親知らずは取扱注意! 顎が骨折する可能性まである!?

 

今回の記事では、親知らずの悪影響について説明しています。

「親知らず」と聞いて、あなたはどんなイメージがあるでしょうか?

多くの人にとって「不要な物」・「抜かないと痛い!」など、不快なイメージがあるのではないでしょうか?

それでは、どうして親知らずは生えてくるのでしょうか?

今回は、「親知らずは必要? 不要?」についてご紹介します。

 

「親知らず」ってそもそもなに?

歯の豆知識!

そもそも、親知らずは「第3大臼歯(だいさんだいきゅうし)」のことです。

と言われても、分からないですよね・・・

「大臼歯」というのは、奥歯にある3つの歯のことです。

真ん中から数えて6番目が第1臼歯・7番目が第2臼歯となります。

つまり、第3臼歯はまさに「奥歯」のことです。

親知らずは、上下左右の両端に合計4本

kreatikar / Pixabay

 

親知らず?

単純に「奥歯」と呼べば分かりやすいのですが、この歯は18~22歳頃に出てくる歯(30・40歳頃に生える場合もある)が、名前の由来として言われています。

どういうことかというと、昔は今のように100歳近くまで生きることは難しく、子どもにこの奥歯が生えてくる頃には、親が亡くなっていることが当たり前だったためです。

つまり、「親を知らない歯」→親知らず

まさに、昔の名残といえるでしょう。ちなみに、成人になって知恵がついてから出てくるため「智歯(ちし)」とも呼ばれます。

「智歯」の方が、今はいいかもしれませんね。

ただ、この親知らずは「百害あって一利なし」と呼ばれることがあります。

 

百害あって一利なし!?

まるで、タバコのような言い回しですが、実は親知らずにも同じようなことが言われます。そもそも、親知らずは名前だけでなく、その生える理由も「昔の名残」として認識されています。

昔は、硬い物を食べることが当たり前で、「丈夫な顎」「32本の歯」が必要でした。

ところが、現在ではそもそも硬い物を食べる習慣がなくなりましたよね。そのため、残念ながら「顎」に限らず、「脳」でも「筋力」でも人間の使わない機能は低下していきます。

つまり、柔らかい物が主流になり顎が鍛えられなくなったことで、「親知らず(奥歯にある上下4本の歯)の役割」もなくなりました。

ところが、役割がなくなっても生えてこなくなるわけではなく、小さくなった顎にも生えてきてしまいます。

 

無理矢理生えてくる!?

親知らずの難点は、この生え方にあります。

もちろん、小さい頃から硬い物を食べていて、顎を鍛えていれば問題ないかもしれません。

ですが、顎が小さくなったにも関わらず、そんな狭い空間に無理矢理生えようすれば、おかしな生え方をすることになります。

  • 斜めに生える
  • 横向きに生える
  • 途中まで生えて歯肉がかぶさった状態になる

など、もはや歯としての機能を失っています・・・

その上、親知らずはさまざまな問題も引き起こしていきます。

 

親知らずが問題とは!?

そもそも、親知らずは「歯ブラシが届かない歯」とも言われます。

もしも、正常にまっすぐ生えれば歯磨きができるでしょう。

ですが、無理矢理生えてきた場合は「斜めや横向き」に生えるだけでなく、「顎の中で横向きになったあげく外に生えてこず中でそのまま埋没している状態(水平埋状)」することさえあります。

さて、「親知らずの横にある歯」と言えば、先程説明した第2大臼歯ということになりますよね。

 

 

斜めや横に生えたら・・・

親知らずが、『「斜め」や「横」に生える』と言うことは、この第2大臼歯を圧迫してしまうことが分かると思います。

そして、第2大臼歯に親知らずが接触すれば、当然どちらの歯もブラシが届きにくくなります。重なっていればほぼ不可能でしょう。

その結果、「虫歯」や「歯周病」になりやすくなり、この場合は抜歯の可能性が高くなります。

 

 

水平埋状していたら・・・

また、外に出てこなくても水平埋状していれば、第2大臼歯の歯の根に接触して刺激してしまいます。

その結果、歯の根やまわりの骨を溶かしてしまうことがあります。こういった場合も抜歯する可能性が高くなります。

つまり、無理矢理生えた親知らずはその歯だけでなく、隣の歯や歯肉にまで影響を及ぼしていく可能性があります。

ただ、この影響は「歯」や「歯肉」だけにとどまりません。

 

親知らずで骨折!?

確かに、親知らずは虫歯や歯周病といったリスクが高くなりますが、実は骨折の危険まであります。

そもそも、骨折までいたらなくとも例えば親知らず(第3大臼歯)は、本来なら第2大臼歯よりも出てくることはありません。

ところが、親知らずの方が前に出てきてしまうことがあり、この場合は顎を動かしたときに親知らずが上の歯に当たってしまうため、顎に負担がかかる「顎関節症」になる場合があります。

→上の親知らずが出てくると歯茎を噛んでしまい、炎症や腫れの原因にもなる。

 

そして、ここからが本題ですが、もしも親知らずが顎の深いところに埋まっていた場合は、転ぶ・殴られるなどその部分に力が加わることで、顎の骨折が引き起こされる場合があります。

つまり、親知らず+外圧=骨折が引き起こされることまであります。

ただ、親知らずはキレイに生えて、手入れもできているなら問題ありません。

ですが、まっすぐ生えていなければ、そもそも手入れが難しくなるため近い将来、虫歯や歯周病といった症状で抜歯する可能性が高くなります。

残念ながら、親知らずの居場所は現代人の口の中にはほとんどないため、基本的に「不要な歯」となっています。

 

最後に

「親知らずは不要な歯」と言いましたが、先程から説明しているように、無理矢理生えてきた親知らずですから、そもそも抜いてしまっても影響がありません。

といういのも、スペースがない所から無理矢理生えている場合、抜いたとしても差歯を挿入する必要もありません。(そもそも、挿入するスペースがない)

→食事にしても、5番・6番の歯があればできるためそもそも必要ない。

むしろ、無理矢理生えていれば、「歯並び」や「噛み合せ」が悪くなります。

このように、親知らずは基本的に「不要な歯」として抜歯されることが多い歯です。

 

ちなみに、抜歯する必要がない親知らずは、以下の場合です。

  1. まっすぐにキレイに生えていて、掃除もできている
  2. 完全に骨の中に埋まっていて、痛みや腫れなどが今後も発生しないと判断できる場合

逆に言えば、「痛み」や「腫れ」があるなら、「抜歯しないといけない親知らず」ということになります。

異常があれば、歯医者で受診して下さいね。

できれば、定期的に歯科検診に通っていれば安心です。


参考

しみず歯科医院:「親知らず」って何だろう?
https://www.shimizu-shika.jp/info/009.html

ウィズ歯科クリニック:『豆知識』親知らずっていつ生えるの?
https://www.with-dc.com/info/post-665/

 

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