待機児童問題

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保育所はたくさん出来ました。そして、これまであきらめていたパパママも希望するようになりました。ですが、結果的に待機児童問題がさらに深刻化しました。

これまでの記事でも待機児童について紹介してきました。

規制緩和で企業の参入だけでなく個人でも開設可能になりました。

ですが、保育所と出生数の逆転現象が起ころうとしています。

2018年の出生数の人数によってはすでに始まっているかもしれません。

厚生労働省が実施した『保育所等関連状況取りまとめ(平成30年4月1日)から紹介します。

 

「保育所等関連等状況取りまとめ」より

全国の保育所等の状況を把握するために毎年実施されています。

①保育所等利用定員     →280万人 (前年と比較して9万7千人増加

②保育所等を利用する児童の数→261万人 (前年と比較して6万8千人増加

③待機児童数        →19895人 (前年と比べて6,186人減少

  • 待機児童のいる市区町村は、435市区町村    (前年と比べて15増加)
  • 待機児童が100人以上の市区町村は、48市区町村(前年と比べて16減少

たった1年で利用定員が10万人近く増加しています。ですが、待機児童数は6186人の減少しかしていません。

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その原因が、保育所等を利用する児童の数が1年で7万人近く増加したということなのでしょう。

つまり、保育所が新しく作られたことで定員は増えましたがそれ以上にこれまであきらめていた人も希望するようになったと考えた方が自然だと思います。

そして、残りの待機児童が2万人近く存在しているという調査結果でした。


待機児童数に関しては、この数値の真偽は分かりません。

ですが、赤ちゃんが毎年何人生まれているかは分かります。

これまで、毎年100万人以上産まれていたので少なくとも3年間で約300万人は産まれます。

全体の定員が280万人ですので、全員が保育所を利用しようとするなら3年間で20万人ずつ利用できない子どもが増えていくことになります。

実際は、赤ちゃんの全てが保育所に通うなんてことはありえないですよね。

*赤ちゃんが亡くなる人数は、2014年から新生児と乳児を含めても3000人を下回ります。

 

今後、保育所が淘汰される時代がくる!

厚生労働省が発表している毎年の出生数(赤ちゃんが生まれる人数)は、1947年から調査が開始されています。そして、毎年100万人以上の赤ちゃんが生まれていました。

ところが、2016年に初めて出生数が100万人を割り込みました。

  • 2016年:976,978人
  • 2017年:94,6065人

出生数が低下したとはいえ、年間95万人近く産まれています。

保育所が特に必要なのは0歳~3歳。

95万人×3年間=285万人

すべての子どもが利用しようと思えば3年間でこれだけの定員を確保しなければいけません。

が、保育所はすでにいっぱいで待機児童が存在しているのが現状です。

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このまま人口減少が続いた場合・・・

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保育所の定員がこのまま280万人を維持できたと仮定します。

単純計算で出生数が93万人近くになれば、計算上は全ての子どもが保育所に行けることになります。

93万人×3年間=273万人。

→2017年で94万人(前年と比べて3万人も減少しています)

元号が変わると子どもの出生数が増える傾向にあるので、一概にはいえませんが・・・

 

*2018年の出生数は93万人を下回っているかもしれませんね。そう考えると、ここ3年が待機児童問題の過渡期かもしれません。

小学校でもそうでしたが、次は保育園の淘汰が始まります。

今は、保育所が子どもを選ぶ時代です。ですが、親が保育所を選ぶ時代が来るかもしれません。

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そうなれば、保育所の規制がどんどん厳しくなるでしょう。

そもそも個人で保育所が開設できる現状はかなり違和感があるのですが・・・

今のうちに、保育園で働く職員さんの地位向上をはからないと、これまで通りどころかもっと大変な状況に追い込まれるかもしれません。

保育所が淘汰されていけば、保育士の価値が下がる可能性があります。

今は、保育士不足なので賃金も含めてさまざまな見直しがされようとしていますが今度は保育士の就職戦争が始まるかもしれません。

ここ3年間の人口が94万人を下回れば定員数だけをみれば希望するすべての子どもが保育園に通えることになります。

近い将来、一人で複数の保育所を利用できる時代が来るかもしれませんね。

何度もお伝えしていますが、これは単純に保育所の定員数と出生数を比較しただけの話しです。

 

実は、保育園が足りていないのは全体の約2割

待機児童の問題は大変な問題です。

が、実は全国的にはすでに足りています。

平成30年現在の市区町村の数は1741市区町村あります。

先ほどの厚生労働省のデータで、435市区町村に待機児童が存在するとお伝えしました。

つまり、足りていないのは全体の24.9%ということになります。

つまり、残りの7割以上の市区町村ではすでに保育所は足りています。

保育所が足りていない都道府県

  1. 東京:1万2,4697人(全体の22%)
  2. 神奈川:4,411人
  3. 埼玉県:4,263人
  4. 沖縄 :3,960人
  5. 大阪 :3,922人
  6. 千葉 :3,664人
  7. 兵庫 :3,300人

このように、都市部で待機児童は集中しています。

→都市部に人口が集中する限り、どんなに人口が減少しても都市部の待機児童問題はなくならないかもしれません。

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まとめ

テレビ放送だけをみていると、まるで全国的に足りない印象を受けてしまいますが調べてみると上記のような結果でした。

ただ、待機児童の問題は本当に深刻です。仮に、入園できたとしても、子どもたちを別々の保育園に送らないといけない。保育所の立地などの影響で車では送迎できないので自転車で子ども2人をそれぞれ送り迎えをする。でも、途中で自転車の転倒事故などで子どもが命を失う。

あなたの自転車は大丈夫?増加する乳幼児・自転車事故を防ぐ!

そんな悲しい現実もあります。結局、子どもに被害がかえってきます。待機児童の問題は働くママパパにとっても死活問題です。


参考

厚生労働省:『保育所等関連状況取りまとめ(平成30年4月1日)及び「待機児童解消加速化プラン」と「子育て安心プラン」集計結果』
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000176137_00002.html

厚生労働省:「人口動態総覧の年次推移」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei17/dl/04_h2-1.pdf

都道府県データランキング
https://uub.jp/pdr/j/n.html#1

 

 

 

 

 

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