皆さんは、公衆電話を使ったことがあるでしょうか?
かくいう私も、これまであまり使ったことがありません。理由は、いうまでもないと思いますが「携帯が普及したから」ですよね。
ただ、災害時は公衆電話がつながることから大きな注目を集めています。
そこで今回は、「災害時は無料になるかもしれない!?知らないともったいない公衆電話」についてご紹介します。
そもそも公衆電話は減っているんじゃないの?
あなたが住んでいるご近所に公衆電話はありませんか?
確かに、昔に比べると公衆電話はあまりみなくなりました。
ですが、探してみると意外と駅前や歩道などさまざまなところに設置されています。実は、公衆電話は概ね500m~1km四方に1台設置されています。
つまり、外出すればたいてい1箇所は見つけられることになります。
とはいえ、公衆電話は確かに激減しています。それは、図1からも明らかです。
図1 《NTT東・西日本における公衆電話設置数》
図1から見てとれるように、2010年には28万台以上も設置されていました。ですが、2019年には15万台にまで減少しています。
ちなみに、2000年代には公衆電話が70万台以上も設置されていたことを考えると、激減していることがよく分かります。
とはいえ、公衆電話は災害時には「災害時有線電話」となり、警察や消防などの重要通信を守るために行なわれる通信制限の影響の受けることはありません。
しかも、電話回線を通じで電力が供給されているため、停電時でも使用することができます。
さて、このように激減している公衆電話ですが、実は「特設公衆電話」は増加しています。
特設公衆電話ってなに?
特設公衆電話(災害用公衆電話)は、平常時は使えませんが避難所となる施設などで保管され、災害時に設置することで使えるようになる電話のことです。
公衆電話と同じように、停電時も利用することができ、もちろん無料です。
図2 《NTT東日本の特設公衆電話の推移》
図2から、NTT東日本では2011年に特設公衆電話は、7,310台しかありませんでした。しかし、2018年には47,396台と6倍以上になっています。
ちなみに、NTT西日本では2019年9月30日時点で31,522台(17,622箇所)
→全855自治体のなかで、722自治体がすでに設置済になっています。
このように、全国で特設公衆電話の設置が進められています。
それでは、公衆電話についてまとめていきます。
公衆電話とは!?
- 災害時有線電話→災害等の緊急時であっても通信規制の対象となり優先的に取り扱われる。
- 通信ビルからの給電→NTT東日本・NTT西日本の通信ビルから電話回線を通じて電力が供給されているため、停電があっても電話をかけることができる。
公衆電話と言えば!?
公衆電話には、「アナログ公衆電話」と「ディジタル公衆電話」の2種類があります。
どちらにしても、受話器を上げて「硬化」や「テレホンカード」を投入してからダイヤルを回します。
→ほとんどの小学生が知らないといわれる公衆電話の使い方。そもそも、相手先の番号が分からなければ意味がありません。
ただし、たとえ分かっていたとしても、「アナログ」か「ディジタル」かで公衆電話の使い方が違う場合があります。
「ディジタル(液晶ディスプレイがある)」と「アナログ」の違いとは!?
1.緊急通報の場合(110:警察・118:海上保安・119:消防、救急)
~ディジタル~
- 硬化・テレホンカードは不要。
- 受話器を上げてそのまま110番等を押す。
~アナログ~
- 硬化・テレホンカードは不要。
- 受話器を上げ、緊急通報ボタンを押す。
- 110番を押す。
2.停電時の場合
~ディジタル~
- 液晶ディスプレイが消えている。
- テレホンカードは使用できない。
- 同一場所に複数台設置されている場合は、停電時に稼働していない電話機もある。
→グレーのディジタル公衆電話の場合は、バッテリー消耗後は硬化も使えなくなります。
~アナログ~
- 赤ランプが消えている。
- テレホンカードは使用できない。
*どちらのタイプでも、基本的に使い方は同じですが、停電時はテレホンカードが使えなくなります。
3.災害発生時等で無料化措置時の使い方
~ディジタル~
- 硬化やテレホンカードは不要。
- 受話器を上げ、そのままダイヤルする。
~アナログ~
- 受話器を上げる。
- 硬化またはテレホンカードを投入。
- 電話番号をダイヤルする。
- 通話終了後、硬化やテレホンカードはそのまま返却される。
つまり、災害発生時に無料化措置がとられた場合、アナログ公衆電話は硬化やテレホンカードが必要になります。
このように、使う公衆電話が「アナログなのか?」「ディジタルなのか?」によって、使い方が異なります。また、ディジタル公衆電話の中にも、使える物と使えない物があることが分かります。
それでは、最後に「3.災害発生時等で無料化措置」についてご紹介します。
災害発生時等で無料化措置
実は、公衆電話は災害救助法の適用が想定される規模の災害
- 交通機関の遮断等の社会的混乱が発生。
- 関係事業者における携帯電話および固定電話の通話規制が発生する可能性がある。
こういった場合、公衆電話から発進する際の通話料等が無料になる場合があります。
つまり、もしもお金がなく、充電切れなどでスマホも使えない状態だったとします。ですが、公衆電話を見つけることができれば、電話をすることができるかもしれません。
*繰り返しますが、相手先の電話番号が分からなければ意味がありません。または、災害用伝言板171を利用。
→災害用伝言板171は、こちらの記事で紹介しています。
最後に
公衆電話が見直されていますが、普段から使う習慣がないため、私達親もいざという時は使い方に戸惑うかもしれません。
面白い対策として、タカラトミーが「NTT東日本公衆電話コレクション」として1個300円のガチャガチャを2019年11月に発売が開始されました。
先程お伝えした、ディジタル公衆電話・アナログ公衆電話だけでなく、他にもさまざまな手のひらサイズの公衆電話が精巧に作られています。
一番いいのは、実際に使ってみることだと思いますが子どもが興味を持つきっかけとしては、ガチャガチャは面白いかもしれません。
ちなみに、「goo防災」アプリで公衆電話の場所は簡単に調べることができます。
10円玉を握りしめて、昔のように公衆電話を子どもと利用してみてはいかがでしょうか?
参考
公衆電話の特徴と使用方法
→https://www.soumu.go.jp/main_content/000162017.pdf
NTT東日本:災害時の通信手段について
→https://www.soumu.go.jp/main_content/000162017.pdf
NTT東日本:災害時の通信確保について
→https://www.ntt-east.co.jp/saigai/taisaku/kakuho_01.html
NTT西日本:特設公衆電話(事前設置)
→https://www.ntt-west.co.jp/cgi-bin/saun/saitai/tokusetsu/index.cgi
ガベージニュース:公衆電話総数は約15.5万台…公衆電話の設置数推移をグラフ化してみる(最新)
→http://www.garbagenews.net/archives/1956013.html
タカラトミー:NTT東日本 公衆電話ガチャコレクション
→https://www.takaratomy-arts.co.jp/items/item.html?n=Y876738
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