子どもを自転車に乗せて出かけることはありますか?
「毎日乗る!」とお答えになったママさんパパさんに質問です。それでは、1349人という数字をご存知ですか?
実は、消費者庁のまとめで2011年~2016年までの6年間で1349人の「幼児用座席のついた自転車」の事故で救急搬送された子どもの人数です。
全国ではないですよ。東京都内だけの人数です。
以前、自転車に乗る際に抱っこひもで前抱っこしながら乗ることはそもそも交通違反だとお伝えしました。
今回は、交通ルールを守ったとしても事故の危険がある幼児用座席のついた自転車事故の状況についてお伝えします。ママさんパパさんが子どもと自転車に乗るときの参考にしてもらえれば幸いです。
自転車用幼児座席はそもそも安全?
あなたが使っている幼児座席にSGマークはありますか?
SGマークは、通商産業省の特別認可法人として設立された「製品安全協会」が、安全を保証するマーク。
法的に義務付けられたものではありませんが、商品自体の欠陥で事故が起こった場合、最大1億円までの賠償措置がほどこされるので基準の高さが伺えます。
*ちなみに、JIS規格は国家規格ですが賠償措置はありません。
→SG基準に合格した商品にSGマークが付与されます。それでは、幼児用自転車のSG基準から正しい使い方を見ていきましょう。
自転車用幼児座席の対象者
- 体重:8kg以上~22kg以下。
- 年齢:1歳(12ヶ月)~6歳(72ヶ月)未満の幼児。
*道路交通法では、6歳(72ヶ月)以上の児童は自転車用幼児座席に乗せてはいけません。
前後の座席でそれぞれ基準が違うことはご存知でしたか?
①前形:15kg以下用
→1歳~4歳未満(身長:100cm未満)
→設置方法は、ハンドル中央部の設置・ハンドルへの引っ掛け設置(後付け)のどちらか。
②後形:22kg以下用
→1歳~6歳未満(身長:115cm以下)
→設置方法は、リヤキャリヤへの設置。
つまり、後ろの座席は1歳になれば6歳までずっと座れます。もし、前形に座らせているなら少しずつ後ろの座席に乗る練習をしなくてはいけなくなります。
お子さんが一人の場合
最初から後ろ座席だけを準備すれば、お子さんが前の座席に座りたがることを防げます。
金銭的にも、カゴが一つだけですみます。
ただ、前に座らせないと不安だと感じてしまうもの。親子でストレスの少ない方法を選べるといいですね。
多くの子どもたちがなぜ救急搬送された?
1歳~3歳が全体の8割。(2歳が最も多い)
転倒の危険!
- 段差や曲がり角。
- 雨の日に滑る。
- 子どもを幼児用座席に座らせる時。→ハンドルロックをしないと自転車ごと転倒しやすい。
- スタンドで自転車を固定しないで停車していたとき。
*荷重がかかった自転車は、とにかく転倒しやすい乗り物だと再確認する必要があります。
安全対策
子ども2人の場合
- 乗せるときは、後ろからのせる。
- おろすときは、前の座席から。
*自転車の重心が安定します。
前の座席は特に注意!
- バランスを崩し転倒しやすい。
- ベルトをしていなければ最悪、前に吹っ飛びます。ゆっくりでも自転車から落ちる可能性があります。
→コンクリートに頭をぶつけて頭蓋骨骨折という事故が実際に起きています。
*「ヘルメットをしてから自転車へ。自転車に乗ったらすぐにシートベルト」を徹底してください。
自転車の安全基準は?
あなたが使っている自転車にBAAマークはありますか?
2016年9月から自転車業界の自主基準である「自転車安全基準」が制定されました。まだまだ新しい制度です。
というのも、2000年頃から安価な自転車が売られるようになったんですが「安かろう悪かろう」な状態で故障や事故が頻発していました。
そのため、しっかりとした安全基準のもと作られた自転車にこのマークがつけられるようになりました。
特徴は?
- 雨の日でもブレーキがしっかりきく。
- ライトがはっきり前を照らす(明るさの決まり:JIS規格に合格している)
- 上部で壊れにくいフレーム→自転車安全基準には、約90ヶ所の検査項目があります。
- 製造上の欠陥で事故が起こった場合、保証があります。
*2017年5月(約1年)ですでに2700万台を突破しています。
お子さんが二人の場合
「幼児2人同乗基準適合車シール」を確認して下さい。
幼児を2人乗せても十分な強度があり、また幼児を2人乗せてもいいことを証明するマークです。
「BAAマーク」で「幼児2人同乗基準適合車シール」が貼ってある自転車となると、楽天市場でも10万円近くするものもあります。
安売りやポイントが貯まった時に買うことをオススメします。
*店頭で購入すると、頼めば幼児座席を取り付けてくれます。
最後に
いかがでしたでしょうか?
最近は、安全基準もしっかり整備されている一方で安い物を買うと安全基準が確保されていないこともあります。
知っているかどうかで大きな差が出てしまうようになりました。
また、ネットで購入することが増えたため、昔のようにお店のひとに確認しながら買うことも少なくなったのではないでしょうか?
せっかくの安全基準も知らなければ間違った使い方をしています。間違った使い方をすれば、せっかくの安全効果も半減してしまいます。
特に子どもに関わる物は、安いからと買う前にまずは安全かどうかを確認したいですね。
まとめ
- 自転車用幼児座席は「SGマーク」を確認する。
- 幼児座席は、前と後ろで年齢基準が違う。
- 自転車は、「BAAマーク」を確認する。
- 子どもを二人乗せるなら「幼児2人同乗基準適合車シール」を確認する。
参考
一般財団法人製品安全基準
→https://www.sg-mark.org/SG/0070
朝日新聞デジタル
→https://www.asahi.com/articles/ASLB334HYLB3UTFL002.html
一般社団法人 自転車協会BAA
→http://www.baa-bicycle.com/index.html
長岡京市のチャイルドシート、幼児2人用同乗自転車に関するチラシ→http://www.city.nagaokakyo.lg.jp/cmsfiles/contents/0000003/3258/keihatuchirashi.pdf
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