果・安全性などを標ぼうして販売等されている。
  • 正規のメーカー品を偽った、偽造製品。

しかも、商品記載は外国語で書かれているためそもそも正しく商品説明を理解することが難しいでしょう。

hpgruesen / Pixabay

また、日本でも同じことは言えますが、品質等が確認された医薬品などであっても副反応が生じることはあります。

ですが、それだけではなく、そもそも個人輸入された医薬品による健康被害については、「救済対象」となりません。

当然、使用後に副反応や不具合が起きたとしても、海外輸入品のため適切な対応が難しい場合も引き起こされます。

さらに、その海外輸入品が偽造品であればなおさら難しくなるでしょう。

それでは、これまで海外輸入品による健康被害はどのような事例があるのでしょうか?

 

健康被害の事例とは?

厚生労働省の報告より

  1. ホスピタル・ダイエットなどと称する錠剤、カプセル剤を個人輸入から、死亡例を含む重大な健康被害が生じました。
  2. ED(勃起不全)治療薬の偽造医薬品(ニセ薬)を消費者が知らずに購入し、健康被害が生じました。
  3. ダイエット用食品と称して販売されていた御芝堂減肥 嚢、天天素清脂 嚢、強壮用食品と称して販売されていた蟻力神、威哥王、男根増長素に医薬品成分が含まれていて、健康被害が生じました。
  4. 医師の診察・処方が必要な医薬品であるRU486(内服妊娠中絶薬)を自己判断で個人輸入して健康被害が生じました。

このように、過去にも海外輸入品により最悪の場合、亡くなっている事例があります。

そもそも、医師の処方が必要な医薬品まで扱われていた事例まであり、自己判断ではあまりにも危険な現状がすでに報告されています。

これまでに、すでにこういった経過がある輸入医薬品などですが、それでは「コロナ」とはどういった関係があるのでしょうか?

 

「コロナ」と「海外医薬品」

例えば、新型コロナウイルスの治療薬として治験が開始されている抗寄生虫薬こうきせいちゅうやくがあります。

この薬は、ノーベル医学生理学賞の大村智特別栄誉教授が開発に貢献した『抗寄生虫薬「イベルメクチン」がコロナに効果がある』として報道もされています。

また、このイベルメクチンはアフリカやアジアに広がる寄生虫が原因の熱帯感染症の特効薬として、使用されてきた薬でもあります。

ただ、「日本では治験中」とお伝えした通り、日本ではまだ未承認の薬です。

そこで、この薬を海外から輸入しようとする人達がいるようですが、残念ながら「どういった環境で誰が作った薬か?」といったことまで考えずに、個人輸入してしまっているようです。

ちなみに、国が承認した「レムデシビル」や「デキサメタゾン」といった治療薬もありますが、日本では医師の処方がなければ入手できません。

こういった理由から、安全性や有効性がよく分からない海外のコロナ治療薬に手を出す人が後を絶たない現状のようです。

jarmoluk / Pixabay 

そもそもの話しですが、「一般的に輸入薬は中身が正しいものか、誰も保証していない。」そんな状況です。

仮に、本物だったとしてもその品質は大丈夫なのでしょうか?

こういった現状があるため、「海外の医薬品は命を落とす可能性もあるギャンブルになるかもしれない」ことを覚えておいた方がいいでしょう。

 

最後に

新型コロナウイルスにより、一番の問題は不安の蔓延ではないしょうか?

金銭面・健康面どちらも世界中の人が大きな影響を受けました。もはや、影響をまったく受けていない人を見つける方が難しいでしょう。

そんな中、不安な状況から「自粛警察」「特殊詐欺」、今回のような「海外医薬品の輸入」など大きな混乱が続いています。

ですが、そもそもコロナのワクチン接種1つとっても「努力義務」です。

なにより、コロナの影響は高齢者が中心になっているとはいえ、死亡率は以下のようになっています。

 

厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(速報値)

令和3年1月6日18時時点

  • 60代:1.4%
  • 70代:4.5%
  • 80代以上:12.3%

となっています。

「80代以上」は死亡率が確かに1割を越えていますが、そもそも「老衰?」なのか「コロナ死?」なのかの判断は難しいのではないでしょうか?

→陽性者が死亡すれば、「全てコロナ死」と診断されることもあり判断が難しい。

まずは、危ないかもしれない海外の輸入品に手を出す前に、正しく怖がる知識を身につけるようにしてみてはいかがでしょうか?

 

 

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