綿棒が詰まる!? 耳かき事故で命の危険があった・・・

 

皆さんは、耳かきはどのくらいの頻度でおこないますか?

以前、「危険な耳かき」についてご紹介しましたが、実は毎年耳かきが原因の事故は年齢に関係なく発生しています。

今回は、「綿棒で起こった信じられない事故」についてご紹介します。

*綿棒といえば、100円均一でも売られていて、使い捨てで使えるので衛生的でとても便利ですが、想定外なことが起こるようです・・・

 

「正しい耳かき」については、こちらの記事で紹介しています。

耳かき・水に注意! 外耳炎は‘’スイマーの耳‘’とも呼ばれる!?

 

そもそも、「綿棒」はいつからあるの?

耳かきといえば、「綿棒」を使われている方も多いのではないでしょうか?

綿棒は1923年にアメリカで誕生しました。なんと、今から約100年前です。

ちなみに、爪楊枝(つまようじ)に脱脂綿を巻き付けて使っている様子をみて発明」されたことが始まりだといわれています。

今から考えると、かなり危険な使い方をしていたようですね・・・

日本では第二次大戦後、アメリカの進駐軍が放出品として市場に出回ったことが始まりでした。

*ちなみに、「爪楊枝」を初めて使ったのはネアンデルタール人で、約10万年前からといわれています。

 

どんな事故が起こっているの?

耳かき全般の事故

  • 耳かき中に子どもがぶつかって耳を損傷。
  • 子どもが親の耳かきの真似をしているときに転倒し、耳に刺さり出血。

このように、耳かき中に事故に遭うケースが国民生活センターに報告されています。

ところが、綿棒ならではの事故が発生しています。

 

綿棒による事故

  • 耳かき中に、綿棒の先の部分(綿体)がとれて耳に残ってしまった。
  • 綿体がとれたことに気付かず耳かきを継続した結果、耳の中を傷つけた。

といった事故が実際に起こっています。

そして、綿棒によるとんでもない事故がイギリスで話題になっています。

 

耳かきで命の危険に!?

結論からいえば、「イギリスで31歳の男性が耳かきが原因で意識不明になった!」という内容です。

時系列で表わすとこんな感じです・・・

ある日、綿棒で耳かき
⇊ ⇊
耳かき中に綿体がはずれてしまい、耳の奥につまる
⇊ ⇊
5年間放置
⇊ ⇊
綿体がつまったことで、水や汗などがたまり細菌が増殖
⇊ ⇊
脳にまで感染が広がる
⇊ ⇊
脳の感染症が原因で発作を起こした
⇊ ⇊
意識不明で救急搬送

 

結局、どうなったの?

耳の奥に綿体が詰まれば、痛みがなかったとしても「聞きにくさ」「違和感」があったと思うのですが、なんと5年間も放置されていたようです。

最終的に、耳の近くに溜まっていた膿を手術で取り除くと、「コットンの塊」が出てきたようです。

ちなみに、男性は2ヶ月にわたり抗生物質を服用したそうです。


正直、今回の内容は極端な話しです。ただ、「綿棒から綿体がはずれる可能性がある」「はずれた綿体を放置すると危険」だということがいえると思います。

ただ、免疫が低下していなければ、「今回のように重症になることはなかった!」という医師もいるようです。

つまり、他の病気で免疫が弱っているところに感染したため「悪性外耳道炎」を発症したと考えられています。

とはいえ、日常生活で免疫が落ちることはよくあります。

そんな時に発症する「時限爆弾を抱えている!?」と考えると、かなり怖い状態だったことが分かります。

 

耳かきによる事故はどれくらいあるの?

東京消防庁管内だけで、平成21~25年(5年間)で耳かき中の事故で380人が救急搬送されています。(年平均76人が救急搬送)

0~4歳の乳幼児が150人と突出して多くなっています。そして、0歳~5歳の受傷状況をみるとさらに、1歳の事故が最も多いことが分かりました。

つまり、「乳幼児の手の届く所に耳かき等がある」ということになります。

特に、綿棒は子どもの格好の遊び道具になります。耳だけでなく、目を付いたり、口に入れてしまうこともあります。

耳かき後は、子どもの手の届かない所にすぐに片付けて下さいね。

 

最後に

綿棒は水で湿っている場合、一定の力で引っ張ると軸から綿体がはずれる物があることが分かっています。

ちなみに、2010年以降の5年間で国民生活センターには「耳掃除中に耳に危害を負った」という事故情報が178件。(そのうち、入院した事例もありました)

耳かきは入院だけでなく、今回紹介したイギリスでの事例のように、命に関わるきっかけになることさえあります。

耳かきは、基本的に月に1回~2回。入り口付近(1㎝以内)の耳かきで十分です。決して奥まで入れないで下さいね。違和感があるなら耳鼻科へ!

*体質により、耳垢が多い人や湿性で自然に出てきにくい人・耳かきのやり過ぎで、耳が痒い・痛いなどの違和感があるなど。


参考

独立行政法人 国民生活センター:綿棒の先が耳の中に残って取れない
http://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2016_21.html

日テレニュース:“耳かき”で意識不明…綿棒の使い方に注意
https://www.news24.jp/articles/2019/06/10/07449034.html

東京消防中:耳かき中の事故に
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/topics/201503/mimikaki.html

 

 

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