乳児の事故がベビーベットで発生!? ~安全規格があっても油断できない~

 

赤ちゃんが産まれると、安全のためにベビーベットを購入されるご家庭が多いと思います。かくいう私もネットでベビーベットを購入しました。

ただ、そんなベビーベットで令和元年に続けざまに2件の事故が発生してしまいました。

今回は、「どんな事故だったのか?」について国民生活センターの報告よりご紹介します。

 

なにが起こったの!?

「ベビーベット」といえば、子どもを守るために使いますよね。

特に、兄妹がいればなおさら必要になります。また、ベビーベットがないと赤ちゃんと添い寝をすることになりますが、安易に寝返りもできなくなってしまいますよね。

そんなとき、ベビーベットがあれば赤ちゃんの居場所を安全に確保することができます。

ただ、そんなベビーベットでこんな事故が発生してしまいました。

  • 令和元年6月:8ヶ月(死亡)
  • 令和元年9月:9ヶ月(重症)

 

この2件の事故は、「収納扉付床板調整木製ベビーベット」を赤ちゃんが使用中に発生してしまったようです。

  1. 木製ベビーベッドの下部に収納部分がある。
  2. 収納部分には扉が付いている。
  3. 床板の高さを調整できる。

つまり、こういったベビーベットで発生しました。

このベットは、成長に合わせて床板(赤ちゃんが寝る板)の高さを調整することができます。(2段階・3段階に調整できる物が主流)

 

なぜこんな事故が起こったの?

そもそも、ベビーベットには「PSCマーク」「JISマーク」「SGマーク」により安全基準が設けられています。

 

~PSCマーク(消費生活製品安全法に基づく特別特定製品)~

《乳幼児用ベット》

一般消費者の生命または身体に対して、特に危険を及ぼすおそれが多いと認められる製品を「特定製品」とされています。

その中で、製造または輸入の事業を行なう者の中に、安全性の確保が十分でない者が認められるものを特別特定製品の1つとして指定されています。

登録検査機関での検査を受け、PSCマークを貼付したものでなければ、販売等ができない。

 

~JISマーク(日本産業規格)~

《木製ベビーベッド》

日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格です。

製品がその該当するJISに適合していることを国から登録を受けた登録認証機関が評価するなどして認められた場合、JISマークを貼付することができます。

*任意のものですが、法令などに引用された場合は強制力をもちます。

→ベビーベットに関するJIS規格は任意。

→平成26年度の改正時に、「3段ベビーベットの中段の使用方法が不明確であり、乳幼児が柵を乗り越えて転落する事故が発生している。」として、床板の調整を2段階としている。

 

~SGマーク(一般財団法人製品安全協会SG基準)~

《乳幼児用ベッド》

一般財団法人製品安全協会が定めた安全基準で任意のものです。

SG基準に適合したことを同協会が認証した場合、SGマークを貼付することができます。

万が一、SGマーク付き製品に欠陥がありそれを原因として人身損害が起きた場合は、対人損害を賠償する制度も付加されます。

乳幼児用ベッドには、安全基準が設けられている。

このように、床板の高さ調整については日本産業規格(JIS)のみ2段階とされていますが、その他の安全基準には規定がありません。

また、収納部分の扉については、そもそもいずれの安全基準にも規定がありません。

 

現在、使っているベビーベットで紹介

それでは、同じタイプのベビーベットを現在使っているため、なにがあったのか解説していきたいと思います。

私が購入したベビーベットは3段階(上段・中段・下段)に調整でき、現在1歳の娘が使用中です。

さて、この木製のベビーベット下部には収納部分が設けられていますが、中段・上段で調整しなくてはそもそも収納部分が使えなくなります。(下段にすると、収納部分を全てベットスペースに使うため)

→ただし、上段に調整した場合は収納部分との隙間がほとんどなくなるため、3段調整できるベビーベットの場合は、中段に調整している場合が特に注意が必要です。

また、収納部分は前枠が付いておりピンが左右に2箇所付いているため、そのピンを前枠の穴にはめ込むことで固定することができます。

今回の事故は、なんらかの理由で収納部分の前枠が開いてしまい、前枠の隙間から赤ちゃんの足がでてそのままずり落ち、「頭が収納部分の上枠に引っかかり、口と鼻が敷具に押しつけられた」という事故です。

人形で再現してみましたが、こんな状態で赤ちゃんが挟まっていたというのは、本当に「まさか!」としか言えないですよね・・・

*家族からの聞き取りで、2件とも「収納部分の扉は閉じて使用していた」とのこと。

 

考えられる原因は?

「おそらく」ですが、収納部分の前枠の留め具(ピン)がしっかりと穴に入っていなかったことが、国民生活センターの実験で指摘されています。

  1. 収納部分の前枠がピンで固定されていない状態で赤ちゃんを寝かせる。
  2. 赤ちゃんが寝返りなどをしたときに、前枠が開く。
  3. 開いた前枠の隙間から足が飛び出す。
  4. そのままずり落ち、頭が収納部分の前枠で引っかかる。

 

ベビーベットは、赤ちゃんの居場所!

ベビーベットは、乳幼児の就寝時の窒息や転落などの事故を防ぐために有効です。家の掃除をするときなども、赤ちゃんの安全を確保することができますよね。

収納部分の上枠より敷具が下にある場合は、注意が必要です。(先程紹介した、安全基準に適合したマークが貼付されていても収納部分の扉ロックを完全にかけなければ危険!)

 

~チェックポイントは?~

  • 収納部分の扉を引っ張ってロックがかかっているか確認する。
  • 扉が簡単に開かないように、収納部分のうわ枠と扉を紐で縛るなど簡単に開かない工夫をする。
  • 子どもが成長するにつれて、高さを調整する場合もふまえて、収納扉のロックを習慣付ける。
  • 収納部分のロックが壊れていたら、ベビーベットの使用を中止する。

以上が、国民生活センターで指摘されているチェックポイントです。

ただ、我が家で使っている敷き布団は、床板よりも少し大きめの物を使っています。つまり、収納部分のロックが不十分だと、そもそも収納部分の扉が開いてしまうため、「ロックをかけなくてはいけない状態にしています。

このように、ちょっとした工夫で防げる事故でもあります。

 

最後に

どんなに安全規格で合格していても、いつ・どこで事故が起こるか分かりません。

ですが、どういった事故があったのかを知ることで事前に防ぐことができます。

事故はあってはいけませんが、もしあったのなら二度と起こさないようにしていくことが私達親にできることだと思います。

この記事が、安全対策のきっかけになれば幸いです。


参考

国民生活センター:木製ベビーベッドの収納扉が不意に開き乳児が窒息する重大事故が発生!
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20191115_1.html

 

 

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