●この記事では、「クラゲの危険性と禁忌」についてお伝えしています。
今年も暑い夏がやってきました。
この時期は、海水浴に遊びに行く人も多いかもしれませんね。
ところで、そんな海遊びでは危険は付きものです。
以前も、海難事故についてご紹介しましたが・・・
今回は、そんな海の危険の中でも「クラゲがここまで危険とは・・・」についてご紹介します。
そもそも「クラゲ」はそんなに危険なの?
普段の生活で、水族館にでも行かなければクラゲにであうことはそうそうないのではないでしょうか?
それでは、そもそもクラゲってどんな生き物なのでしょう?
クラゲは生きた化石!?
そもそも、クラゲはシーラカンスやカブトガニなどと同じように「生きた化石」と呼ばれ、なんと5億年前から生き残ってきた生物です。
恐竜をはじめ、様々な生物が絶滅していきましたが、クラゲはそういった危険な状況でも生き延びてきたことが分かっています。
ちなみに、クラゲのなかでも「ベニクラゲ」は不老不死と呼ばれ、「死なないクラゲ」として有名です。
さて、そんなクラゲは3,000種類以上もいるといわれていますが、そのほとんどが「針」を持っています。
クラゲが攻撃してくるの?
「クラゲに刺された!?」聞くと、クラゲが意思を持って刺してきたように思うかもしれません。
実際、私もそう思っていました。
ですが、実はそもそもクラゲには脳がありません。
それどころか、心臓や血管すらもありません・・・
つまり、考えて行動している分けではありません。
ただ、脳の代わりに神経が張り巡らされているため、刺激に対して反射で行動しています。
結論から言えば、「危険な針をもった意思をもたない生物が海の中を漂っている」ということになります。
それでは、そんなクラゲの針は本当に危険なのでしょうか?
クラゲの針は本当に危険?
例えば、沖縄では沖縄全域に生息している「ハブクラゲ」と呼ばれる猛毒をもつクラゲが生息しています。
そのため、沖縄では1998 年に「ハブクラゲ等危害防止対策事務処理要領」が制定されています。
この要綱に基づいて、2021年のハブクラゲ等危害防止対策事業報告書 によれば、以下のような被害になっています。
2021 年に報告のあった刺咬症被害は 107 件だった。
2020 年の刺咬症被害報告数 140 件 1)と比較すると 33 件減少した。
ハブクラゲによる刺症被害は 25 件報告されており、2020 年の 41 件 1)より 16 件減少した。
ということで、去年と比較すると減少傾向にあるようですが、被害報告は100件を越えています。
問題は、年齢階級別の被害状況です。
- 20 代 :27 件(25.2%)
- 10 歳未満 : 23 件(21.5%)
- 10 代・30 代 : 21 件(19.6%)
- 50 代 : 7 件(6.5%)
- 40 代 : 4 件(3.7%)
- 60 代 : 2 件(1.9%)
- 70 代・年代不明:各 1 件(0.9%)
つまり、小さい子どもの被害が多くなっています。
10未満未満と言うことは、好奇心が旺盛なためクラゲに自ら進んで触っていくことも容易に想像できていしまいますよね・・・
ちなみに、クラゲの刺咬症被害は7月~8月に集中していますが、1年中発生しているため海に入るときは注意が必要です。
とはいえ、無毒のクラゲやミズクラゲのように毒性が弱く危険性があまりないクラゲも存在しているため、「クラゲ=猛毒」ではありません。
ただ、クラゲに刺されて症状が出た場合はすぐに対策する必要があります。
クラゲに刺されたら!?
もしも、クラゲの毒針に刺された場合・・・
- 激しい痛み
- 水ぶくれ・ミミズ腫れ
- ひどい場合は、頭痛・吐き気・呼吸困難・意識障害など
*蜂と同じように、以前刺されたことがある場合は、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性がある。
そのため、海水浴中に異常を感じたら、まずはすぐに海から出ることが大原則です。
その後、「もしも触手が残っている場合はすぐに取り除いて・・・」と言いたいのですが、素手で触ってはいけません!
「ピンセットや手袋・・・」は、海水浴には持っていかないですよね。
その場合はタオルなどで代用して直接触れないように取り除かないと触れた部分まで刺されることになります。
ちなみに、「クラゲに刺されたときは酢をかける」なんて対処法がありますが、これはハブクラゲの場合です。
実は、ハブクラゲは酢をたっぷりかけると白濁し毒針を出さなくなります。
そのため、お酢をかけてから触手を抜く方法が言われることがありますが、例えばカツオノエボシは「真水」や「お酢」をかけてはいけません。
というのも、真水では毒をさらに流し込んでしまう危険性がありますし、酢を利用した場合は刺胞が刺激されてさらに刺される危険性があるためです。
少なくとも、クラゲの知識がない人が「これはハブクラゲの触手だ!」と断定することは不可能ですよね・・・
と言うことで、「クラゲに刺されたら酢」なんて思い違いをしていると大変な目にあうかもしれません。
酢や真水が使えない以上、海水で洗い流すことが一番の方法だといえるでしょう。
*刺胞を刺激しないように、優しく海水で洗い流す。
刺されたら「温める?」・「冷やす?」
温める場合
ちなみに、クラゲの毒の主成分はタンパク質毒素です。タンパク質毒は40度以上の熱に弱い特徴があります。
→この処置で悪化するというクラゲは存在しないため、痛みがすぐに軽減される。
冷やす場合
刺された箇所は腫れて熱を持つため、冷やして血管を収縮させることで、痛みを和らげることができます。
どちらの対処も間違いではないようです。
最後に
テレビで放送されていた内容ですが・・・
『「子どもから目をはなさい」ではなく、「一緒に遊ぶ」これが大事なこと』だと言われていました。
確かに、一緒に遊べば目を離さないですよね。
実際、私の子ども達(4歳・6歳)もそうですが、なにかをやりながらしようと一瞬目を離すといなくなっています・・・
これが、海水浴場なら・・・
もしもクラゲに刺されて溺れていたら・・・
と考えるとゾッとします。
海難事故はクラゲだけではないですよね。
一緒に遊ぶことが海難事故を防ぐ布石になるかもしれません。
参考
sunshine city「死にかけると若返る!? クラゲの生態と不老不死の秘密!」
→https://ikimall.ikimonopal.jp/blog/post-506/
日本ライフセービング協会
→https://jla-lifesaving.or.jp/watersafety/jellyfish/
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