チック症「運動チック」と「音声チック」 重症化するとトゥレット症候群へ

 

子どもによく出る病気「チック症」について今回はお伝えします。

ただ、「チック症」といっても種類が様々で子どもに限らずあなたも私も持っているかもしれません。

子育てをしているときに、子どもの癖だと思って何度叱っても治らないことはありませんか?

ひょっとしたら、それはチック症かもしれません。

興味のある方は最後まで読んでみて下さい。

 

「チック症」ってそもそもなに?

チックの症状は、通常4~6歳の間に起こります。ただし、10歳~12歳の間で症状が重くなり青年期になると軽くなることが多い病気です。

*大人になると症状が軽減しやすいですが、大人になっても重度のまま続いたり悪化する場合もある実は怖い病気です。

  • 不随意運動・・・自分の意思とは関係なく体が勝手に動く。(運動チック)
  • 無意識の発声・・・自分の意思とは関係なく声が出てしまう。(音声チック)

 

チックは、誰もが経験している

そもそもの話しになりますが、チックの重症度は様々で5人に1人の小児では、なんらかのチックが見られていると言われています。

→ただし、チックの多くは軽いもので、ほとんどの場合は親も医師も病気とはみなしません。それだけ身近なものが「チック症」です。(多くの場合は、一過性

*5人家族なら、1人以上はチックを経験していることになります。

 

症状が人によって違う!

チックには、「運動チック」「音声チック」があります。

◎運動チック◎

  • まばたきする
  • 顔をしかめる
  • 急に頭をふる
  • 方をすくめる
  • 汚行(おぎょう):性的または卑猥な身振り
  • 反響動作:他の人の動作を真似る

 

◎音声チック◎

  • ぶつぶつ言う
  • まばたき
  • 怒鳴る
  • においを嗅ぐ
  • 鼻を鳴らす
  • 咳払いする
  • 汚言(おげん):社会的に不適切な言葉を発する。
  • 半行言語:自分または他の人が発した言葉や音を繰り返す

このように、「体が動けば運動チック」・「声が出れば音声チック」と分けることができます。

こちらの動画で、チックの具体的な症状の現れ方が紹介されています。

バリバラ→https://www.youtube.com/watch?v=Bnqnb05sl2w

 

→チックが起こる前には、「その動作をしたい!」という強い衝動が起こります。そして、チックを起こすと一時的に落ち着きます。

*注意する点は、最終的にはコントロールできなくなり衝動を抑えることができなくなります。

それでは、どうやってチックの重症度を判断するのでしょうか?

 

チック症の重症度チェック

診断は、症状とその持続時間に基づいて3つに分けられます。

  1. 一過性チック症害:症状の持続が4週間から12ヶ月未満の場合。
  2. 慢性チック障害 :12ヶ月以上持続し、3ヶ月以上持続してチックが消失することがない場合。
  3. トゥレット症候群:「運動チック」と「音声チック」の両方が1年以上見られる場合。

このように、期間により診断がなされます。そして、チックが重傷になると「トゥレット症候群」という病名に変わります。

 

注意点は?

子どもがやることなので、親としてはつい「ふざけている!」と考えて叱ってしまうと思います。ですが、どんなに叱ってもその「癖」のように見えるチック症は、なくなることはありません。

*チックが睡眠中に起こることはなく、協調運動(バランスを保つなど)を妨げることもほとんどありません。

また、勉強や仕事に集中している・不慣れな場所にいるときはチックが減少することがあります。

 

治療

基本的には、チックに対しては指摘したりせず「温かい無視」が必要といわれます。

つまり、自分のチックをもっとも気にしているのは本人のため、指摘しないようにすることが求められます。(意識しすぎることで症状が悪化することもある)

*チック症状が重度の場合は、薬物療法が行われることもあります。

→チックは、生まれつきの脳の性質に由来しているものなので、チックの強さや長引くかどうかは生まれつき決まっている可能性が高いとされています。

また、叱るとチックが一時的に悪化します。ただし、ひどくなるのは一時的な現象です。つまり、チックにより現れる症状について叱ってもどうにもならないので、医師からは「叱らないで」と言われるでしょう。

 

最後に

チック症は、決して珍しい病気ではありません。ですが、隣の人が突然「首を何度も前後に動かす」「電車内で何度も咳をしたり、唸る」といったことを繰り返していたらどうでしょう?

恐らく、「おかしな人だ!」と思うのではないでしょうか?

チック症は、このように見た目に目立つ行為もあれば「目を強くつむる」といったように、通り過ぎるだけでは分からないチック症もあります。

「癖」と思っている物が、実はチック症だったなんてこともあるかもしれません。

子どもが繰り返しすることは、癖なのかチック症なのか?

気になるときは、小児科で相談することをオススメします。


参考

MSDマニュアル:チュレット症候群とその他のチック症
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

一般者団法人日本小児神経学会
https://www.childneuro.jp/modules/general/index.php?content_id=67

you tube:悪魔の疾患!?チック症(トゥレット症候群)ってどんな病気?
https://www.youtube.com/watch?v=etTGI2RYaz4

 

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